2015年07月28日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 918 count

ヤマト2199が本当に目指したものは何か

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「まず謝ろう」

「何を?」

「スターウォーズ2と3を見たことは無かったが、やっと見て悟った。これを見なかったのは人生最大のミステークであった」

「ヤマトを語れよ」

「語るよ」

「じゃあ、何がどうなんだい?」

「実は、スターウォーズ3を見ることで、最大のミッシングリングが埋まった感があったのだ」

「それは何?」

「いくつかまとめると、年表はこうなる」

  • スターウォーズ2 2002年
  • LAST EXILE 2003年
  • ギャラクティカ2003年~2009年
  • スチームボーイ 2004年
  • スターウォーズ3 2005年公開
  • ガンダム00 2007年~2009年
  • ヤマト2199 2007年後半に始動
  • ヤマト復活篇 2009年公開
  • SBヤマト 2010年公開
  • 劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- 2010年公開
  • ヤマト2199 2012年~2013年

「それで?」

「00年代後半になって、急にヤマトの時代が来たのはなぜか。なぜヤマトが必要とされたのか。ヤマトをどうしようとしたのか。それが謎であったが、それが解けてきた」

「つまりなんだい?」

「00年代前半に、スターウォーズとギャラクティカは新しい地平に行ってしまった。この状況下でLAST EXILEはまだ戦える力を持っていたが、主要スタッフには【日本アニメ界】を代表する人達とは言いがたい人達が並んでいて、必ずしも諸手を挙げて肯定できるものでもなかった。そして、スチームボーイは天才大友克洋を軸に据えて長所が多かったにも関わらず、あまり注目を集められなかった」

「なぜ注目を集められなかったのだろう?」

「ストーリーの軸が単純すぎたのだろう。スターウォーズとギャラクティカが切り開いた地平とは、善悪の境界が明快ではない世界だ。突然隣にいた友が敵対する世界だ。スチームボーイはそういう世界を意識しようとして未消化のまま映像化されてしまった感じで、全般的に煮え切らない迷走感が出ていた。優れた描写が多いのに、それを貫く軸が曖昧なので、印象も曖昧になってしまうのだ」

「それで?」

「つまり、このままではアメリカの特撮に、日本のアニメ特撮は負けそうな危機感があったのだろうと思う」

「それでヤマト?」

「そうだ。企画として、もはやガンダムでは勝てない。そこで、ガンダム00という、今までのガンダムとは完全に違う斬新な企画が用意されたが、それとは別にヤマト復活への道筋も付いたのだろうと思う」

「でも、ガンダム00ってあんまり盛り上がってないよ」

「そうだな。野心的な企画に周囲が追従できなかった感じだろう」

「でもヤマトならいいの?」

「ヤマトも大差ないよ。野心的な企画には周囲が追従できていない」

「具体例は?」

「ヤマト復活篇は、野心的な部分を削り取ったDC版が大人気さ」

「ひ~」

「この流れを見た時に、やっとヤマトの新作の企画に期待されたものが何か、そして実際の新作ヤマトに期待されたものが何かが見えてきた」

「ヤマトの新作の企画に期待されたものとは?」

「ギャラクティカ、スターウォーズ3に負けないことを通じて、ジャパンブランドの失墜を回避することだよ」

「じゃあ、実際の新作ヤマトに期待されたものとは?」

「思い出」

「まるですれ違っているじゃないか」

「そうだよ。全くすれ違っている」

「具体的にギャラクティカ、スターウォーズ3がもたらした新しい地平とはなんだい?」

「もはや善悪が明瞭に分離できない世界だ。善人も敗者になる世界だ」

「人類とサイロンが協力してしまうギャラクティカ的世界や、アナキンがダースベイダーになるスターウォーズ的世界だね」

「そうだ。特に、新天地で希望溢れる未来を始めたかに見えた人類が、いつの間にか再びサイロンを作り出そうとしているギャラクティカ的結末や、ほぼ全員が敗者で終わるスターウォーズ3的な結末は秀逸だ」

「対抗するには、そういう作品作りをすればいいわけだね?」

「ところが、そう言われてもすぐに対応できる人材ばかりとは限らない。理想と現実のギャップは大きいんだ」

「そういう人材はいないの?」

「いるよ。でもね、プロは優秀な人間がなるものではなく、職業に選んだ人がなるものなのだ。そして、ああいうエンターテイメント作品は人間関係で作る。本当に優秀な人間は基本的に呼ばれないか、骨格に関与できる場所には呼ばれない」

「それだけ?」

「いいや。既存作品の真似をするだけでは十分ではない。そこで、プラスアルファを求めねばならないのだが、それがお手本が存在しない世界だ」

「お手本が無いとどうなるの?」

「意志をしっかり持っていないと迷走しがちだ」

「つまりなんだい?」

「つまりだな。善悪が明確で、勝者も明確なスターウォーズ4的な世界観から、善悪も明瞭ではなく、勝者もはっきりしないスターウォーズ3的な世界観の隔たりはとても大きい。そして、その大きさに匹敵する大ジャンプをヤマトも要求されたのだ。だが、それは目的地を定めないランダムワープになってしまったのだ」

「ルークのような少年もおらず、レイア姫のような姫もおらず、R2D2とC3POも凸凹コンビとして機能しないスターウォーズに匹敵する世界をヤマトも要求されてしまったわけだね」

「そうだ。しかし結局蓋を開けてみればファン層もかつてファンだったスタッフも、そんなに遠くまで飛んで行ったヤマトを受容などはできなかった。遠くに投げたブーメランは戻って来たのだよ」

「分かった。古代進のような少年がいない世界を目指したにも関わらず、古代進のような少年が求められる世界に戻ってきてしまったのだね」

「そうだ。だが、戻ったところで、この企画にはもともと古代進のような少年はいないのだ。古代進という名前を設定された戦術長がいるだけだ」

「島と性格を交換したのでは?

