「カリメロのリメイクが放送開始されたので、昔のカリメロのエンディングを取り上げよう」
「なんだい?」
「好きなのプリシラ。これは実に奇妙な歌詞なのだ」
「どこが奇妙なんだ?」
- 1番の歌詞は「あんな奴には負けない」→「喧嘩しないで旅をしよう」
- 2番の歌詞は「へまはしない」→「君への愛を歌う」
「つまりね。筋が通らない。負けないと言ったら旅をするのはおかしい。その場にとどまって再戦を挑むのが普通だ。しかし、再戦して勝つことなく旅をしようと言っている。2番も同じだ。へまをしないという話と、愛を歌う話は直接つながらない」
「話が矛盾しているわけだね」
「ではこの歌詞は何を歌っているのか。前半は、カリメロが【ヘマをして、あんな奴に負けた】ということを意味する。しかし、後半はこういうことを言っている」
- 喧嘩しない
- 二人で山の向こうへ旅をしよう
- 君への愛を歌う
「つまりなんだい?」
「本当の後悔は、ヘマをしたことでも負けたことでもない。喧嘩をしたこと、二人で旅をしなかったこと、愛を歌わなかったことだ」
「つまりなんだい?」
「プリシラは1人で旅立ってしまった。だからもう喧嘩できない。愛も歌えない」
「旅だった?」
「そうだ。しかし、単に物理的に移動しただけなら、追いかけるという選択肢がある」
「じゃあなんだよ」
「プリシラは既に死んでいるという解釈を思い付いた。山の向こうとは冥界のことかもしれない」
「それは正しい解釈なのかい?」
「さあ、それは分からない。子供だから追いかけられないだけ。本当はプリシラが引っ越してしまっただけ、という解釈でもいいだろうね」