2015年07月05日
トーノZEROアニメ論ネクスト論total 617 count

【ネクスト論】モデラーの信用出来ない言葉はなぜトレンドに載ったのか

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

 【#モデラーの信用出来ない言葉】というハッシュタグが、Twitterのトレンドに載ったことがある。

 その主旨は、モデラーの言う【簡単だよ】【すぐできる】【ほとんどいじっていない】といった言葉がたいてい嘘に聞こえるという事実を示す。

 もちろん、モデラーがみな嘘つきというわけではないだろう。

 実際に、彼は簡単にすぐできているのだと思われる。

 しかし、ビギナーには実践できない。

 プラモデル等の模型制作の世界は、手を動かした実績量がものを言うからだ。

 問題はその先だ。

 【モデラーの嘘】に関する話題がトレンドに載ったということは、実は以下のことを示すのだ。

  • モデラーの言った言葉を聞いたことがある人が増えている
  • 聞いただけではなく、実践しようとして失敗した人も多い
  • 従って、【モデラーの嘘】が幅広く共感できる言葉として浮上した

 つまり、模型趣味人口の裾野がここ30年ぐらい前例がないほど拡大しているのではないかと思われるのだ。

 その牽引役となっているのは、ガルパン、艦これであることは間違いないのだが、模型に対する興味は戦車軍艦に限られたものではないようだ。そういう意味で、実はガルパン、艦これは入口としての機能しか持っていないようだ。入口を入ってしまった者達は、模型雑誌を見たり、モデラーの作例を見て、戦車軍艦に限定されず飛行機にも自動車にも興味も持つのかも知れない。

 しかしながら、ずっと模型を作ってきて、作り慣れているモデラーと、いきなり生まれて初めての模型を作るビギナーでは立場が違いすぎる。ビギナーは、誰でも時間さえかければ同じものができると思って始めるのだが、実際にはそんなことはない。腕の差は歴然として存在するのだ。どのキットにも難所はあり、それぞれ乗り越え方が違う。人によっても違うだろう。失敗のリカバリに至っては本当にマニュアル化できないぐらい多様だろうが、それは絶対に必要とされる。人間は必ず間違うからだ。

 たとえば、間違った部品を接着してしまったとき、【溶剤系の接着剤はプラを溶かすので、部品を外す際にも使える】と分かっていれば、すぐにそれをつなぎ目に流して外すことができる。しかし、ビギナーなら馬鹿正直にショップで部品を注文して届くまで待つかも知れない。待っていると熱が冷めて続きを作らなくなるかもしれない。歴然とした差が出てしまう。

 さて、そこでビギナーが直面するのは現実という名の壁だ。

 スキル差は歴然としている。

 先輩モデラーの【簡単】も当てにならない。

 そもそも、アニメの世界にあった【設定】という概念そのものが存在しない。

 だから、現実に存在した色なら何色を塗っても嘘にならない。

 シャア専用ザクは赤く塗らないとダメなのだが、零戦は緑に塗らなくても良い。現実に緑以外の零戦は存在するからだ。

 更に、完全な再現は最初から不可能だから、【どこで妥協するのか】が常に要求され、【着陸脚の支柱は細すぎるので省略しました】的な判断もあり得て、不完全だから劣っているとも言いがたい。

 安心できる【設定】に守られた、お約束の世界から彼らは一歩出てしまったのだ。

 そのような層がモデラーのビギナー層なのだ。

 では、彼らは永遠にベテランに勝てないのだろうか?

