「なんでこんな映画を見る気になったんだ?」
「見たことが無い映画はまだまだ多いと気付いて、目に付いた映画をTSUTAYA DISCASの定額リストに入れたおいたのだ。それに、太平洋の嵐があまりに面白いので、松林宗恵監督作品にも興味が出てきた」
「結局、見てどうだった?」
「面白かった」
感想 §
「どこがポイントだい?」
- 新東宝だ
- みんな死んじゃう
- 回天がイルカをやってるぞ
- 鉄拳制裁だ
- 従兵をやっている学校の元先生が渋いぞ
- 空襲警報で黒い幕を窓に合わせて電球にも黒い幕を下ろす描写が生々しい
- 海軍軍人の号令のイントネーションが凄い
- 妄想世界が凄い。しかも江ノ島
- 出撃していく潜水艦を追って海に入った女性はどうなったのだろう
- 潜水艦艦内が生々しい
「結局、海軍経験者が監督で、従軍経験者がゴロゴロいる時代にしか作れない映画だね。今なら絶対に作れない」
「みんな死んじゃうって、バクシンガーとか同じような話は他にあるだろう」
「それらと違うのは、生きる希望が1つも無いってことだ。バクシンガーは、開始時点では勝つ気でいたから、希望があった。でも、この映画は最初から死ぬことが決まっている。志願するかどうかで葛藤することすらない」
「じゃあさ。回天がイルカをやってるぞってなに?」
「浮いたり沈んだりしている描写だよ」
「それをイルカというのだね?」
「でも、イルカとは一言も言わない。それぐらいこなれている映画ってことだ」
「それでまとめるとどうなる?」
「戦争と海軍の暗部にも目を背けずに描いていると思う。つまり、これは反戦映画だよ。最後に少なくとも戦果を上げて映画は終わるけど、全く嬉しくなんてならない」
「なるほど」
「でも、海軍を扱った映画というだけで、軍国主義的といレッテルが貼られるのだろう」
「わははは。見ないでラベルを貼る時代ですよ。昔も今も」
「見たって分かるかどうか疑問だけどな」