「宇宙戦艦ヤマト1974 第14話 銀河の試練!!西暦2200年の発進!!をチラッと見ていて、驚くべきことに気付いた」
- 格納庫が全部コスモゼロ
- 加藤がコスモゼロを整備している
- 発進する古代の背景にあるコスモゼロの尾翼に0-5012のナンバー (設定資料だと0-5201)
「つまりなんだ?」
「単なる作画のミスとかいうつまらない解釈はやめよう」
「えー」
「では、本気でこのシーンを解釈を無理矢理ひねり出す」
「無理矢理かよ」
「解釈を行うに当たって以下の設定を肯定しよう」
- ヤマトの主力戦闘機はブラックタイガーである(多数ある)
- コスモゼロは古代専用(1機ないし予備を含めて数機しかない)
「そうだね。だからコスモゼロがカイコの棚に並んでいる描写はおかしい」
「ここで条件追加を行う」
「これは妥当だね。設定上、52型になっているね」
「そうだ。さて設定資料でコスモゼロ52型の尾翼に書いてある0-5201と言うナンバーを解釈してみよう。0は宇宙零戦のゼロ、52は52型。すると、01が余る。これがコスモゼロ52型の1号機と解釈しよう」
「うん」
「ならば、0-5012とは何か」
「宇宙零戦50型の12号機……あれ?」
「そうだ。ここで宇宙零戦50型の存在が浮かび上がる。しかも、12号機ということは数十機単位で存在している。これがカイコの棚に入っているとすれば、筋が通る」
「でもコスモゼロは古代専用で1機ないし数機のみって」
「それは52型の話。これは50型なのでそれに該当しない」
「まさか」
「宇宙零戦は2タイプ存在し、ヤマトに搭載されていた。1つが52型で、もう1つが50型。名前を与えるとすれば先行量産型コスモゼロ、仮称プロトゼロだ」
「ちょっと待て。コスモゼロそのものが試作機だろう? 西暦2200制式採用を目指した試作機だろう?」
「同一機種の試作機が複数タイプあってもおかしくない」
「ホントに?」
「風立ちぬで有名になった九試単戦だって逆ガルの試作1号機と逆ガルになっていない試作機がある」
「本当にコスモゼロは2つあるの?」
「以下のページを見ると事実として本当に2種類あるらしいぞ」
「しかし、シルエットが変更されるほどの大改修が2199年頃に起きる理由があると思うかい?」
「思う。なぜならイスカンダルの技術が流入したからだ」
「えー」
「つまり、50型とはイスカンダルの技術が流入する前。52型はイスカンダルの技術が流入した後と思うと解釈できる」
「ではどんな流れが想定できるのだい?」
- ヤマトによる地球脱出計画のために、搭載戦闘機として宇宙零戦を開発していた
- しかし状況は切迫していた。宇宙零戦は完成したとは言えないが、先行して試作機を量産し、ヤマトに載せようとした。これが50型。50型は最低でも12機。数十機単位で製造された
- ところが、ここでイスカンダルの技術が流入し、ヤマトには波動エンジンが搭載され、宇宙零戦にも波及して設計変更を要求された。設計変更された結果が52型
- 本当は52型を量産してヤマトに載せたかったが、間に合わなかった。だから古代用の1機ないし小数のみを搭載した
- ヤマトは既に製造してしまった50型先行量産タイプも多数載せたまま出発してしまった
ブラックタイガーとの関係 §
「ブラックタイガーとの関係は?」
「当初、ヤマトに載せるのは宇宙零戦50型という計画であった……と解釈した」
「うん」
「ところが、50型は欠陥機だった。つまり、あまり使えなかった」
「構想は遠大なのに、実際はしおしお。良くある話だね」
「だから、既存の戦闘機つまりブラックタイガーにイスカンダルの技術をフィートバックして小改修した程度の機体に負けてしまう。ブラックタイガーは、過保護になっちゃうぐらい整備を繰り返さないと飛べないコスモゼロ52型よりも、実は役に立った。だから、性能上の序列は以下のようになる」
