名前: ガボーチン
本文:
冥王星海戦の航空機解釈という点で旧シリーズでの冥王星会戦は大和の沖縄特攻だな・
と今更ながら思った次第です。特に勝算があったようには思えないですし、沖田艦の随伴も雪風を含む駆逐艦が主ですから。ただ、ヤマトの世界観と地球防衛艦隊の疲弊、ガミラスの非道さは一発でわかったかも。
「当初、沖縄特攻になぞらえるのは違うのではないかと思った」
「違うよね。主たる戦艦が沈められずに帰ってくるし」
「でもさ。よく考えると、そうじゃない。やはり沖縄特攻でいいんだ」
「どうして?」
「それを説明する」
坊ノ岬沖海戦と冥王星海戦の類似点 §
- 最後の艦隊行動である
- 残された主要な艦を損失した (その後、本格的な艦隊行動は戦争終結まで無い)
坊ノ岬沖海戦と冥王星海戦の相違点 §
- 主たる戦闘艦(旗艦)の生存と沈没が違う
- 雪風の生存と沈没が違う
- 残存艦艇数が違う
説明 §
「相違点も多いじゃないか」
「いやいや。そこは架空戦記の世界なんだよ」
「というと?」
「宇宙戦艦ヤマトとは、戦艦大和のリベンジなのだ。どうリベンジするのかと言えば、空を飛べないで航空機にやられたので、空を飛べるようにするのが方法論」
「それで?」
「だから、冥王星海戦というのはその前段階の暗喩。沖田艦とは空を飛べない大和。ガミラス艦隊はアメリカ航空部隊。つまり、アメリカ航空部隊にボコボコにされて戦艦大和は急遽引き返す。この船つまり飛べない大和では勝てないから。飛べるヤマトにバトンタッチするために帰る。しかし、ただでは帰れない。等価交換だからだ。従って、死なないはずの雪風を身代わりに置いてくる」
「それから?」
「だから、ヤマトは冥王星のガミラスに対してリベンジマッチを挑まねばならない。そして、冥王星基地攻略戦でブラックタイガーの一連射でガミラスデストロイヤーが撃破されるのは当然。あれはアメリカ機のメタファなので、戦闘機で撃墜可能なのだ」
「それだけ?」
「いいや。そこで発生する激闘は、沈んだはずの大和をやはり海に沈めようとする戦いだ」
「それで、反射衛星砲でヤマトは海に沈むわけだね」
「でも、それは偽装であった。リベンジマッチにおいて、ヤマトには潜水艦としての機能も与えられている。だから、沈没は致命傷ではない。タンクから排水すれば浮上できるのだ。これは、『大和は沈んでも負けてないやい』という子供の屁理屈の具現化だ」
「でもヤマトは勝てないよ。勝ったのは決死隊」
「だからさ。空を飛べる敵に対して空を飛べるようになったヤマトは互角になっただけ。沖田艦隊は負けたけど、ヤマトは勝てないけど負けない。そこが進歩」
「じゃあ、決死隊は?」
「爆弾三勇士が突破口を開く。実際、自爆はしないだけで爆弾は仕掛けてくる。その過程で、根元と杉山は犠牲になる」
「えー」
「これが少年倶楽部世代の発想ということだろう」
オマケ §
「これが少年倶楽部世代の発想ということだろう」
「どんな発想だよ」
- 主人公が孤児 (のらくろ的だね)
- 敵中横断14万8千光年 (敵中横断三百里的だね)
- 本当なら出るはずだった正体を隠した正義の男 (ハーロックもこう書くと快傑黒頭巾的だね)
- 少年集団に大人のリーダー (少年探偵団的だね)
- 新しい戦艦 (新戦艦高千穂的だね)
- 浮かんでいるでかい島みたいの (浮遊大陸もこうしてまとめると、浮かぶ飛行島的だね)
