「今回の会報だが、けっこうドラマチックな展開があったので感想を書こう」
「どんな展開だい?」
「表紙から、いくらページをめくっても自分が扱っている【ヤマト】とかけ離れた話しかでてこない。これが第1の驚き。ここまで感性が乖離するものなのか、と本当に驚いた」
「ねえ、ヤマトが来たらあんなページやっつけてくれるよね?」
「そうだ。ヤマトを出せ!」
「ヤマト! ヤマト!」
「ヤマト……」
「まあ、そんな感じでページをめくってもめくってもヤマトらしいヤマトが出てこない会報で、まるでおいらは絶滅か奴隷かを要求されたような気分になったよ」
「それは言い過ぎだ」
「いいんだよ。【絶滅か奴隷か】はヤマト的表現だから」
「それでどうなったんだよ。君は絶滅したのか? 奴隷になったのか?」
「どちらでもない」
「何が起きたんだよ」
「ヤマトが助けに来たのだ」
「えー」
「16ページ目をめくった瞬間に、そこにはヤマトが描かれていた。全身に電気が走ったね」
「16ページ目ってなんだよ」
「大倉さんの『復活』という絵だ。見開きでどーんと載っている」
「それは良かったね」
「そこから数ページは怒濤のヤマトページが続いた。ああ、確かにヤマトだという手応えがあったよ」
「たとえば?」
「グリコカプリコのヤマトIII包装紙とか。西崎義展伝の連載とか。それはもう濃厚で良いページだった。カプリコのヤマトIIIなんて知らなかったからね」
「他にはどこがヒットした?」
「カプリコのページの文字の部分に、小石川植物園の近所という言葉が出てくるが、小石川植物園は行ったよ。どういう場所か良く分かる」
「個人的な感想かい」
「まあな」
しかし §
「しかしなあ。その後で、仙川の宴会でカプリコ以上に凄いものを山ほど会長に見せて頂いたのも事実。インパクトも色あせるわけだね」
「でもね。その結果として自分の研究テーマも出てきたのは事実」
「どんなテーマ?」
「タイピングワープのパッケージのバリエーションとかね」
「それだけ?」
「あとね。コスモタイガーの機銃問題。なぜか、コスモタイガーには翼内機銃を無かったものとして描くバリエーションが存在する。そのへんも、ちょっと気になる」