名前: トモネコ
本文:
昨日の続きですが、バンダイのヤマト2520のプラモが再販されましたね!
「まさにありえないぐらい完璧な夏だ」
「おお!」
「そして、かつて見た光景が完璧に繰り返されているかもしれない」
「なんだよ、かつて見た光景って」
「うむ。∀ガンダムのデザインはダメに決まっていると決めつけるような意見が横行して無駄にファンの対立が煽られたが、2520も同じパターンにいきなり陥った。Amazonのレビューにかなり否定的な意見があったよ」
「どんな意見?」
「YAMATO2520のデザインには否定的な意見しか無い的な意見が書かれていたので、ふざけんじゃねー、という反論レビューを書いておいたよ。ははは」
「君の立場はどうなのだ?」
「うむ。そっちを鮮明にするのが先か」
- 実は∀ガンダムは好きである。タルに入って宇宙を漂流して地球に戻ろうとするような話が面白くてたまらん。ターンXのXを逆さまにしてもXじゃん的なセルフ突っ込みも好きだ。更にザックトレーガーはそれだけで一晩語れるぐらいクールだ
- 実は模型の∀ガンダムも好きである。本放送当時、1/144のシリーズをかなり集めた。∀はもとより、スモーとか変形する円盤みたいなのも買ったぞ
- MGの∀も実は買った
- もちろん、バンダイのYAMATO2520も当時リアルタイムで買ったぞ
「シド・ミード大好き?」
「いや、特にシド・ミード大好きというわけではなく、実はブレードランナーもまだ見てないほどだ」
「じゃあなぜシド・ミードのファンでは無いのに、シド・ミードのデザインを歓迎するの?」
「息苦しい日本的な価値観にスカッと風穴を開けてくれるからさ」
「どこが息苦しいの?」
「うん。たとえばガンダムシリーズ。日本人がデザインしたガンダムって、どれも狭苦しい個室なんだよ。開放感が無い」
「∀だと?」
「実は身体の下半身の手前にコクピットがあって、とても開放感がある。コアファイターが胴体内に収納されず、手前に付くのだ」
「なるほど。息苦しくないね。ヤマトだとどうなるの?」
「初代ヤマトは戦艦大和のデザインラインを引き継いでいて、そこから逸脱できない。主砲は3連装3基9門以外に有り得ず、デザイン面での制約が生じてしまう。副砲を持っていることにあまり意味は無いのだが、それも外せない。かといって、副砲を3連装4基12門持つのが大和の竣工時の姿だと言っても、そういう姿にもなれない」
だから §
「だからさ。松本零士デザインの宇宙戦艦ヤマトと第18代YAMATOは全く別個のフネであり、デザイン的に違っていても何ら構わない」
「名前が継承されているだけってことだね」
「そうだ。実際に名前が継承されていても、中身は別物というケースは多くある。軍艦でも初代と2代目と3代目でまったく別物というケースが多いし、航空機でもライトニングとライトニングIIは全くの別物だ。名前が継承されていることは中身が同じであることを保証しない」
結論 §
「結論はなんだい?」
「だからデザインは感性のものだから、好き嫌いがあって当たり前。自分と周囲の親しい仲間がみんな嫌いだからと言って、人類全てが嫌いということはありえない。そういう意味で、シド・ミードのデザインが嫌いな人がいることは当たり前なのだが、ファンもいて当たり前なのだ。そういう状況で感情的な否定論は無駄な争いを起こすだけ」
「そうか」
「別の言い方をすれば、シド・ミード デザインをボロクソにこき下ろす集団があるとしたらシド・ミード デザインのファンは避けて通る。好きなものを馬鹿にされては気分が良くないからな。だから、集団内ではアンチ シド・ミード デザインで一本化されてしまい誰でも異論を唱えないが、それは『世の中に異論が無い』とイコールではない」
「まあ確かにね」
「しかし、∀であった問題が無駄に繰り返されるとすれば、結局人類というのはその程度の生き物だってことだ」
「わははは」
「そういう意味で、自分は∀が好きだが、それは他人が同じ意見を持つべきであるとか、自分の評価は絶対だと言うわけではまったく無い。別に∀よりVer.Kaの方が好きでも構わない。好き嫌いは本人の感性だからな」
「そこで、無駄に評価尺度の中に絶対を持ち込むと争いが起きるわけだね」
「そうそう。だからそこでAかBかで争っても意味は無いわけ。それよりも、私が『Aのファンです』『私はBのファンです』『なら自分には無用のBのグッズが手元にあるので差し上げましょう』『わーい』というのが有り得るもっと良い展開だろう」
オマケ §
「だから細かいことを言えば、おいらはSBヤマトより2199より復活篇のヤマトが好きだぞ」
「でも、それは君の個人的な好き嫌いの話であって、他人は違っていてもいいわけだね」
「もちコース」
オマケ2 §
「どうでもいい余談。確認のためライトニングで検索したら偶然面白いことが分かった。メガゾーン23PART-2のおっさんの名前で検索してバイファム的なキーワードを見るとは思わなかった」
ライトニング (駆逐艦・初代) - ジェイナス級駆逐艦
「ジェイナスは、本来イギリスの駆逐艦の名前だったのだね」
「だからバイファムは独軍の奇襲を受けたイギリス植民地の子供達が練習艦として使われていたポンコツ旧式駆逐艦に乗ってUボートに狙われつつ必死に逃亡する話だったのだ。とすれば、筋は通る」
「なぜ?」
「ポンコツ旧式駆逐艦であろうと、対潜戦闘には強さを発揮するからだ。実際に駆逐艦より貧弱なフリゲートが大量に船団護衛に投入されている訳だしな」
「なるほど」
「更に言えば、ケンツ軍曹もイギリス軍人家系だとすればキャラクターが分かるな」
「どういう意味?」
「軍人の家系に誇りを持って疑いを持たない。これは近代で負け無しのイギリスのような国家でのみ有り得る話だな。負けを経験しているドイツであのムードはでないだろう」
「むう」
「すると、バイファムがスピットファイア。ネオファムはホーカーハリケーン。複座の大型機のトランファムはモスキートあたりか」
「まだあるの?」
「助けに来る駆逐艦はカールビンソン級宇宙駆逐艦で、アメリカ風。Uボートと戦うイギリスの支援国はアメリカなので、これも妥当な流れだ。しかし、自主独立のイギリス人は宗主国の意地を見せて自力で航海を続ける。ただし、ちゃっかり装備はもらっていく。実際にUボートと戦うイギリスはアメリカから武器の供与をかなり受けている」
「なるほど」
「まだまだ。13人の子供達は途中でフネを放棄して陸上を移動していくが、連合軍も制海権を把握してノルマンディーに上陸した後はフネの出番が減って陸戦主体になっていく」
オマケIII §
「しかし、∀であった問題が無駄に繰り返されるとすれば、結局人類というのはその程度の生き物だってことだ」
「それって魂がまだ重力に引かれているってこと?」
「うむ。そういう連中にはきっと沖田艦長が格納庫の掃除を命じる」
「なぜ格納庫なんだよ」
「2199ヤマトの格納庫は重力制御が切ってあるから重力に引かれない」
「それがオチかよ」