「というわけで、続きが分かった」
「何が分かったというんだい?」
「face and hair Sanoでの配布計画はどうやら失敗したらしい」
「どういう意味だい?」
「子供達は妖怪ウォッチに夢中でヤマトのメカコレはもうもらってくれないらしい」
「えー」
「タイミングが遅かったようだね。既に時代は妖怪ウォッチという妖怪に飲み込まれつつある。ヤマト2199のピークはおそらく日5のテレビ放送。既に影響力は低下している」
「ヤマト2199の再放送はどうなんだよ」
「子供が午後11時の東京MXを見ると思うか?」
「えーと」
「うん。あまり意識していなかったが、再放送は時間帯の選択を間違っている気がしてきた。アレはマニア向けの放送時間帯だ。実際、ガンダム的な旧作や萌えアニメばかり放送している時間帯だ。ヤマトを商品としてマニア向けに矮小化したいのか。本来は一般人を巻き込まないと大きなビジネスはできないぞ」
「マニアだけじゃダメなの?」
「そりゃダメに決まってる。マニア専用のトップなんて、世間一般の基準ではカスだよカス。無いのと同じ」
「ガミラス妖怪ゼーリックでも勝てないのかい?」
「ゼーリックでは子供が持っている3DSで遊べない。通信対戦もできない。ゼーリックの妖怪メダルもコンビニで売っていない」
「ホントかよ。本当に妖怪ウォッチ大人気なのかよ」
「そうそう。ケルさんも言ってる。お店に飾った妖怪ウォッチの妖怪大人気って」
「それっておかしくないか? 趣味はひとそれぞれじゃないか? なんで妖怪ウォッチだけ人気があるんだ?」
「うむ。それは当然【おかしい】。おかしいけれど、それが今の日本なのだ。1つが流行ると全員が飛びつく。挙国一致体制だ。発想が貧しい。趣味が貧しい。アナ雪だっていうと全員アナ雪になってしまうのと同じ」
「貧しくていいの?」
「今の日本は国が貧しいからな。経済的に精神的にも貧しい。貧しい国はメガヒットが出やすい。趣味を分散させるゆとりもないからだ」
「なんでそう言い切れるんだよ」
「だって、昭和20~30年代ぐらいの貧しかった日本も趣味が分散せずメガヒットが出たから」
「ぎゃふん」
「こうなるとますます少数派の趣味はじり貧だよ。マニア向けのタコツボなんて掘ってる場合じゃない」
「でも、コミケに人は来るんだろう?」
「来るけど本質的にコミケのマスとは多数派迎合なんだよ。少数派の趣味なんて、片隅でひっそりやってるだけ」
と思ったら §
「次のページにこう書いてある」
- ただ同社にとって、妖怪ウォッチの一大ブームは手放しで喜べない側面もある。妖怪ウォッチに人気が集中しすぎると、そのシワ寄せは自社IPの「ガンダム」「仮面ライダー」「アイカツ」といった関連グッズと競合するおそれがあるためだ。
「つまり、どういうこと?」
「ヤマトまで食われているのだ。妖怪ウォッチに。ヤマト奇跡の復活も妖怪に水を差された」
「どういうことだよ」
「正月映画として、妖怪ウオッチとヤマト2199は正面から当たってしまう」
「あれまあ」
「その前兆は既にある。夏休み映画のマーニーになぜ人が入らないかといえば、おそらくマーニーが悪い訳では無く、ジブリ以上にマニアックさを発揮したプレーンズ2や、ゴジラのような大物に包囲されたからだ。冬になるとヤマト2199も妖怪軍団に包囲されるぞ」
「僕はどうしたらいいか分かりません」
「無限に生き続けるコンテンツなどない。無限に続くように思えた人気番組が終わってしまった事例などいくらでも知っているぞ。そろそろガンダムもヤマトも終わっても良い頃ではないか?」
オマケ §
「ジバニャンごときに負けるのはいやだー」
「ちなみに、ジバニャンのカラーリングはサンダーバード3号に似ている。サンダーバード3号には腹巻も付いている」
「なんだそりゃ」
「赤くて腹巻付きだと思えばアナライザーにも似ているな」
「えっ?」
「やはりここは妖怪戦艦ヤマトで」
「バキッ!!☆/(x_x)」
オマケ2 §
「おいら? おいらは劇場版妖怪ウォッチなんか見たいという気にならないよ。ヤマトにまっしぐらさ」
「妖怪ウォッチはどうでもいい?」
「行列してまで買うものじゃないね」
「じゃあヤマトは?」
「行列して見るのが基本」
「昔、行列して見た記憶が刷り込まれている……」