2014年10月11日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 2334 count

感想・最速上映で見るヤマト2199「追憶の航海」は神業演出だった

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「朝を待たずに特別先行更新するぞ」

感想 §

「開いた口が塞がらなかった」

「良い意味で? 悪い意味で?」

「良い意味で。あれは最良のヤマト2199であろう。十分にお勧めできる」

「弱点は無いの?」

「弱点はある。ヤマト2199という素材を使い、始まりと終わりを変更できず、しかも次の新作劇場版に繋がらなければならない。制約だらけだ。そんな状況で問題が無いわけが無い」

「たとえば?」

「篠原がいきなり負傷して出てくるが、負傷したシーンが無い。でも、それは些細」

「なんで些細なの?」

「篠原は背景のモブ扱いなので、どんな奴がどのように出てこようとあまり関係ない」

「えー」

「うん。だから、かなりのエピソードがざっくり削られて無くなっている。勇気と度胸があるよ。本当にあるべきものしかない」

「ネタバレにならないように説明してくれ。どこがポイントなんだ?」

  • 大きな声では言えないが、ヤマト2199にあった【これはないよなあ】という部分が綺麗さっぱり無い。カットされたり、意味づけが変更されたり、リテイクされたり、問題が無くなっている
  • その際、少数のリテイクカットが効果的に使われている。あれはリテイクなんてものじゃなくて、新作カットと言っても良いと思うが、本当に効果的に要所に挿入されている
  • 新作カット25(七色星団)、リテイク100以上らしいが、これはあまり多くない。それにも関わらず、全体の流れ劇的に改善されている。本当に要所に突っ込んで、たった1つのリテイクが他のカットの価値を倍増させている

「映画がメ2号作戦から始まるのはどうなんだ?」

「うん。そこだ。なぜそういう構成になるのか。そこも、とても上手い」

「ヤマト1977と違うよ」

「そうだ。なぜなら、ヤマト1974/1977にとって、古代守は削除できない重要なポイントだったが、ヤマト2199の古代守は削除可能だからだ。むしろ削除すべき対象だからだ」

「なんで?」

「古代守の存在意義は古代進が戦う理由だったのだ。しかし、ヤマト2199の古代は、それほど兄に思い入れていない。単純に、人類を救うためにヤマトに乗っている色彩が濃い。兄抜きでも戦える。逆に、古代守はスターシャを悪女にしてしまうので、取り除けるなら取り除くべきなのだ。では代わりに何を持ってくるのか。それはヤマト1977ではあまりに描写が弱すぎた冥王星基地攻略戦が良いだろう。比較的序盤のエピソードだし、取りあえず映画のセオリーとして、客の目を奪うエピソードを最初に持ってくるのが定石だ。序盤最大の作戦はメ2号作戦ということになるから、メ2号作戦の後でタイトルが出てきて、そこから設定を語り直す。それにメ2号作戦は主要登場人物紹介としても上手く機能する。沖田、古代、島、森、真田、新見を紹介できるのだ」

「それだけでいいの?」

「ヤマト側はその程度。あとはスターシャとユリーシャ。ガミラス側はデスラー、ドメル、ゼーリック。おおむね、それだけでいい。あとは名前も良く分からないモブキャラと思っていい」

