「仮に艦橋前面パーツに緑の透明パーツをはめてみた」
「感想は」
「凄く綺麗。バンダイが付属させたくなる気持が判る」
「じゃあ採用?」
「でも、組み上げると光は入らないので、後を指で塞いでその状態をシミュレーションした。凄くつまらない見かけになった」
「えー」
「単に透明パーツは反射しやすいから目立つだけになってしまった」
「ひ~」
透明パーツには悪魔が棲んでいる §
「透明パーツには悪魔が棲んでいる。使い方次第で毒にも薬にもなる。そして、慣れないと凄く使いこなしが難しい」
「嘘。みんな零戦の風防に透明パーツを接着しているよ」
「たいていの飛行機模型のコクピットは問題ない。光が十分に入るからだ」
「問題が起きるのは何?」
「光が十分に入らないとき」
「具体的には?」
- 透明パーツの背後が光に対して閉ざされている
- 見える正面の周囲に壁があり光を遮っている
「ヤマトの場合は?」
「第1艦橋と第2艦橋の窓がこれに該当する」
「その結果何が起こるの?」
「窓が黒くなる」
「透明パーツなのに?」
「透明パーツは光が入らなければ黒くなる」
「緑の宇宙戦艦ヤマトは平気だったの?」
「緑の宇宙戦艦ヤマトは艦体を非常に明るいグレーで塗ってあった。黒い透明パーツとは良いコントラストが出て窓が目立った。だからあれは意図せずして上手く行った」
「今回は?」
「艦体をもっと暗い色で塗ろうとしているので、窓の印象が埋没する可能性がある」
というわけで §
「まずは実験だ。ダメなら塗料を剥がすという前提で」
「透明パーツを上から塗ったの? そんなの聞いたことがないよ」
「この透明パーツ、光が正面から入る時は凄く綺麗だが、そうではないほとんどの角度では黒く見えてしまう。なので、『ならばいっそ艶有り白を塗った方がマシ』と考えて塗ってみた。窓枠の内側はガルグレーを塗ってみた。できるだけ光を反射して影を作らないための配慮だ」
「それで上手く行くの?」
「分からないからまずは実験だ」
カラー整理 §
「塗料の色の並びがかなり乱雑になったので、色をまた整理したよ。似た色をグループ化して」
「それで?」
「色を整理した結果、軍艦色(2)よりも暗いグレーが欲しいなあ、という希望が一瞬で分かるようになった」
「何を塗る気?」
「ヤマトの艦体は上部はフィールドグレー。下半分は未定だが、濃いめの赤」
オマケ §
「透明パーツには悪魔が棲んでいるって、よく透明レジンの特別版パッケージとかあるじゃない」
「うん」
「あれは悪魔が棲んでいないの?」
「全て透明のまま組めば悪魔は出てこない。一般的に推奨される組み方だ」
「悪魔が出るケースは?」
「部分的にでも色を入れようとしたときだな」
「普通は色を入れないよ」
「入れるのは色マニアだけだな」
「ひ~」