コミケ問題 §
「本来は1回ぐらいコミケを見ておこうかと思っていた。ヤマトのコミケでの現在勢力を見たかったので」
「それで?」
「しかし、イベントが目白押しのあり得ないぐらい完璧な夏なので、コミケはパスしようかと思った。体力も財力も既に底を着いたお前に何ができるのだ、ヤマトよ、という状態だ。でも、見るだけ見るかと思って行ってきた」
「方針は?」
「ヤマトと名の付いた本を全て買いあさってくるほどの財力は無いので、見るだけ」
「ひぇ~」
むらかわ問題 §
「金は無いが、むらかわさんの同人誌ぐらいは買うかと思ったけど、どうも売り切れていたようだな、良く分からないけど」
「そうか」
「で、他のヤマトサークルでズォーダー×デスラーのやおい本を2冊買ってきた」
「それも良く分からないよ!」
「この本についての詳しい話は、もう1回読み直した後でまた書く」
「何か書く意味があるの?」
「ヤマト2で監禁されたデスラーがシーツにこだわった理由が明確になる内容であった。あと、デスラー艦をズォーダーがデスラーに返した理由も明確になる内容であった」
マッグガーデン問題 §
「企業ブースのマッグガーデンでヤマト2199のPVを流すというツイートがあったので、そこも見てきたぞ」
「そうか」
「なんか凄く行き方が不明で、なんか凄く遠回りでしか入れず、なんか外に行列がいっぱいあって、なんか凄く人が多かったぞ」
「本当にPV流れていたの?」
「サイボーグ009新作等の他のPVと混ざって、2199第二章のPVが流れていたが、音も周囲の騒音に紛れがち。それほどのインパクトは無かった。足を止めてみている人もほとんどいなかった。かなり流す意味が不明に近かったな」
ヤマトとコミケ問題 §
「それでコミケにヤマトの存在感はあったの?」
「ヤマトは勢力として存在するが、微々たるものだ。コミケにおいては、ジブリと張り合えるぐらいの小勢力だろう」
「ジブリも小勢力なの?」
「そうだ」
「おかしいね」
「だからさ。世間一般での存在感の大きさとコミケでの存在感は比例しないの。コミケで小勢力であることは、けして世間でも小勢力であることを意味しないの」
「じゃあ、コミケってなんだよ」
「かなり特殊な世界だと思っていいな」
「コミケの常識が世間で通ると思うなってことだね」
「逆にいえば、ヤマトの立ち位置はジブリと同じようなものだと感じられた。コミケ的な秩序の内側にジブリはもとよりヤマトもいない」
「なぜいないのだろう?」
「コミケの企業ブースで炎天下並んで他愛ないグッズを買いあさる行為を馬鹿馬鹿しいと思える感性がファン側にもあるからだろう。ちなみにマッグガーデンでヤマト2199のグッズ2点セット(扇子と紙袋)が1500円で売っていたが、さすがに高いよ。買わずに帰ってきた」
「昔だったら買いそうだね」
「ヤマト氷河期なら、そんなグッズは酔狂だから買ったかもしれん。語りぐさになる変態グッズだからな。でも、今はそれとは違う」
「そうか」
「だからさ。アホ毛はやはりヤマト的には失敗。アホ毛で喜び連中が集まるのがコミケなら、ヤマト2199の支持者は別人種ってことだ。スタッフも予想外の人気を博したヒルデ・シュルツにもアホ毛はない」
「ぎゃふん」
オタクロス問題 §
「というわけでコミケの感想に移ろうか」
「人は多かったかい?」
「人は多いのだが、空虚な感じが漂った。人は集まるし、金も動くのだろうが、既にここにあるのはコミケではなく、コミケの残骸という気がした。他にどこに行けば良いか分からない人がけっこう多いので、人が集まってしまうが、それだけ」
「そうか」
「いやいや。そこまでで話の半分」
「は?」
「企業ブースに行くと人も多く熱気もあって午後の遅い時間でも行列があった」
「そこは熱気があるわけだね」
「でもさ。それってコミケの本来の趣旨から行けばおかしいことだよ」
「えー」
「しかし1つ分かった。炎天下で行列して限定グッズ買っていたらそれだけで力尽きる。単にグッズを買ったというだけで終わってしまう若いオタクが多いのもうなずける。しかし、本来なら『そんなアホらしい行列やってられるか』と言って、蹴るのが当然だろう。若いオタクは従順すぎる」
「ネットでは無駄に吠えてるんじゃないの?」
「匿名なら何でも言うが、実体を持った人間としてそこにあると非常に大人しいのだろう」
「ひ~」
「しかし、これで良く分かった。ダンボール戦機Wで、オタクロスが灰原ユウヤのコスプレをなっていないとして、オタ道スピリッツを説く理由だ」
「どういう意味?」
「オタクロスは、単に服を着ているだけの灰原ユウヤに対して、コスプレには好きという気持が無ければダメだと説くわけだ」
「それってどういうこと?」
「コミケでも単に着ているだけにしか見えない人がけっこう目立った」
「ダンボール戦機Wは、それを批判しているわけ?」
「今時のオタク批判であろう。だから、ダンボール戦機シリーズに出てくるオタク像は一種の日野晃博によって理想化されたオタク像なのだろうと推測する」
「オタクが出てくるの?」
「亜美たんとかさくらたんに萌えているオタクロスと、ジャージに変なかぶりものをかぶっているオタレッドなどの戦隊モドキの連中などだな。おかしいけど、どこかで一本筋が通った強者として描かれている」
「なぜ、ここでコミケのオタク批判が出てくる必然性があるの?」
「ははは。いい質問だ」
「なんだよ、その待ってましたというばかりのリアクションは」
「だからさ。日野晃博のレベル5そのものがコミケの企業ブースに出展しているわけだよ。ある意味でコミケのオタクの惨状を身を持って知っているのだろう」
「ひぇ~」
「時間が無くて数週遅れでダンボール戦機Wは見ているのだが、灰原ユウヤのコスプレエピソードは見ていて良かった」
「他に何か言うことは?」
「だからさ。ここで灰原ユウヤとペアを組んだ女の子の(コスプレイヤーでかつLBXプレイヤー)は無駄に生真面目で引っ込み思案の性格なのだけど、これが今時のオタクの1つの典型的な人物像なんだろう」
「大人しく炎天下行列したり、好きでも無いキャラのコスプレを人気があるという理由とか、単に仕事という理由で着てるだけとか、そういう面白くない人物像と重なるわけだね」
「だが、その程度ではオタクロスには勝てないのだよ。ノリノリで変なかぶり物をかぶって変身し、負ければまるで死に瀕しているかのようにノリノリの演技をして、それを楽しんでいるおっさんには勝てない」
「そこから一歩踏み出さないと前に進めないってことだね」
「コミケの残骸から這い出ることができない」
ブラックタイガー問題 §
「ブラックタイガー隊員のコスプレしてる野郎の背中はちらっと見かけたな」
「ちゃんとチェックしてるし」
「見かけたヤマトのコスプレはそれぐらい」
「他は?」
「ほとんど知らない作品の知らないコスプレ。既存作品をなぞったような萌えアニメそのものがコスプレみたいなもので、それを題材にコスプレしても、コスプレのコスプレであって、あまり面白みが無い。単に露出が多い女の子がそこにいるというだけ」
「分かった。露出が多いから人気があるけれど、それは本当の意味でのコスプレ人気とは違うわけだね」
「たぶんな」