「しかし実用性の序列はこうなる」
「従って、いかにヤマトの万能工作機械が万能であろうと、航海中にコスモゼロ52型は量産しない。おそらく、補充と修理のためにブラックタイガーを作っているが、52型は古代機の修理以外の目的では作っていない」
「材料はどうするんだよ。材料が無いと戦闘機も作れないだろう」
「そこだっ!」
「は?」
「50型は順次解体されて万能工作機械用の資材に転用されていったと思うべきだろう」
「まさか。序盤に多数出てくる複数コスモゼロの描写がどんどん減っていくのはそれが理由……」
更にもう1つの謎が解ける §
「搭載機を資材に転用して新しい機体を製造する、という解釈を持ち込むことで、もっと違う解釈が可能になってくる」
「それはなんだい?」
「バラン星の時にコスモゼロでもブラックタイガーでもない機体が並んでいる格納庫描写。あれは、1回作って並べては見たもののイマイチなので却下された別機体かもしれない」
「まだ他に機種があるんかい!」
「しかし、そう思うとバラン星攻略に戦闘機隊を出していない理由が説明可能になる。別機体はイマイチだったのだ」
シームレス戦闘機の謎も解ける §
「日常的に戦闘機作っていれば、シームレス戦闘機もすぐに作れる。それに、決定版の艦載戦闘機を元々模索していたら、強度的に有利なつなぎ目の無い戦闘機を構想していても無理はない」
「話がそこまで行くんかい」
最初が50型でいいのか §
「十の桁に特定の意味を持たせ、50からカウントするという実例はあるから、50から数え始めたという解釈でもいいだろう」
「たとえば?」
「国鉄の蒸気機関車。D49は存在しないが、D50、D51、D52はある。50からカウントしているからだ」
「なんで?」
「テンダー式の蒸気機関車は50~99だからだ。ちなみに、タンク式は10~49」
「なるほど」
「陸上機が10~で、艦上機が50~とかいうルールでもあると想定すると整合するかもしれない」
「じゃあさ。50型と52型の中間に51型があってもいいじゃないか」
「その方が自然だね」
51型を想像する §
「コスモゼロ51型を想像してみよう」
「それはどんな機体だい?」
「おそらく、過渡期の試作機体だ」
「イスカンダルの技術が入る過渡期だね」
「おそらく、イスカンダルの技術が入っていない50型の機体に、試験的にイスカンダルの技術を投入しただけの機体ではなかろうか」
「なぜそれはヤマトに載っていない?」
「データを取ることが目的だったのかもしれない。それに試作機は様々な理由で壊れるものだ。ヤマト出発前に壊れていたとしても不思議では無い」
「壊れる理由って?」
「墜落することもあれば、耐荷重試験で壊れるまでウェイトを載せることがある。もちろん、そうなれば壊れて終わる」
「な、なるほど……」
21型を想像する §
「実は別案がある」
「なんだよ」
「51型は21型として生まれ変わったという仮説」
「どんな仮説?」
「コスモゼロは機体が大きいので、よりコンパクトに収納するために折りたたみ機構の検討が行われ、その結果として51型を改修して21型が試作された……という妄想」
「しかし、ここまで来ると復活篇までは整合するが、2199には解釈が整合しないぞ」
「しない。2199は別の解釈でやっている。整合させようとも思わない」
「なぜそこまで割り切る」
「その方が面白いからだ」
「は?」
「プロは設定を整合させるためにリメイクで設定を変えちゃう。でも、それってつまんない。マニアは設定を整合させるためにアクロバット解釈をひねり出す。こっちの方が意外性があって面白い」
「面白ければオフィシャル設定すら蹴るのかい」
「2199解釈は1つの解釈だ。別の解釈はあっていい。そのための努力はもっと払う必要があると痛感しているところだよ。ここ1年ぐらい。かなり無茶なことを考えたと思ったがそうでもなかった。自分の想像力はまだ不十分だ」
