「UQ Holder単行本第1巻。買ったよ」
「感想は?」
「一緒に並んでいた他のコミックの新刊より印象が良かったね」
「いや内容は?」
「実はまだ全部読んでないっ!」
「えー!」
「ずっとマガジン買って連載で読んでるし」
「なんだよそれは」
「でも感想はあるぞ」
「それ、何だよ」
「Amazonの評価がとてもつもなく低い」
「なんで評価が低いの?」
「萌えじゃないからだろ」
「萌えじゃないってことは、そんなにいけないことなの?」
「いいや。別に萌えはコミックの1つの分野に過ぎないし、たいていの漫画家はたった1つのジャンルだけの作品を書き続けることはない。当たり前だ。そんな安楽な方法で世の中を通れるとは限らないし、偏りが激しいと読者も飽きる。引き出しが多い方が良いに決まっている。作品ごとにファン層が違うってことも珍しくない」
「つまり、松本零士に向かって『あんたは宇宙が得意なんだから四畳半ものなんて描くな』って言うのと同じってことだね」
「そうだよ。そんなことを言ったら男おいどんファンに殴り返されるだけだ」
「じゃあ、UQ Holderはこれでいいわけ?」
「そうだ。この1巻の構成は不死の整理分類で終了する。もともと、そこがポイントの作品ってことだ。美少女ハーレムは最初からテーマではないからどこにもない。無くて当たり前」
「でもさ。みんなおっさんより女の子が見たいだろう?」
「訂正しよう、可愛い女の子だ」
「なら、美少女ハーレムの方がいいじゃん」
「そこが典型的な誤解。ヒロインは作り手が本当に可愛いと確信できる1人がいれば十分。逆に確信が持てない女の子は何百人並べても不十分」
「ハーレム否定かよ」
「そうだよ。否定する。あれはたいてい良いものじゃない」
「じゃあ、UQ Holderはおっさんの世界なのか?」
「要所でいい女が何人も出てくるから、それほどおっさん臭くはないぞ」
「普通はそれで『女性が多い』って誉められるレベルなんだね?」
「そうそう。前作のネギま!で数が多すぎたから少ないように見えるだけ。そこは数字のトリック」