「昨日こう書いたけどさ」
「縁のある人には届くが縁の無い人には届かないような仕掛けが入っている」
「それがどうしたっ!」
「実は後から気付いた。言ってることは『分かる人にしか分からない、それでいい、愛詞』と同じだ」
「ちょっと待て。分かる人にしか分からないってのは、テレビ放送するアニメとしては良くないと君は批判していたはずだ」
「そうさ。非常に多くの人にリーチするテレビで、分かる人にしか分からないってのは無いだろう……。そう思った」
「でも君は分かる人にしか分からないことを肯定した」
「そうだな。つまり、自分には愛詞の歌詞を否定できなくなってしまった」
「えー」
「もちろん、理屈はいろいろあるけどさ」
「うん」
「結局、テレビで特定の人間しか分からない話題を入れたらまずいのは事実としても、特定の人間しか分からない話題が混ざることまでは否定しきれない。そういうことだろう」
「たとえば?」
「宇宙犬作戦で、主人公の名前がマルコ・ハヤシであることは誰でも理解可能で無ければならない。しかし、コバヤシマルのもじりであることは分かる人にしか分からない。そもそもコバヤシマルを知らないと理解出来ない」
「でも、コバヤシマルを知った後なら分かるかも知れないわけだね?」
「そうだ。結局、これは誰かを排斥する論理ではないのだ。誰であろうと、その立場に立てる可能性はある。可能性を留保するという意味では誰も排斥されない」
「つまり、縁が無かった人はどう思えばいいの?」
「これはね。君は入れないよ、という通告ではない。早く来すぎたんだよ、ということだ」
「つまり、17歳でポルノショップに来てはいけないわけだね」
「ぶっちゃけて言うとそういうことだ」
「じゃあ、大人に早くなれるように努力しろってこと?」
「いつまでも子供でいたほうが幸せかもよ」
「えー」
「真田さんだって、知らない方がいいこともあると言っていたじゃないか」
「オムシス……」
愛詞の歌詞は §
「実は愛詞の歌詞はこれ以上ないぐらい的確にヤマトのある側面を的確に描いている。偶然とは思えない」
「でも、創った人も歌った人もあまりヤマトに言及してないよ」
「そうだ。どれほどヤマトを意識して歌を作ったとしても、そんなことは言えない。あるいは、誰かに選ばれた歌なのかも知れないが、いったいどこがどうヤマトにマッチするのか選んだ理由は語られない。あるいは表面的にのみ語られる」
「なんで?」
「自分も語らない。むしろ、語るべきではない」
「なんでだよ。不親切だとは思わないのか?」
「語らないことが不親切だと思うなら、それは違うぞ。何でも説明する方が不親切だ。象徴的な歌詞とはそういうものだ」
ならばこれから §
「終わりが見えてきた。そんな気がする。根拠は無いがな」
「では、ここいらが君のヤマトの終着駅だとすると、この後はどうするんだい? 惑星大アドロメダも吹っ飛ばして父親も殺して帰るのかい?」
「いや。惑星大アドロメダなんて行かないし、父親既に亡くなっているし」
「じゃあどうするんだよ」
「大まかな枠組みは見えたが個別の問題はまだまだ未検証だ。1つ1つ個別の問題を解決して行くさ。ヤマトファンへのサービスでネタを飛ばすぐらいのことはやるぞ。アナライザーに代わってギャグ担当だからな」
「どんなギャグだよ」
「アンドロメダのライバルはアンドロメダマ号。マゼランパフェのライバルはオタスケサンデー」
「それTwitterで見た。他に無いのかよ」
「重力あんか、解除! 足が熱すぎだ!」
「重力で足を温めるのかよ」
「それが重力の使命です」
「違うだろ」
「今夜ハ熱燗デスネ (重力あんかの余熱で)」
「昔のヤマトネタでは無いのかよ」
「そっくりだ! (後ろ姿だけ)」
「おいおい」
「そっくりだ! (髪型だけ)」
「ひ~」
「サーシャ! 髪型だけ帰ってくるならどうして連絡しくれなかったの!」
「髪型だけ帰ってくるって、どんな妹だよ」
「イスカンダルの神秘だ」
「その後はどうするんだよ」
「地球の髪型です。森雪の髪型と言います」
「言わないだろ」