Subject: 感想・最速上映で見るヤマト2199「追憶の航海」は神業演出だった
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20141011013618
名前: 3gou
本文:
トーノ・ゼロさま
お久しぶりです。
自分も「追憶の航海」はとても良くできた編集だと思いながら見ました。
冒頭がメ2号作戦なのは映画の掴みとして真っ当ですね。
今時黒バックに主題歌ってわけにもいきませんし。
>ヤマト2199にあった【これはないよなあ】という部分が綺麗さっぱり無い。
山本のことですねw
古代視点として語られるといかに彼女が眼中になかったか可哀想ですらあります。
これが2199初見という人には厳しいかもしれませんがかなり人物関係は整理されて見やすくなってると思います。
男の子向けアニメの総集編は戦ってばかりになりがちなのですが次元断層(ワープがいきなりここに繋がったのは驚き)
やビーメラの叛乱や探索など極力緩急を付けて工夫してるなぁと。
追加カットはガミラス本星でのコスモゼロのドッグファイトが欲しかったです。
せっかく古代がヒーローとなるシチュエーションなのに何も見せられないままスクラップなのはやはり勿体無いです。
島(ヒスも)はむらかわさんのEDがかなり救いになりましたね。
嬉しかったボーナスでした。
ネット界隈ではやたら張り切ってる人達がいてまともに映画の感想を語り合える場が少ないのが残念ですね。
それではまた。
「【男の子向けアニメの総集編は戦ってばかりになりがち】という点については、BDのオーディオコメンタリーで説明されていたね。そういう切り方もあったが疲れるので、緩急を付けるようにしたと」
「それが本題?」
「いや、新作カットの件」
「コスモゼロのドッグファイトが見たかった?」
「実はBDのオーディオコメンタリーで聞くと、以下のことが分かった」
- 新作カットとは、TVシリーズで作業が進んでいたが、本編に収録されなかったカットのことである
- 途中までは作業が進んでいたので、それを完成させて「追憶の公開」に取り込んだ
「つまりなんだい?」
「フリーハンドで自由に新作カットを選んだわけではなく、あくまで没カットの復活という形で実現している。この方法論から行くと、もともと存在しないカットは新作では入れられない」
「でも見たことが無い絵が他にあるよ」
「それは100以上あるというリテイクカットに相当するのだろう。しかし、リテイクということから分かる通り、違う絵は描けるがもともと存在しない場面は描けない。そもそも既存の絵とバッティングしてしまうから無理だ」
「【やたら張り切ってる人達】ってなに?」
「なんかいるらしいが良くは知らない」
「ネット見ないの?」
「ネットよりヤマト見たいじゃないか」
「ぎゃふん」
山本論 §
「【これはないよなあ】という部分は山本なの?」
「3gouさんの引っかかりが山本だと良く分かった」
「君の引っかかりでは無いの?」
「山本は2199序盤の救世主とも言えるキャラだと思う。まともに屈折を抱えたキャラは山本ぐらいなので、赤道祭までの話はかなり山本のおかげで成立している。そして、異次元空洞まではそれなりに有効に機能している。ただその後は妙に特別な立場に安住して、イマイチ上手くドラマに貢献していない。メルダとの空戦もあまり感銘を受けなかったし、イスカンダルで海に潜っているシーンもメルダとぐるぐる回っているだけで面白くない。復活した森雪を歓迎する山本の心理も良く分からない。森雪に抱きつく岬は分かるけど、山本は良く分からない」
「反乱の時に活躍は?」
「あれも、実は何も屈折が無い無敵の存在で、強いけど面白みが無い。むしろ、助けられた男どものがボンクラだというマイナスイメージしか残せなかった」
「追憶の航海だとどうなるわけ?」
「実は山本のおかげでなんとかなっていた序盤の煮え切らない展開はほとんど割愛されてしまっている」
「分かった、無いシーンを支えるための山本はもう要らないわけだね」
「そうだ。反乱でも話を伊東の問題に絞ったので、佐渡の反撃は結果だけ描かれ、山本の出番はもう無い」
気になったこと §
「さて、ここで問題だ」
「なんだい?」
「古代に派手なドッグファイトが可能だったのだろうか」
「え? コスモゼロに乗っているのだろう?」
「後席にユリーシャが乗っている」
「ユリーシャがGに耐えられるかってことだね」
「可能性はいくつかある」
- ユリーシャがゲロゲロでコクピット内に汚物が飛び散って空戦どころでは無くなる
- 重力制御があるからどんなに機体にGが掛かってもコクピット内は平気だよ!
- ユリーシャは宇宙人だからGにも耐えられる
- 空戦の邪魔になるから「降りろ」とユリーシャに詰め寄って険悪なムード
- 敵がユリーシャに気づいて、思わず攻撃の手を止めて堕とされる。「このガミラス兵、戦いの中で戦いを忘れた!」
- 「雪、レーダーを切り替えろ」と後席のユリーシャに命令するが、雪と言われたユリーシャがむくれる。「私サーシャじゃありません」
「最後の2つは絶対違うだろう」
「てへ」
「ってことはなんだい?」
「おそらく古代は派手な機動ができない。だからこそ、味方戦闘機が集まって支援してくれる」
「でもさあ。それって古代の活躍という意味ではマイナスじゃない?」
「そうだ。ここはユリーシャを連れて行くべきではなかった。そもそもユリーシャの森雪への執着が理解できないし、しかも【森雪はここにいる】と分かってしまう理由もはっきりしないままだ。その辺の煮え切らない要素は追憶の航海ではバッサリだ」