「はっはっはっはっは」
「何がおかしい」
「これが笑わないでいられるか」
「どこがおかしい」
「命の残機制とか、セーブポイントの設置による不死者ね。その発想を笑わずして何を笑う」
「おかしいの?」
「楽しいのだ」
「なんで?」
「残機制とかセーブポイントとか、そういうものはゲームの都合で誕生したものだ。元々のフィクションの世界にあったものではない。まあ、猫は九つの命を持つというのは、一種の残機制とは言えるがな」
「じゃあ、NGなの? フィクションでは禁じ手なの?」
「そうじゃない。ギャラクティカで再生船を使ったサイロンの不死を実現してしまった以上、分かりやすいハンデを伴った不死としてこういう設定は悪くないだろう」
「ハンデ?」
「そうさ。キャラは死ぬから物語に緊張感が出るが、ストレートな不死者はそれができない。だから、不死者でも滅びる条件付けは必須なのだ」
「残機制だと不死者が滅びるわけ?」
「残機ゼロの状態で殺せば復活はできないわけだ」
「セーブポイント制だと?」
「前回のセーブポイント以後に得たものが全部失われてしまう」
「じゃあ、フィクションとしては悪くないってこと?」
「自分はそう思うよ。ぬけぬけと残機制とかセーブポイントと言い切る痛快さもあるしな」