「ゲールは?」

「別に名前覚えなくて良い扱い」

「シュルツは?」

「いなくてもいい人」

「えー」

「ドメルがいたら、役割がかぶる」

「じゃあ、なんでテレビでは出てくるんだよ」

「登場時期が違うので役割がかぶらない」

「映画だとかぶるのかよ」

「そうさ。2時間前後しかないからな」

「短いのか!」

「さて、ネタバレになるから、この程度で終わりにしておくか」

「具体的には語れないわけだね」

「そうだ。しかし、これだけは断言しよう」

  • 一部は違う物語になってる
  • 演出力がもの凄く高い
  • むしろ、ヤマト2199の演出に対するダメ出し、あるいは添削と言えるぐらいレベルに格差がある

「分かった。それでもっと簡単に要約するとどうなる?」

「昔、死ぬほど腰を抜かして、あわててDVDを買った『劇場版ロックマンエグゼ 光と闇の遺産』と比較して遜色ない演出力が発揮されている。追憶の航海も見て損は無い」

「どれぐらい?」

「1つ1つのシーケンスを見ながら演出を論じるだけで一晩語れるぐらいの凄さだよ。鳥肌が立つね。追憶の航海は総集編なんだよ! 新作カットはそれほど多くないんだよ!」

「じゃあ、どこに意味があるんだ?」

「カットに意味がある。過剰な思い入れで描写過多になっていた部分がヤマト2199には多い。それらを思いっきりカットすることで、全体の見通しが格段に向上している」

「何か具体例がある?」

「たとえばね、バラン星のエピソードはテレビだと偵察と突破の2要素が詰め込まれてしまっているのだが、本当は突破がメインだったはずだ。山本兄の話とか、篠原がどうしたとか、本筋では無かったはずだ。その辺の見通しを悪くする要素がごっそり無い。丸ごと無い」

「分かった。ここで客が見たいのは突破するヤマトであって、篠原の思いはどうでもいいわけだね」

「そうだ、本当に見たかったものが何かを苦労して思い出す必要が無い。邪魔をする要素がここには無いからだ」

オマケ §

「そういえば、新見は可愛い女になっている」

「なるほど」

「森雪の神秘性はより強調されている。本当にユリーシャかもしれないと思わせる演出になっていて存在感がある。これも上手い」

「他の女性キャラは?」

「ほとんど存在感が無いな」

「萌えキャラ否定?」

「いや、男キャラもほとんど存在感が無いキャラが多い。物語の本筋に関係ないキャラはかなり整理されて、いちいち覚える必要の無いモブ化が進行している。これも上手い」

「分かった。君の批判点の1つだね。ヤマト2199は過剰に登場人物が多すぎると。そこが改善されていると」

「そうそう。この映画では、重要人物のかなりの割合がモブ化している。そこにいるだけなんだ。その結果として、話を追いかけるために見るべきキャラがかなり減っている」

オマケ2 §

「結局、TVシリーズのヤマト2199は、古代と雪の扱いが下手すぎた。追憶の航海はそこをかなり補強できたと思うよ」

「それは良い話だ」

「いや待てよ。島の扱いも悪かったな。でも、そこは良くなってるぞ」

「それも……良い話なのか?」

「良いぞ」

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「開いた口が塞がらなかった」

「良い意味で? 悪い意味で?」

「良い意味で。あれは最良のヤマト2199であろう。十分にお勧めできる」

「弱点は無いの?」

「弱点はある。ヤマト2199という素材を使い、始まりと終わりを変更できず、しかも次の新作劇場版に繋がらなければならない。制約だらけだ。そんな状況で問題が無いわけが無い」

「たとえば?」

「篠原がいきなり負傷して出てくるが、負傷したシーンが無い。でも、それは些細」

「なんで些細なの?」

「篠原は背景のモブ扱いなので、どんな奴がどのように出てこようとあまり関係ない」

「えー」

「うん。だから、かなりのエピソードがざっくり削られて無くなっている。勇気と度胸があるよ。本当にあるべきものしかない」

「ネタバレにならないように説明してくれ。どこがポイントなんだ?」

  • 大きな声では言えないが、ヤマト2199にあった【これはないよなあ】という部分が綺麗さっぱり無い。カットされたり、意味づけが変更されたり、リテイクされたり、問題が無くなっている
  • その際、少数のリテイクカットが効果的に使われている。あれはリテイクなんてものじゃなくて、新作カットと言っても良いと思うが、本当に効果的に要所に挿入されている
  • 新作カット25(七色星団)、リテイク100以上らしいが、これはあまり多くない。それにも関わらず、全体の流れ劇的に改善されている。本当に要所に突っ込んで、たった1つのリテイクが他のカットの価値を倍増させている

「映画がメ2号作戦から始まるのはどうなんだ?」

「うん。そこだ。なぜそういう構成になるのか。そこも、とても上手い」

「ヤマト1977と違うよ」

「そうだ。なぜなら、ヤマト1974/1977にとって、古代守は削除できない重要なポイントだったが、ヤマト2199の古代守は削除可能だからだ。むしろ削除すべき対象だからだ」