「それでいいのかよ」
「いいのだ」
「どうしてだよっ!」
「快傑黒頭巾を書いた高垣眸が、あとから熱血小説宇宙戦艦ヤマトを書くからさ。シームレスにヤマト世界に繋がってるんだ」
「ぎゃふん」
オマケ2199 §
「だから、ヤマト2199にはこういう発想は継承されていない」
「なぜ?」
「作り手が少年倶楽部世代じゃなくて、ヤマト世代だからだ」
「ぎゃふん」
オマケ倶楽部 §
「でも。なんで少年倶楽部を語れるんだよ。世代じゃないだろ?」
「復刻版の文庫本を少し読んだからな」
「えー」
「だから冒険ダン吉だって語れるぞ」
「どんな内容なんだ?」
「キャプテン・ダンが吉祥寺で冒険するんだ」
「うそつけー」
オマケ倶楽部2 §
「でも。なんで少年倶楽部を語れるんだよ。世代じゃないだろ?」
「復刻版の文庫本を少し読んだからな」
「えー」
「だからのらくろだって語れるぞ」
「どんな内容なんだ?」
「シヌノラの心が黒いんだ。だから、ノラくろっていうのだけどね。油断したハーロックとトチローをあっさり殺して第1話で完」
「うそつけー」
オマケ倶楽部III §
「でも。なんで少年倶楽部を語れるんだよ。世代じゃないだろ?」
「復刻版の文庫本を少し読んだからな」
「えー」
「だから浮かぶ飛行島だって語れるぞ」
「どんな内容なんだ?」
「飛行士の島が浮かぶんだ。ヤマトの航海班長が、そりゃもう変な宗教に凝って空中浮遊しちゃうけど、実は宇宙で人工重力装置が故障しただけの勘違い」
「うそつけー」
オマケ倶楽部三百里 §
「でも。なんで少年倶楽部を語れるんだよ。世代じゃないだろ?」
「復刻版の文庫本を少し読んだからな」
「えー」
「だから敵中横断三百里だって語れるぞ」
「もうええねん」
オマケ倶楽部三等兵 §
「ちなみに、戦後だけとロボット三等兵も少年倶楽部なんだなあ」
「えー」
「あれだけ日本の正義をおちょくった漫画が、国策漫画ののらくろと同じ媒体だったとは。時代の差って恐ろしい!」
オマケ倶楽部の子ら §
「だから、異国に行って現地人に正しい道を教えるというのは冒険ダン吉的な世界観で、復活編までは確かに少年倶楽部的な世界観に含まれるのだろうと思う。でも、天岩戸が開いちゃう2199はもう含まれない」
「なぜ?」
「西崎さんが少年倶楽部世代で、彼が中心にいた復活編までは少年倶楽部的な世界観がある。でも、もういない2199には無い。おそらく、そういうことだろう」
「厳しいね」
「たぶん、ヤマトファンでも少年倶楽部が分かるのは少数派じゃないのかな」
「森下ののらくろ館に喜んで通う人は少なそうだね」
「おいらも、行ったことはあるけど、別に喜んで行ったわけでは無いからな。父は喜んで行ったけど」
「喜んだのか」
「最初に行くときに、行くかと聞いたら、悩むことも何も無く二つ返事」
「2回目に行ったときは?」
「既にこの世にいなかった」
オマケ水泡 §
「のらくろの作者ってどんな人?」
「田河水泡」
「田河水泡の紹介を頼む」
「サザエさん打ち明け話の登場人物で、おちゃめなオジサン」
「そう言われると磯野波平と大差ねえ!」
オマ原爆 §
「すると、ガミラス艦隊がアメリカ航空部隊に相当するなら反射衛星砲は何か」
「なに?」
「もっと凄い超兵器ということは、原爆のメタファなのだ」
「なぜ原爆?」
「放射能はいくら反対側に隠れても忍び寄ってくるからさ」
「ひ~、まさに反射衛星砲!」