2015年02月06日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記total 681 count

夜ノヤッターマン第4話感想「湯けむり露天風呂紀行」感想【アニメの感想じゃないぞ。歴史の話題だぞ】

Written By: 川俣 晶連絡先

「恐ろしいものを見たものだ」

「何を見たんだよ」

「【すいとん】を食ってるような貧乏家庭に【赤紙】が来る。妊婦がいる家庭なのに旦那が35年間の労働に駆り出される。あまりに酷い仕打ちなのに、近所の者達は【万歳万歳】で送り出す。一方でこの国にやって来た主人公のレパードは、【すいとん】に箸を突き刺しても倒れないと喜んでいる。彼女がそれまで食べてきた【すいとん】は、箸が倒れてしまうぐらい中身がなかったのだ。だから、単に中身が多い【すいとん】ごときで感激してしまう。だが、赤紙に怒り、その貧乏夫婦を救い出そうとするが、助けようとしたその相手に密告されてしまい、ピンチに陥る。いろいろ画策したが結局赤紙で駆り出される旦那。妊婦の妻は、泣きながら万歳で送り出すのだ」

「ひでえ」

「それを見たレパートが【ここは地獄だ】というのだ」

「で、結局なんなんだよ」

「サブタイトルが【湯けむり露天風呂紀行】なので油断すると、とんでもない地獄を見せられる。そういうアニメであった」

「地獄だなあ」

「夜ノヤッターマンは大人が見ると必ず泣くという人もいるが、まさに無くしかない内容だ」

「結局問題は何なんだよ」

「うん。そこだ」

「どこだよ」

「なぜ今そんな地獄をアニメとして作って公共の電波に乗せる意味があるのかだ」

「【すいとん】【赤紙】【万歳】【密告】、どれもみな戦中ワードだろう? そんな1940年代の昔の話をしても、今どきの若者は付いてこないだろう?」

「しかし、ここに描かれた地獄は、アニメ的に誇張されているとは言え、過去の現実なんだよ」

「でも、それは過去だろう?」

「今の日本も十分に地獄さ」

「赤紙は来ないよ」

「既に地獄の門はくぐってしまった。過去の遺産を食いつぶしながら今の日本は繁栄を謳歌しているが、本格的な戦争をやってしまえば蓄えは放出し尽くす。そうなれば行き着く光景は同じさ」

だから §

「どれほど馬鹿げたタイムボカンシリーズのネタを大量に放り込んでも、間抜けなポーズでヤッターマンのポーズを取っても、結局笑える話にはならない。最終的に泣ける話になってしまう。その理由がようやく分かった」

「何が分かったんだい?」

「この話はね。ヤッターマンのリメイクを意図したものでも、ヤッターマンの善悪逆転を意図したものでもない。そうではなく、正義の偽善を剥ぐことがまず大前提にある。ならば、誰がその偽善を剥ぐのか。それは正義の味方にはできない仕事だ。本質的に悪の属性を持ちながら主人公であるという特殊なタイプの者達にしかできない。ルパン三世や怪盗キッドがそれに該当するが、タツノコキャラではない。ならばタツノコキャラでそれを探すと誰になるのか。三悪しかない。三悪は事実上の主役で、しかも本当に主役を取ったことさえある。だから強制的に間抜けなヤッターマンのポーズを取らされるのは恐ろしい描写なのだ。あれは笑えない」

「ひ~」

「だが本当に恐ろしいのはその先だ」

「何が恐ろしいんだよ」

「三悪のペットのブタのオダさま。ブタは大切にせよという教えて大切にされているが、大きくなったら食おうと思っている者がいる。つまり、圧政に苦しむ側であっても、ブタに対しては恐怖すべき存在になり得る。加害者と被害者は相対的なのだ。けして、圧政に反発する者全員が善良とは限らない」

「まさに、ここは地獄だね」

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「恐ろしいものを見たものだ」

「何を見たんだよ」

「【すいとん】を食ってるような貧乏家庭に【赤紙】が来る。妊婦がいる家庭なのに旦那が35年間の労働に駆り出される。あまりに酷い仕打ちなのに、近所の者達は【万歳万歳】で送り出す。一方でこの国にやって来た主人公のレパードは、【すいとん】に箸を突き刺しても倒れないと喜んでいる。彼女がそれまで食べてきた【すいとん】は、箸が倒れてしまうぐらい中身がなかったのだ。だから、単に中身が多い【すいとん】ごときで感激してしまう。だが、赤紙に怒り、その貧乏夫婦を救い出そうとするが、助けようとしたその相手に密告されてしまい、ピンチに陥る。いろいろ画策したが結局赤紙で駆り出される旦那。妊婦の妻は、泣きながら万歳で送り出すのだ」

「ひでえ」

「それを見たレパートが【ここは地獄だ】というのだ」

「で、結局なんなんだよ」

「サブタイトルが【湯けむり露天風呂紀行】なので油断すると、とんでもない地獄を見せられる。そういうアニメであった」

「地獄だなあ」

「夜ノヤッターマンは大人が見ると必ず泣くという人もいるが、まさに無くしかない内容だ」

「結局問題は何なんだよ」

「うん。そこだ」

「どこだよ」

「なぜ今そんな地獄をアニメとして作って公共の電波に乗せる意味があるのかだ」

「【すいとん】【赤紙】【万歳】【密告】、どれもみな戦中ワードだろう? そんな1940年代の昔の話をしても、今どきの若者は付いてこないだろう?」

「しかし、ここに描かれた地獄は、アニメ的に誇張されているとは言え、過去の現実なんだよ」

「でも、それは過去だろう?」

「今の日本も十分に地獄さ」

「赤紙は来ないよ」

「既に地獄の門はくぐってしまった。過去の遺産を食いつぶしながら今の日本は繁栄を謳歌しているが、本格的な戦争をやってしまえば蓄えは放出し尽くす。そうなれば行き着く光景は同じさ」

だから §

「どれほど馬鹿げたタイムボカンシリーズのネタを大量に放り込んでも、間抜けなポーズでヤッターマンのポーズを取っても、結局笑える話にはならない。最終的に泣ける話になってしまう。その理由がようやく分かった」

「何が分かったんだい?」

「この話はね。ヤッターマンのリメイクを意図したものでも、ヤッターマンの善悪逆転を意図したものでもない。そうではなく、正義の偽善を剥ぐことがまず大前提にある。ならば、誰がその偽善を剥ぐのか。それは正義の味方にはできない仕事だ。本質的に悪の属性を持ちながら主人公であるという特殊なタイプの者達にしかできない。ルパン三世や怪盗キッドがそれに該当するが、タツノコキャラではない。ならばタツノコキャラでそれを探すと誰になるのか。三悪しかない。三悪は事実上の主役で、しかも本当に主役を取ったことさえある。だから強制的に間抜けなヤッターマンのポーズを取らされるのは恐ろしい描写なのだ。あれは笑えない」

「ひ~」

「だが本当に恐ろしいのはその先だ」

「何が恐ろしいんだよ」

「三悪のペットのブタのオダさま。ブタは大切にせよという教えて大切にされているが、大きくなったら食おうと思っている者がいる。つまり、圧政に苦しむ側であっても、ブタに対しては恐怖すべき存在になり得る。加害者と被害者は相対的なのだ。けして、圧政に反発する者全員が善良とは限らない」

「まさに、ここは地獄だね」

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