2015年07月20日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 918 count

宇宙戦艦ヤマトの破綻はなぜ問題にされないのか

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

より

残念ながらプロットという小説の根本部分をどうでもいいと思っている人間が人類全体で多数派なんだと思います。

小説や漫画に限らず、開発や事業計画でもつじつまを気にしない人は珍しくないです。

「これを読んで、なるほどと思ったよ」

「なぜだい?」

「宇宙戦艦ヤマトという作品も実はプロットが破綻している場合が多い。多数のアイデアと複数の版のシナリオを切り貼りして、最終的に尺の都合でカットしていくとたいてい全体が破綻していく」

「女を捨てて生き延びるために宇宙に乗り出すディンギルが最初から破綻してるようなものだね」

「一部の破綻はカットによるものだと既に分かっているがね」

「惑星の破壊シーンがカットされたのに惑星に言及する台詞だけが残る新たなる旅立ちとかだね」

「まあ、そういうことだ」

「それで?」

「特に最近気になったのは、方舟が作品として完全に壊れているにも関わらず、人気があることだ」

「壊れているとは?」

「たとえば、土方や斉藤が死ぬ気で耐えて沖田の帰りを信じて待っているというのに、その当の沖田は古代と親子ごっこに興じて最後には【岬君のラジオにリクエストしようかな】などと暢気なことを言っている。あんな台詞、必死に耐えて待っている土方が聞いたらどう思うか。挙げ句の果ては古代とバーガーの友情ごっこで、地球を救う大切なコスモリバースそのものになったヤマトを危険に晒して戦闘を始める。でも、誰もそこを問題にしない。たとえ戦闘が不可避になったとしても、ヤマトの安全を第1に考える戦い方をするのが自然だろうと思うが、そんなことはなく、危険な戦法を使いたがる。でも、でもあの映画が好きな人は誰も問題にしていない」

「分かった。明らかに話が噛み合ってないにも関わらず、そこを問題にしない人がけっこう多いのはなぜかという素朴な疑問に対して、【残念ながらプロットという小説の根本部分をどうでもいいと思っている人間が人類全体で多数派なんだと思います】という説明がそのまま当てはまるわけだね?」

「そうだ。たとえば、放射能の中でしか生きられないはずのガミラス人が地球人と一緒にいたりする矛盾等、ヤマトの矛盾は昔から多かった。ただ特定のストーリーの中では一貫させようとする意志は感じられた。でも方舟に関しては、一貫させようとする意志を最初から最後まで感じられなかった」

「でも、そんな意志の有無は最初から問題にしていない層が多数派だったとすれば、方舟の人気も説明が付くわけだね?」

「そうだな」

面白ければいいのか? §

「でもさ。作品は面白ければ良いのであって整合性なんて無くてもいいのでは? 面白ければ」

「そうさ。面白ければ全ては許されるのだ。全ての客が【ああ、面白かった】と思って、物語を閉じることができるならそれでいい。整合性などどうでもいい。むしろ積極的に整合性を放棄する作品作りの方法論さえある」

「じゃあ、なぜそこまで整合性にこだわるわけ?」

「整合性をないがしろにすると、迷子になるお客さんが出てしまうからだ」

「迷子とは?」

「たとえば、【こんなユニークな登場人物が出てきたのだから、あとから重要な役割で活躍するはずだ。ぜひそれを見たい】と思って見ている人がいたとする」

「うん」

「彼の立場からすれば、【あれだけ印象的に登場した登場人物がそれっきりということはあり得ない】と思ったにも関わらず、その後一切出番が無いと、肩すかしを食らったと思ってしまうのだよ」

「不完全燃焼で終わってしまうわけだね」

「彼に関してはそうなる。逆に、そういうことは何も思っていない客は、何も感じないで面白い面白いと言うかもしれない」

「それが迷子にしてしまうってことだね」

「そうだ。物語の前半でかきたてた期待感は、後半できっちり回収してあげないと、回収されないもやもやを残した客を作り出してしまう。全員ではないが一部が確実にもやもやを残してしまう」

映画ならば §

「映画を最近はよく見るがね。比較的新しい映画は、きちんと最低限の整合性を考えて迷子を出さないようにしている作品が割と多いと思うよ」

「やはり金を払って見ている以上、迷子は出さないに越したことはないのだね」

「金を取って変なもやもやを残しては良くない。やはり納得させて劇場から出ていただくのが最善だ」

「それは多数派の客が面白いと言えばそれで良いという話とは別なのだね?」

「そうだ。迷子は全員がなるわけではない。迷子になってしまった人をいかに救済するのかという問題だ」

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宇宙戦艦ヤマト

宇宙戦艦ヤマトとその時代【Kindle版電子書籍】 §

 宇宙戦艦ヤマト成立の時代背景を検証した研究書です。ブログに書いていない話題も多く収録しています。是非お読みください。Android/iPhone/iPad/Windows PCなどですぐ読めます。Webブラウザ用のリーダーもAmazonから提供されています。

