2013年11月12日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 1090 count

WXIIIとヤマト2199はアニメ史的にどうつながるのか

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「WXIIIを見てやっと繋がってきた気がしたよ」

「何がどうつながるんだい?」

  • デジモンアドベンチャー(劇場版) 1999年
  • WXIII 機動警察パトレイバー 2001年
  • ラーゼフォン 2002年
  • プリンセスチュチュ 2002年
  • 出撃!マシンロボレスキュー 2003年
  • 蒼穹のファフナー 2004年
  • (断絶)
  • 復活篇 2009年
  • ヤマト2199 2012年

「何が言いたいわけだい?」

「なぜパトレイバーはWXIIIが事実上の最後なのであって、その続きが存在しないのか」

「それはなぜだい?」

「アニメの進歩が社会のニーズと食い違っていることが明確に露呈されたのが2000年代前半であると考えられる。つまりWXIIIは明らかにアニメとして進歩しているにも関わらず、ビジネス的に先に進めないことになってしまう。この路線はここで終わってしまうのだ」

「それはもっと具体的に言うとどういうことなんだい?」

「レイバーという架空の設定を是としても、既にイングラムでは作品の軸たりえない。カトキハジメデザインの潜航艇レイバーの方が人気を博してしまうのだが、もはや人型をしていないどころか、腕の存在すらあまり見えない。ところがファンは結局のところ中二病であり、中二病的な分かり易さから離れて生きていくことができない。つまりWXIIIを推し進めるとたとえレイバーという設定を肯定しても人型レイバーはもう登場できないが、それはファンの許容レベルを超えてしまう」

「それじゃダメじゃん」

「だからラーゼフォンでは人型ロボットのコンセプトを堅持しつつ物語の再構築が試みられるがやはりこれも大きな動きたり得ない。アニメを見るマニア層は閉塞しており、ひたすら自閉と後退を繰り返すからだ。だから、無限に1年戦争のモビルスーツがリファインされて消費されていく。カトキハジメデザインの面白い潜航艇の系譜よりも、昔ながらのモビルスーツのリファインだけが拡大消費され続けるのだが、これもいつかは頭打ちになる。今はその頭打ちの時期だ。ヤマト2199が一定の評価を得てしまったので、もはやザクは素晴らしいと言うだけでは共感を得にくくなってしまった」

「それで?」

「現状の分析は横に置こう。それは手に余る」

「既にアニメの大半は見ていないってことだね」

「そうだ。おいらには語りようがない」

「それで?」

「しかし、歴史はつながった。アニメはどこでどう滅びたのか、その過程が浮かび上がってきた」

「時期は2000年代前半だね。理由は、作品の中身と社会的なニーズの解離?」

「そうだな。実は、物事をよく知っている目利きのマニアとしてのオタクは実在せず、そのようなオタクをターゲットにして作品のクオリティアップを目指す方法論は必然的に失敗した」

「それでなぜヤマトは2009年以降になって急に出てきたのだね?」

「アニメには突破貫通力がなくなった。しかし、オタク以前の世代のマニアの力を借りて突破を目指したのがヤマトという企画なのだろう。そして、ヤマト2199は新しいファン層の発掘を明確に目指したが、今どきのファン層の認識を巡って少し混濁した部分を残した。だが、WXIIIの必然的な続きが宇宙戦艦ヤマト2199になっているような気はする」

「なんで?」

「WXIIIは人型メカの限界を描いてしまった。人型メカ抜きの人物ドラマ主体で話を進めるとすると、もうパトレイバーという企画は器として十分ではない。そもそもアニメ界にはその器となるだけの作品がほぼ存在しない。ヤマトに話が行き着くのはある意味で必然だろう」

「つまりなんだい?」

「2000年代前半の頭打ち現象の打開策を練っているうちに、ヤマトで行くしか無いという状況に陥るわけだが、依然としてヤマトへの抵抗感は大きくあったのだと思われる。ヤマト2199の企画が成立してから実現するまでの数年間とは、その抵抗感の払拭に必要とした年月なのだろう」

「でもさ、本当にヤマトで良かったの?」

「やり方はヤマト以外にいくらでもあるよ。ただし、実績の無い方法には金が集まらないだろう。アニメで実績があるのはおそらくヤマトぐらいだ」

「君はヤマト復活をどう思う?」

「奇跡が起きた。それだけだ」

「奇跡は起きるものではなく、起こすものなんでしょ?」

「だから奇跡は起こるべくして起きたというバックグラウンドを、今、目の当たりにしているところだよ」

オマケ §

「ああ、そうか。テラへも同じなのだ。巨大ロボ抜きの企画」

「でも、あれも大成功とは言いがたいよ」

「超能力の設定がまだ奇抜すぎたのだ。支持が一般に広がるにはそこが弱かった」

「ヤマト2199のセレステラはいいの?」

「あれが限界なんだろう」

「つまり?」

「古代や島が超能力バトルをやったらアウトだった。……ということだ」

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「何がどうつながるんだい?」

  • デジモンアドベンチャー(劇場版) 1999年
  • WXIII 機動警察パトレイバー 2001年
  • ラーゼフォン 2002年
  • プリンセスチュチュ 2002年
  • 出撃!マシンロボレスキュー 2003年
  • 蒼穹のファフナー 2004年
  • (断絶)
  • 復活篇 2009年
  • ヤマト2199 2012年

