2012年09月30日
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架空戦記として評価する宇宙戦艦ヤマト

Written By: トーノZERO連絡先

「宇宙戦艦ヤマトを戦艦大和ものの架空戦記の一種として評価してみよう」

「宇宙でもいいの?」

「それは本質と関係ない」

「分かった。ポイントはどこだい?」

「ヒューマンファクターだ」

面白い架空戦記とつまらない架空戦記の差は何か §

「面白い架空戦記とつまらない架空戦記の差は何か」

「それはなんだい?」

「面白い架空戦記は情報の錯誤が正しく書かれている。つまり情報の伝達は不確かで、戦場には誤認が付きものだ。それゆえの判断ミスで番狂わせも起こる」

「じゃあ、つまらない架空戦記って?」

「あたかもボードSLGをプレイしているかのように、指揮官は全て情報が分かり、しかも認識を間違わない」

「ゲームのように局面を扱ったら間違いということだね」

「そう。ゲームのように扱ってはならない」

「ゲームでも索敵ルールがあって相手の詳細が分からないケースもあるじゃないか」

「だからさ。ゲームでも情報のファクターが存在し、いろいろな情報が分からないようになっていてヒューマンファクターが前面に出てくると面白さが増すわけだ」

「つまり、情報が完全ならベテランが素人を完全にねじ伏せるけど、不完全ならいくらでも番狂わせが起こりえるわけだね」

「むしろ常識に乗って行動しない素人の方が読めない分だけベテラン苦戦ということも有り得る」

ヒューマンファクターの例 §

「たとえば、佐藤大輔はヒューマンファクターを描くのが得意なタイプだ」

「それで?」

「日本に占領されたアイスランドにドイツ艦隊が迫る。大多数のドイツ艦隊は囮として既に沈んでいる。アイスランドの防備は手薄。そこで、駆逐艦が絶望的な防戦を試みるわけだが、ここで日本側は『あとが無いから絶望的な防戦を試みている』わけだ。しかし、ドイツ側は時間を稼げば有力な部隊が間に合う状況だと誤認して、艦隊に撤退を命令してしまう」

「それがヒューマンファクターってことだね」

「他には海底戦隊8823とかも面白いぞ」

「どんな話?」

「特殊潜航艇の極秘部隊なのだけど、ぜんぜん戦果を上げられない。なので、報道班員が乗り込んで、戦果をねつ造していくのだ。戦争中には、無駄遣いが進行中などということを敵味方に知られたくは無いからね」

「ひ~。まさに本物の戦果ではなくヒューマンファクターの問題」

ヤマトの場合 §

「そこから考えると宇宙戦艦ヤマトというのもヒューマンファクターの塊といえる」

「たとえば?」

「バラン星のドメルなんかまさにそう。バラン星の基地など安いと思ったドメルと、基地の損失は浪費と捉えたデスラーの些細な食い違いが最悪の結果をもたらす。ヤマトを取り逃した上、基地まで失ってしまう」

「なるほど」

「シュルツも自分で自分の首を絞めている。ヤマト撃沈を確認しないまま報告してしまい、辻褄を合わせるために無理な攻撃を行って墓穴を掘った」

「シュルツはいいとしてドメルは?」

「ドメルは異次元空洞で、演習しているのはヤマトの方ではないかと判断ミスをする」

「実際は追い詰められていただけだよね」

「あのときのドメルが取るべきだったのは、外部からの援助が無い限りヤマトは出られないのだから、ヤマトの撃破よりも外部からの援助を断ち切る対策を取るべきだったのだ。しかし、撃破を焦ってスターシャの援助を可能としてしまった」