同人小説(PDF形式、無料ダウンロード可能) §

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キーワード【 トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマト
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宇宙戦艦ヤマトの破綻はなぜ問題にされないのか

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より

残念ながらプロットという小説の根本部分をどうでもいいと思っている人間が人類全体で多数派なんだと思います。

小説や漫画に限らず、開発や事業計画でもつじつまを気にしない人は珍しくないです。

「これを読んで、なるほどと思ったよ」

「なぜだい?」

「宇宙戦艦ヤマトという作品も実はプロットが破綻している場合が多い。多数のアイデアと複数の版のシナリオを切り貼りして、最終的に尺の都合でカットしていくとたいてい全体が破綻していく」

「女を捨てて生き延びるために宇宙に乗り出すディンギルが最初から破綻してるようなものだね」

「一部の破綻はカットによるものだと既に分かっているがね」

「惑星の破壊シーンがカットされたのに惑星に言及する台詞だけが残る新たなる旅立ちとかだね」

「まあ、そういうことだ」

「それで?」

「特に最近気になったのは、方舟が作品として完全に壊れているにも関わらず、人気があることだ」

「壊れているとは?」

「たとえば、土方や斉藤が死ぬ気で耐えて沖田の帰りを信じて待っているというのに、その当の沖田は古代と親子ごっこに興じて最後には【岬君のラジオにリクエストしようかな】などと暢気なことを言っている。あんな台詞、必死に耐えて待っている土方が聞いたらどう思うか。挙げ句の果ては古代とバーガーの友情ごっこで、地球を救う大切なコスモリバースそのものになったヤマトを危険に晒して戦闘を始める。でも、誰もそこを問題にしない。たとえ戦闘が不可避になったとしても、ヤマトの安全を第1に考える戦い方をするのが自然だろうと思うが、そんなことはなく、危険な戦法を使いたがる。でも、でもあの映画が好きな人は誰も問題にしていない」

「分かった。明らかに話が噛み合ってないにも関わらず、そこを問題にしない人がけっこう多いのはなぜかという素朴な疑問に対して、【残念ながらプロットという小説の根本部分をどうでもいいと思っている人間が人類全体で多数派なんだと思います】という説明がそのまま当てはまるわけだね?」

「そうだ。たとえば、放射能の中でしか生きられないはずのガミラス人が地球人と一緒にいたりする矛盾等、ヤマトの矛盾は昔から多かった。ただ特定のストーリーの中では一貫させようとする意志は感じられた。でも方舟に関しては、一貫させようとする意志を最初から最後まで感じられなかった」

「でも、そんな意志の有無は最初から問題にしていない層が多数派だったとすれば、方舟の人気も説明が付くわけだね?」

「そうだな」

面白ければいいのか? §

「でもさ。作品は面白ければ良いのであって整合性なんて無くてもいいのでは? 面白ければ」

「そうさ。面白ければ全ては許されるのだ。全ての客が【ああ、面白かった】と思って、物語を閉じることができるならそれでいい。整合性などどうでもいい。むしろ積極的に整合性を放棄する作品作りの方法論さえある」

「じゃあ、なぜそこまで整合性にこだわるわけ?」

「整合性をないがしろにすると、迷子になるお客さんが出てしまうからだ」

「迷子とは?」

「たとえば、【こんなユニークな登場人物が出てきたのだから、あとから重要な役割で活躍するはずだ。ぜひそれを見たい】と思って見ている人がいたとする」

「うん」

「彼の立場からすれば、【あれだけ印象的に登場した登場人物がそれっきりということはあり得ない】と思ったにも関わらず、その後一切出番が無いと、肩すかしを食らったと思ってしまうのだよ」

「不完全燃焼で終わってしまうわけだね」

「彼に関してはそうなる。逆に、そういうことは何も思っていない客は、何も感じないで面白い面白いと言うかもしれない」

「それが迷子にしてしまうってことだね」

「そうだ。物語の前半でかきたてた期待感は、後半できっちり回収してあげないと、回収されないもやもやを残した客を作り出してしまう。全員ではないが一部が確実にもやもやを残してしまう」

映画ならば §

「映画を最近はよく見るがね。比較的新しい映画は、きちんと最低限の整合性を考えて迷子を出さないようにしている作品が割と多いと思うよ」

「やはり金を払って見ている以上、迷子は出さないに越したことはないのだね」

「金を取って変なもやもやを残しては良くない。やはり納得させて劇場から出ていただくのが最善だ」

「それは多数派の客が面白いと言えばそれで良いという話とは別なのだね?」

「そうだ。迷子は全員がなるわけではない。迷子になってしまった人をいかに救済するのかという問題だ」

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