 まず勝てない。手を動かした量は裏切らないからだ。

 しかし、手を動かしていればどんどん上手くなるのも事実。

 ビギナーが中堅モデラーに育つ可能性は十分にある。

 そのような可能性に満ちた手厚いビギナー層が成立していることは、これも一種のネクストなのだと言えるのかも知れない。

 少なくとも彼らはお約束に守られた秋葉原、コミケといった世界からはみ出して、荒々しい現実の一面を知ってしまったのだ。

 もちろん、お約束の世界に逃げ戻る人達もいるだろうが、戻っても満足できない人達もいるだろう。後者は明らかに仮称ネクスト層の候補だ。

Facebook

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 【#モデラーの信用出来ない言葉】というハッシュタグが、Twitterのトレンドに載ったことがある。

 その主旨は、モデラーの言う【簡単だよ】【すぐできる】【ほとんどいじっていない】といった言葉がたいてい嘘に聞こえるという事実を示す。

 もちろん、モデラーがみな嘘つきというわけではないだろう。

 実際に、彼は簡単にすぐできているのだと思われる。

 しかし、ビギナーには実践できない。

 プラモデル等の模型制作の世界は、手を動かした実績量がものを言うからだ。

 問題はその先だ。

 【モデラーの嘘】に関する話題がトレンドに載ったということは、実は以下のことを示すのだ。

  • モデラーの言った言葉を聞いたことがある人が増えている
  • 聞いただけではなく、実践しようとして失敗した人も多い
  • 従って、【モデラーの嘘】が幅広く共感できる言葉として浮上した

 つまり、模型趣味人口の裾野がここ30年ぐらい前例がないほど拡大しているのではないかと思われるのだ。

 その牽引役となっているのは、ガルパン、艦これであることは間違いないのだが、模型に対する興味は戦車軍艦に限られたものではないようだ。そういう意味で、実はガルパン、艦これは入口としての機能しか持っていないようだ。入口を入ってしまった者達は、模型雑誌を見たり、モデラーの作例を見て、戦車軍艦に限定されず飛行機にも自動車にも興味も持つのかも知れない。

 しかしながら、ずっと模型を作ってきて、作り慣れているモデラーと、いきなり生まれて初めての模型を作るビギナーでは立場が違いすぎる。ビギナーは、誰でも時間さえかければ同じものができると思って始めるのだが、実際にはそんなことはない。腕の差は歴然として存在するのだ。どのキットにも難所はあり、それぞれ乗り越え方が違う。人によっても違うだろう。失敗のリカバリに至っては本当にマニュアル化できないぐらい多様だろうが、それは絶対に必要とされる。人間は必ず間違うからだ。

 たとえば、間違った部品を接着してしまったとき、【溶剤系の接着剤はプラを溶かすので、部品を外す際にも使える】と分かっていれば、すぐにそれをつなぎ目に流して外すことができる。しかし、ビギナーなら馬鹿正直にショップで部品を注文して届くまで待つかも知れない。待っていると熱が冷めて続きを作らなくなるかもしれない。歴然とした差が出てしまう。

 さて、そこでビギナーが直面するのは現実という名の壁だ。

 スキル差は歴然としている。

 先輩モデラーの【簡単】も当てにならない。

 そもそも、アニメの世界にあった【設定】という概念そのものが存在しない。

 だから、現実に存在した色なら何色を塗っても嘘にならない。

 シャア専用ザクは赤く塗らないとダメなのだが、零戦は緑に塗らなくても良い。現実に緑以外の零戦は存在するからだ。

 更に、完全な再現は最初から不可能だから、【どこで妥協するのか】が常に要求され、【着陸脚の支柱は細すぎるので省略しました】的な判断もあり得て、不完全だから劣っているとも言いがたい。

 安心できる【設定】に守られた、お約束の世界から彼らは一歩出てしまったのだ。

 そのような層がモデラーのビギナー層なのだ。

 では、彼らは永遠にベテランに勝てないのだろうか?

 まず勝てない。手を動かした量は裏切らないからだ。

 しかし、手を動かしていればどんどん上手くなるのも事実。

 ビギナーが中堅モデラーに育つ可能性は十分にある。

 そのような可能性に満ちた手厚いビギナー層が成立していることは、これも一種のネクストなのだと言えるのかも知れない。

 少なくとも彼らはお約束に守られた秋葉原、コミケといった世界からはみ出して、荒々しい現実の一面を知ってしまったのだ。

 もちろん、お約束の世界に逃げ戻る人達もいるだろうが、戻っても満足できない人達もいるだろう。後者は明らかに仮称ネクスト層の候補だ。

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