「なんで?」

「古代守の存在意義は古代進が戦う理由だったのだ。しかし、ヤマト2199の古代は、それほど兄に思い入れていない。単純に、人類を救うためにヤマトに乗っている色彩が濃い。兄抜きでも戦える。逆に、古代守はスターシャを悪女にしてしまうので、取り除けるなら取り除くべきなのだ。では代わりに何を持ってくるのか。それはヤマト1977ではあまりに描写が弱すぎた冥王星基地攻略戦が良いだろう。比較的序盤のエピソードだし、取りあえず映画のセオリーとして、客の目を奪うエピソードを最初に持ってくるのが定石だ。序盤最大の作戦はメ2号作戦ということになるから、メ2号作戦の後でタイトルが出てきて、そこから設定を語り直す。それにメ2号作戦は主要登場人物紹介としても上手く機能する。沖田、古代、島、森、真田、新見を紹介できるのだ」

「それだけでいいの?」

「ヤマト側はその程度。あとはスターシャとユリーシャ。ガミラス側はデスラー、ドメル、ゼーリック。おおむね、それだけでいい。あとは名前も良く分からないモブキャラと思っていい」

「ゲールは?」

「別に名前覚えなくて良い扱い」

「シュルツは?」

「いなくてもいい人」

「えー」

「ドメルがいたら、役割がかぶる」

「じゃあ、なんでテレビでは出てくるんだよ」

「登場時期が違うので役割がかぶらない」

「映画だとかぶるのかよ」

「そうさ。2時間前後しかないからな」

「短いのか!」

「さて、ネタバレになるから、この程度で終わりにしておくか」

「具体的には語れないわけだね」

「そうだ。しかし、これだけは断言しよう」

  • 一部は違う物語になってる
  • 演出力がもの凄く高い
  • むしろ、ヤマト2199の演出に対するダメ出し、あるいは添削と言えるぐらいレベルに格差がある

「分かった。それでもっと簡単に要約するとどうなる?」

「昔、死ぬほど腰を抜かして、あわててDVDを買った『劇場版ロックマンエグゼ 光と闇の遺産』と比較して遜色ない演出力が発揮されている。追憶の航海も見て損は無い」

「どれぐらい?」

「1つ1つのシーケンスを見ながら演出を論じるだけで一晩語れるぐらいの凄さだよ。鳥肌が立つね。追憶の航海は総集編なんだよ! 新作カットはそれほど多くないんだよ!」

「じゃあ、どこに意味があるんだ?」

「カットに意味がある。過剰な思い入れで描写過多になっていた部分がヤマト2199には多い。それらを思いっきりカットすることで、全体の見通しが格段に向上している」

「何か具体例がある?」

「たとえばね、バラン星のエピソードはテレビだと偵察と突破の2要素が詰め込まれてしまっているのだが、本当は突破がメインだったはずだ。山本兄の話とか、篠原がどうしたとか、本筋では無かったはずだ。その辺の見通しを悪くする要素がごっそり無い。丸ごと無い」

「分かった。ここで客が見たいのは突破するヤマトであって、篠原の思いはどうでもいいわけだね」

「そうだ、本当に見たかったものが何かを苦労して思い出す必要が無い。邪魔をする要素がここには無いからだ」

オマケ §

「そういえば、新見は可愛い女になっている」

「なるほど」

「森雪の神秘性はより強調されている。本当にユリーシャかもしれないと思わせる演出になっていて存在感がある。これも上手い」

「他の女性キャラは?」

「ほとんど存在感が無いな」

「萌えキャラ否定?」

「いや、男キャラもほとんど存在感が無いキャラが多い。物語の本筋に関係ないキャラはかなり整理されて、いちいち覚える必要の無いモブ化が進行している。これも上手い」

「分かった。君の批判点の1つだね。ヤマト2199は過剰に登場人物が多すぎると。そこが改善されていると」

「そうそう。この映画では、重要人物のかなりの割合がモブ化している。そこにいるだけなんだ。その結果として、話を追いかけるために見るべきキャラがかなり減っている」

オマケ2 §

「結局、TVシリーズのヤマト2199は、古代と雪の扱いが下手すぎた。追憶の航海はそこをかなり補強できたと思うよ」

「それは良い話だ」

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「それも……良い話なのか?」

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