「確かにそれもヒューマンファクターだ」

まとめ §

「まとめるとどうなるのだ?」

「だから、宇宙戦艦ヤマトは架空戦記として評価するなら架空の要素が多すぎて論外なのだが、実は逆説的にヒューマンファクターがしっかりしているので見応えがある」

「主役は船じゃなくて人だってことだね」

「そうだ。だからドメルの逆襲は違う旗艦に乗って行われても良い」

「船の逆襲ではなく人の逆襲だからね」

「まさに人が問題になる作品だ」

まとめ2199 §

「さて、公開までかなり寝かせたおかげで追加すべき要素がでてきた」

「それはなに?」

「ヤマト2199は、古代ではなくヤマトを主人公と認識した『ヒューマンファクターが希薄なヤマト』なのだ」

「たとえば?」

「偽装ヤマトが空襲されたとき、ヤマト1974では撃たれている当事者視点なのだが、ヤマト2199だと傍観者視点になる」

「他には?」

「波動エンジンの始動に艦内で人間ドラマが無い。エンジンが始動しないで焦る島という描写が存在しない。世界中から電力を集める話にすり替えられているが、それはヤマト乗組員から見ると全て他人事なのだ。彼らの努力ではどうにもならない」

「それだけ?」

「他にもあるぞ。土星の衛星でのエピソードは、古代と雪とアナライザーの3人がヤレタラと交戦することに意味があった。鳥も猫もロボットも、もとい、男と女とロボットが敵の前に出ることでドラマが成立した。しかし、ヤマト2199になるとこの構造が大幅に狂う。お邪魔虫の原田真琴は付いてくるし、敵はロボットだし、アナライザーはあまり活躍できないで別のお邪魔虫の山本が助けに来てしまうし。戦闘力に劣る女と判断力に劣るロボットを抱えてどうしよう……という古代の苦悩が軽減されてしまっている。ここはヤマト2199のシナリオ的な弱点と認識されるべきだろう」

オマケ §

「真田さん。エスコートってなんですか?」

「何を言っているんだ古代。それでも軍人か? 軍隊では常識的な言葉だろう?」

「すみません。意味を教えてください」

「いいだろう。エスコートとは正式にはエロ・スコート。つまり一種のアンダースコートだ。見せパンだな」

「み、見せパン?」

「スカートめくりが大好きなアナライザー対策としてどの艦にも装備されているぞ。スカートをめくられても恥ずかしくないために履くものだ」

「そんな、ズボンを履いている僕達には関係ありません」

「古代よく考えてみろ。なぜ沖田艦長がおまえにエスコートを命じたのか」

「まさか! スカート女装でガミラスと戦えと!」

「いや、今日からスカート付きで出撃しろということだ」

「す、スカート付き!?」

「ホバー移動できる新型機だ」

「そんな機体がいつの間に……」

「コスモゼロを改造した。今やホバリング形態も可能だ」

「真田さん。ホバリング形態に変形できるコスモゼロは、2199のコスモゼロではなく、SBヤマトのコスモゼロです」

オマケ2 §

「古代よく考えてみろ。なぜ沖田艦長がおまえにエスコートを命じたのか」

「まさか! スカート女装でガミラスと戦えと!」

「いや、その姿が見たい誰かがいるのではないか?」

「あれ、艦長室から声が聞こえる」

『古代、早く来い……。おまえの居場所はここにしか無いはずだ』

「ガクガクブルブル」

オマケIII §

「喜べ森君。真田君がアナライザーのスカートめくり対策をやっと完了した」

「本当ですか、艦長」

「無論だ」

「やった」

「ではこれをはきたまえ」

「なんですか。これは」

「真田君が万能工作機械で作った見せパンだ。これを履いていればスカートめくりされても安心だ」

「アナライザーを改造してくれたのじゃ無いのですか!」

オマケの未来 §

「こんな見せパンは嫌です。履かせるならアナライザーに履かせてください」

「そんなことをして、アナライザーが新たなる快感に目覚めたらどうするのだ」

「はあ?」

『新シイ喜ビニ目覚メマシタ。見セパンヲ履イタ未来ノアナライザーハ、ミライザーパント呼ンデ下サイ』

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