「スケールアヴィエーション2013年9月号ってなに?」
「風立ちぬ特集号」
「なのに、空中戦艦大和の出番を問うわけ?」
「そう」
「なんで?」
「実際に出番があったから。それに、実は風立ちぬに関係ない記事の方が面白かったから」
「えー。なんでだよ」
「昔ゼロ戦の本を読んだときに九試単戦が気になったのは事実。でもそれはかなり昔の話。今は、マイルズメッセンジャーと、アヴェンジャーが気になるおっさんだ」
「なんて奴だ」
「だからね。宮崎駿と自分が同じ世界に住んでいるのは事実だし、風立ちぬが面白いことも事実。でもね、今さら九六艦戦の作例を見たって面白くないのよ。分かる?」
「分かった分かった」
「まあ二郎の夢の飛行機だけは面白いと思ったけどね」
「じゃあ、特集に興味が無いのにどこが面白かったわけ?」
「宮崎駿関係ない!」
水中ニーソ §
「お色気ページってこと?」
「いや、飛行機模型の弱点って何だと思う?」
「なに?」
「飛行機だとみんな主張しているのに飛ばない」
「そりゃ当然だろう」
「でもね。水中モーターを付けて水中を強引に飛ばしてしまったという企画。素晴らしい!」
「えー。色気はいいのかよ」
「巨大水中モーターを抱えている水中の女の子の写真はいい!」
「なんて奴だ」
「でもやっぱりA-10が本当に飛ぶところが最高」
アベンジャー §
「日本語では明瞭には書いていないのだが、この作例は護衛空母ミッション・ベイ(CVE-59)の搭載機らしい」
「護衛空母好きとしてはOKなんだね」
「しかも解説はSBヤマトの山崎監督」
「アベンジャー好き、護衛空母好き、ヤマトファンの3つを満足させる記事ってことだね」
「ちなみに、護衛空母ミッション・ベイはカサブランカに行ったことがあるカサブランカ級らしいぞ」
「意味分からない!」
飛ぶ理由 §
「ともかく最初は何が描いてあるのかさっぱり分からなかった。読まざるを得ない構成」
「それで?」
「ともかく犬。犬の話らしいのだけど、ぜんぜん分からない」
「戦争の犬たちなのだね」
「そう。犬が大和を守っている」
「それでなぜ犬なんだい?」
「そう思って読むと、急に揚力発生装置スカートの話になる。女性のスカートが揚力を発生させるとしてメアリーポピンズに言及される。傍証としてモビルスーツのスカートも引き合いに出される」
「ほうほう」
「で、犬はフェイクでスカートの話がメインかと思ったらそれも違う」
「えっ?」
「最初見た時には分からない形で巨人の顔が仕込んである」
「えー」
「歯を食いしばる男気で揚力を発生させることになっている。なんてことだ。実は犬もスカートもフェイクで、歯を食いしばった巨人の顔が飛行戦車メルカバに埋め込まれているのだ」
「スカートは無意味?」
「違う。メルカバにはちゃんとスカートが付いている」
「えー」
「更にね。使用したキットのリストに1/1 アサヒスーパードライって書いてあるのもいい!」
「そんなキットあるのかよ!」
「無いと思う」
「まさか本物……」
「全てがフェイクで塗り固められたこの記事でもアサヒスーパードライは本物だろう。たぶん」
「で、巨人ってなに?」
「『進撃の巨人、万年最下位の阪神』の巨人だろう」
「違うだろ。進撃の巨人だろ」
「読んでないから良く分からないけど、たぶんそう」
「流行ってるんだから読めよ」
「こういう通俗的な流行の要素を入れてくるから油断がならない連載だ」
オマケ §
「他に何か無いのか?」
「UAV化されたA-10のこの大胆ぶりが面白い」
「コクピットが無いんだね」
「色気が無いからイマイチだけど、ACE COMBAT 3の登場機体はみんなこんなものだ」
「コクピットあるじゃん」
「外からは見えないエアロ・コフィンなんだよ」
「空飛ぶ棺桶かよ」
「タミヤの宣伝に出てくる零戦三二型もハセガワの宣伝に出てくるオスプレイも実はそれほど興味が無い」
「君の興味を引く製品は無いってことだね」
「そんなことはない。ハセガワのタロンはちょっと気になった。でも、未組み立てのキットが多すぎるので見なかったことにしたぞ」