「何が言いたいわけだい?」

「なぜパトレイバーはWXIIIが事実上の最後なのであって、その続きが存在しないのか」

「それはなぜだい?」

「アニメの進歩が社会のニーズと食い違っていることが明確に露呈されたのが2000年代前半であると考えられる。つまりWXIIIは明らかにアニメとして進歩しているにも関わらず、ビジネス的に先に進めないことになってしまう。この路線はここで終わってしまうのだ」

「それはもっと具体的に言うとどういうことなんだい?」

「レイバーという架空の設定を是としても、既にイングラムでは作品の軸たりえない。カトキハジメデザインの潜航艇レイバーの方が人気を博してしまうのだが、もはや人型をしていないどころか、腕の存在すらあまり見えない。ところがファンは結局のところ中二病であり、中二病的な分かり易さから離れて生きていくことができない。つまりWXIIIを推し進めるとたとえレイバーという設定を肯定しても人型レイバーはもう登場できないが、それはファンの許容レベルを超えてしまう」

「それじゃダメじゃん」

「だからラーゼフォンでは人型ロボットのコンセプトを堅持しつつ物語の再構築が試みられるがやはりこれも大きな動きたり得ない。アニメを見るマニア層は閉塞しており、ひたすら自閉と後退を繰り返すからだ。だから、無限に1年戦争のモビルスーツがリファインされて消費されていく。カトキハジメデザインの面白い潜航艇の系譜よりも、昔ながらのモビルスーツのリファインだけが拡大消費され続けるのだが、これもいつかは頭打ちになる。今はその頭打ちの時期だ。ヤマト2199が一定の評価を得てしまったので、もはやザクは素晴らしいと言うだけでは共感を得にくくなってしまった」

「それで?」

「現状の分析は横に置こう。それは手に余る」

「既にアニメの大半は見ていないってことだね」

「そうだ。おいらには語りようがない」

「それで?」

「しかし、歴史はつながった。アニメはどこでどう滅びたのか、その過程が浮かび上がってきた」

「時期は2000年代前半だね。理由は、作品の中身と社会的なニーズの解離?」

「そうだな。実は、物事をよく知っている目利きのマニアとしてのオタクは実在せず、そのようなオタクをターゲットにして作品のクオリティアップを目指す方法論は必然的に失敗した」

「それでなぜヤマトは2009年以降になって急に出てきたのだね?」

「アニメには突破貫通力がなくなった。しかし、オタク以前の世代のマニアの力を借りて突破を目指したのがヤマトという企画なのだろう。そして、ヤマト2199は新しいファン層の発掘を明確に目指したが、今どきのファン層の認識を巡って少し混濁した部分を残した。だが、WXIIIの必然的な続きが宇宙戦艦ヤマト2199になっているような気はする」

「なんで?」

「WXIIIは人型メカの限界を描いてしまった。人型メカ抜きの人物ドラマ主体で話を進めるとすると、もうパトレイバーという企画は器として十分ではない。そもそもアニメ界にはその器となるだけの作品がほぼ存在しない。ヤマトに話が行き着くのはある意味で必然だろう」

「つまりなんだい?」

「2000年代前半の頭打ち現象の打開策を練っているうちに、ヤマトで行くしか無いという状況に陥るわけだが、依然としてヤマトへの抵抗感は大きくあったのだと思われる。ヤマト2199の企画が成立してから実現するまでの数年間とは、その抵抗感の払拭に必要とした年月なのだろう」

「でもさ、本当にヤマトで良かったの?」

「やり方はヤマト以外にいくらでもあるよ。ただし、実績の無い方法には金が集まらないだろう。アニメで実績があるのはおそらくヤマトぐらいだ」

「君はヤマト復活をどう思う?」

「奇跡が起きた。それだけだ」

「奇跡は起きるものではなく、起こすものなんでしょ?」

「だから奇跡は起こるべくして起きたというバックグラウンドを、今、目の当たりにしているところだよ」

オマケ §

「ああ、そうか。テラへも同じなのだ。巨大ロボ抜きの企画」

「でも、あれも大成功とは言いがたいよ」

「超能力の設定がまだ奇抜すぎたのだ。支持が一般に広がるにはそこが弱かった」

「ヤマト2199のセレステラはいいの?」

「あれが限界なんだろう」

「つまり?」

「古代や島が超能力バトルをやったらアウトだった。……ということだ」

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