「まさか」
「実は宇宙戦艦ヤマト天界譚という構想は昔からある。タイトルは今考えたけど」
「冥界に行かないの?」
「そうだ。天界に行く」
「なぜそのような話がヤマトに似合うと思うの?」
「ヤマト完結編は、おそらく死んでいると思われるクイーンオブアクエリアスの待つ天国にヤマトが飛んでいくところで終わるから!」
「つまり完結編の続編?」
「そうだ。生きているかのように勝手にスイッチが入って乗組員がいなくても飛んでいくヤマトのストレートな続編」
宇宙零戦の解釈 §
「ああっ!」
「何だよ」
「宇宙零戦も解釈できる」
「どう解釈するの?」
「古代加藤の宇宙零戦帰還という台詞。コスモゼロは古代だけなのに加藤も宇宙零戦に乗っているような言い方だ。しかし、コスモゼロは古代だけだが、(仮称)プロトゼロに加藤が乗っていたとして、コスモゼロも(仮称)プロトゼロも宇宙零戦だとすると、筋が通る」
「加藤もブラックタイガーに乗ってるじゃないか」
「途中で被弾して乗り換えたのかも知れない」
「えー」
「ブラックタイガーの予備機を出せ!」
「ありません」
「そのプロトゼロでいい! 出せ!」
「とかいって、加藤が途中で乗り換えた可能性もある」
「ブラックタイガーチーム帰還中という台詞は?」
「それはチーム名であって、使用機種は明示されていない。一部のチームメイトは(仮称)プロトゼロで出ていたかも知れない」
まとめてみよう §
「まとめてみよう」
- 宇宙零戦には21型と50型と52型が存在するようだ
- 50型はコスモゼロに似ているが、コスモゼロ扱いされていないようだ。 (仮称としてプロトゼロを仮定した)
- 21型、52型はコスモゼロと呼ばれているようだ
- 50型は先行量産されたタイプでヤマトに数十機搭載されていたが、あまり使用されていない。最終的にヤマト艦内で解体されて資材に転用された可能性がある
- ヤマトの万能工作機械には戦闘機を製造する能力があり、戦闘機の解体と製造は日常的に行われていた可能性が高い
- 折りたたみ機構は21型にのみ存在するようだ。十の桁の2は、折りたたみ機構の存在を意味する可能性がある
- 50型と52型の中間に51型の番号が欠落しているのは、21型が相当する可能性がある。あるいは51型を改修して21型が産まれた可能性もある
- 21型と52型にはイスカンダルの技術が使用されている可能性が高い。50型には使用されていない可能性が高い
- イスカンダルの技術が使用されている機体に限ってコスモゼロの名称が与えられている可能性もあり得る
- 加藤がコスモゼロを整備している描写、黒いコスモゼロを整備している描写は、自分の予備機としての50型を整備している描写とも解釈できる
- 50型とは更に別の未知の機体が艦内で量産された可能性もあり、バラン星到着時にはその機体が格納庫に並んでいた可能性がある
オマケ1 §
「プロトゼロってことは、プロトワンもあるわけだね?」
「それはボトムズ」
オマケ50 §
「ちなみに、零式50型空間艦上戦闘機 コスモゼロに言及しているサイトがあった!」
「慧眼だね」
「でも、選択問題の誤答としてであった」
「ぎゃふん」
オマケ2199 §
「じゃあさ。天界の宇宙戦艦ヤマトを描けば十分というわけ?」
「いや不十分だ、そこは通過点に過ぎない。意志を持って無人でも航行していくヤマト像は完結編で提示されたイメージでしかない。本当に突飛なイメージとは言えない」
「ならばその先があるわけ?」
「ある。というか、存在していなければならない」
オマケタイガー §
「宇宙零戦50型の名称はコスモタイガーかもしれない」
「コスモタイガーIIの先代のコスモタイガーだね」
「IIがあるのに初代機が出てこないコスモタイガーだ」
「同じ機体で異なる名前ってありなの?」
「F9Fとか、可変後退翼になった時点で名前がパンサーからクーガーに変わっているぞ」