「というわけで、レオナルドでゲットしたパーツは、一応の利用目的があったのでそれはそれで大切に整理して保管した。しかし残ったパーツ、特に船体は用途が無い。なので、適当に造ることにした」
「なんだよ」
「パーツが足りないから普通の艦船を造るのは不可能。だから、もういい加減に適当に組んで行こうと決めたぞ」
「何かあり得ないものが横に付いてるぞ」
「F-104の翼と胴体後部のパーツを上下逆さまにして強引に付けてあるぞ」
「これはミキシングビルド?」
「さあ。正式な呼び名は知らないが子供の頃から普通にやってることだ」
「いったい何を造ろうとしているの?」
「空飛ぶ空想メカ」
「えー」
「一応目標は『テーブルの上に置いて安定しない形状』だ」
「それは達成できそう?」
「すでにしてるぞ。F-104の垂直尾翼だった部分が艦底に飛び出しているから、普通に置くと上手く置けないぞ」
「ひ~」
オマケ §
「F-104のキットは思い入れがあったはずじゃ?」
「デカール強奪されてもうストレートに造れないからいいよ。どんどんパーツは他のキット用に提供するさ」
「もし、F-104を造りたくなったら?」
「またキット買えばいいよ。まあ、造る気になるか怪しいけど」
「なぜ?」
「だって、凄いモデラーが数限りなくF-104造ってるんだぜ。今さら自分ごときが造って何の意味がある」
「それよりも、誰も造ったことが無い模型を造る材料にした方が有益ってことだね」
「その表現、ちょっとかっこいいじゃないか。本当はヘロヘロ・ビルドなのに」
「ヘロヘロかよ」
「そうだよ。余り物ででっちあげる予定なので予算は使わない、手持ちパーツだけで何とかする」
「そんなに余ったパーツがあるの?」
「ピットロードの護衛艦用の装備品パッケージとか、一部使っただけで大半がそのまま残ってる箱もあるし。タンク類とかのジャンクパーツもいっぱいあるし。余りパーツは多いぞ」
「そうか」
「それに、今回はよほど思い入れのあるキット、利用予定があるキット以外は全部パーツを転用して良いと割り切ったので、そこそこ行けると思うぞ」
「凄いのが出来そうだね」
「凄くしょぼいのができそうだよ」
「謙遜するなよ」
「謙遜じゃ無いよ。思いっきり手間を掛けない予定だから」
「ぎゃふん」