「ちょっと前に、アイアン・ジャイアントの名前を某所で見たので気づいた」
「アイアン・ジャイアントって?」
「ほとんど露出が無い米国製アニメ映画。自分が見た時は日本では一切入手できず、北米仕様のDVDを個人輸入して見たぐらいだ。聞き取れない台詞ばかりだったが、英語字幕に救われて何とかあらすじだけは追えた。今は日本版のDVDを入手できるみたいだけどね」
「それで? どんな内容? 鋼鉄のジャイアンがリサイタル? それとも鋼鉄のジャイアントロボ?」
「そうじゃない。要するに、意志を持った巨大ロボが少年と仲良くなって、戦いを仕掛けてくる連中に俺は兵器じゃねえ!と叫ぶアニメだ」
「えー」
「ロボットを兵器として使うばかりの日本のアニメに対する痛烈なアンチテーゼでもあるな」
「でも、ザンダクロスはバレエを踊ったよ」
「ははは、まさに日本では例外的な巨大ロボだな。でも、ザンダクロスも最終的に戦ってしまう」
「そうか」
「そういう意味で見るとヤマトも意味深だ」
「というと?」
「ヤマトも戦う……のだが、実は一切撃たないエピソードも珍しくない。結局、未知への航海の手段がヤマトであり、戦闘とはそこで遭遇するアクシデントの一種でしかない」
「戦闘が物語の目玉である常識の否定だね」
「そういう意味では、アイアン・ジャイアントもザンダクロスもヤマトも同じ常識の否定者としてそこにあるのかもしれない」
オマケ §
「どうでもいい余談だが」
「なんだい?」
「東京の稲城市でこんなイベントがある」
「ヤマト関係ねえ!」
「うん。そうだ。でもさ、1つだけいいことがあったんだ」
「なんだよ」
「このページの下にポスターチラシというセクションがあり、それを見て愕然とした」
「なんで?」
「普通、大河原邦男といえばガンダムだろ?」
「そうだね」
「でもさ。このポスターで目立つのはゴーダム(ゴワッパー5ゴーダムの)とヤッターワン」
「えー」
「あと渋くていいのがエクスカイザー」
「えー」
「ガンダムが目立ってない、という意味で何やら爽快であった」
「そうか。やはり台風の目に体当たりだな」
「きっと、知らない人は意味が分からない。台風の目に体当たりなんてアホかと思うだけだ」
「わはははは」
「でも、やはりネンドロイドをぶっとばして台風の目に体当たりだ」
「萌えフィギュアぶっとばすなんてどうかしてると思われるぞ」
「でも、それが頼りになる奴、いかす奴なんだ」
「ますます意味不明に違いない」