「龍馬イラスト展は見てみたかったのだ」
「どうして?」
「ケロロ軍曹がいるらしいからだ」
「なんじゃそりゃ」
「しかし、実際はケロロのインパクトも消し飛びぐらい凄かったぞ」
「どう凄いの?」
「顔ぶれが幅広すぎる。実際に描かれたものも壮絶であった」
みなもと太郎から若杉公徳まで §
「何がすごいって、旬を過ぎて売れなくなった漫画家のイラストを並べましたという感じではなくて、そんな条件とは無関係に幅が広い。なにしろ、同じ場所にみなもと太郎から若杉公徳までイラストがあるのだ」
「みなもと太郎って?」
「今となっては、漫画界の大御所という感じだろうな。しかし、そんな立場を差し引いても絵が凄い。女性は精緻に描いてあるのに男はラフに描いてあったりして、凄みがある」
「若杉公徳って?」
「デトロイト・メタル・シティの作者。坂本龍馬にSATSUGAIと叫ばせているイラストだったぞ。まるでクラウザーさんがそこにいるようだ」
「つまり、古い人から新しい人まで揃っているわけだね」
「他に気づいたのは以下の通り」
- もちろん、ケロロの龍馬もいる
- 普通の漫画の流れではあまり話題にならない山本ルンルンのイラストもある
- 花のズボラ飯(宝島社『このマンガがすごい!』2012年版オンナ編第1位作品)の原作者のイラストもある
- パタリロの魔夜峰央が!
- その他、時代も立場も関係なく大物ずらり
「そうか。よくわかった」
「いや、まだ最大の凄みを説明していない」
「は?」
「実は会場が常設の田河水泡のらくろ館の隣なんだ。のらくろが一杯いるのらくロードを歩いて現地まで行くことになるんだよ」
帰りに考えたこと §
「のらくロードにはあまり驚いてないみたいだね」
「そうだ。森下文化センターに行くのは2回目だからだ」
「なぜ行ったことがあるの?」
「もちろん、田河水泡のらくろ館のためだ」
「ぎゃふん」