「実は、島も古代進的には振る舞っていない。交換ということは無い。単純に、古代進のような少年は要らないものとして消されてしまっているのだ」

「でも、ブーメランがそれを求めたわけだね?」

「そうだ。だから方舟では止むを得ず古代を活躍させているのだが、それはヤマト2199的な世界観とは矛盾した描写になっている。副長の真田が健在ならば、けして指揮権を手放さないのがヤマト2199的な世界観だ。だが副長を飛び越して古代を活躍させてしまった結果として、ヤマト2199的世界観にそぐわない内容になってしまった」

「ヤマト2199を全面的に受け入れたファンには、返ってつらい内容になったわけだね」

「問題はね。なぜ古代進的な少年は抹消されたのかだよ」

「ギャラクティカ、スターウォーズ的な世界観に戦おうとすれば、ああいう少年は作品から取り除かれて当然ということだね」

「まあ実際にギャラクティカにスターバック♂はいないし、スターウォーズ2/3にはハン・ソロがいない」

(続く)

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ヤマト2199が本当に目指したものは何か

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「まず謝ろう」

「何を?」

「スターウォーズ2と3を見たことは無かったが、やっと見て悟った。これを見なかったのは人生最大のミステークであった」

「ヤマトを語れよ」

「語るよ」

「じゃあ、何がどうなんだい?」

「実は、スターウォーズ3を見ることで、最大のミッシングリングが埋まった感があったのだ」

「それは何?」

「いくつかまとめると、年表はこうなる」

  • スターウォーズ2 2002年
  • LAST EXILE 2003年
  • ギャラクティカ2003年~2009年
  • スチームボーイ 2004年
  • スターウォーズ3 2005年公開
  • ガンダム00 2007年~2009年
  • ヤマト2199 2007年後半に始動
  • ヤマト復活篇 2009年公開
  • SBヤマト 2010年公開
  • 劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- 2010年公開
  • ヤマト2199 2012年~2013年

「それで?」

「00年代後半になって、急にヤマトの時代が来たのはなぜか。なぜヤマトが必要とされたのか。ヤマトをどうしようとしたのか。それが謎であったが、それが解けてきた」

「つまりなんだい?」

「00年代前半に、スターウォーズとギャラクティカは新しい地平に行ってしまった。この状況下でLAST EXILEはまだ戦える力を持っていたが、主要スタッフには【日本アニメ界】を代表する人達とは言いがたい人達が並んでいて、必ずしも諸手を挙げて肯定できるものでもなかった。そして、スチームボーイは天才大友克洋を軸に据えて長所が多かったにも関わらず、あまり注目を集められなかった」

「なぜ注目を集められなかったのだろう?」

「ストーリーの軸が単純すぎたのだろう。スターウォーズとギャラクティカが切り開いた地平とは、善悪の境界が明快ではない世界だ。突然隣にいた友が敵対する世界だ。スチームボーイはそういう世界を意識しようとして未消化のまま映像化されてしまった感じで、全般的に煮え切らない迷走感が出ていた。優れた描写が多いのに、それを貫く軸が曖昧なので、印象も曖昧になってしまうのだ」

「それで?」

「つまり、このままではアメリカの特撮に、日本のアニメ特撮は負けそうな危機感があったのだろうと思う」

「それでヤマト?」

「そうだ。企画として、もはやガンダムでは勝てない。そこで、ガンダム00という、今までのガンダムとは完全に違う斬新な企画が用意されたが、それとは別にヤマト復活への道筋も付いたのだろうと思う」

「でも、ガンダム00ってあんまり盛り上がってないよ」

「そうだな。野心的な企画に周囲が追従できなかった感じだろう」

「でもヤマトならいいの?」

「ヤマトも大差ないよ。野心的な企画には周囲が追従できていない」

「具体例は?」

「ヤマト復活篇は、野心的な部分を削り取ったDC版が大人気さ」

「ひ~」

「この流れを見た時に、やっとヤマトの新作の企画に期待されたものが何か、そして実際の新作ヤマトに期待されたものが何かが見えてきた」

「ヤマトの新作の企画に期待されたものとは?」

「ギャラクティカ、スターウォーズ3に負けないことを通じて、ジャパンブランドの失墜を回避することだよ」

「じゃあ、実際の新作ヤマトに期待されたものとは?」

「思い出」

「まるですれ違っているじゃないか」

「そうだよ。全くすれ違っている」

「具体的にギャラクティカ、スターウォーズ3がもたらした新しい地平とはなんだい?」

「もはや善悪が明瞭に分離できない世界だ。善人も敗者になる世界だ」

「人類とサイロンが協力してしまうギャラクティカ的世界や、アナキンがダースベイダーになるスターウォーズ的世界だね」

「そうだ。特に、新天地で希望溢れる未来を始めたかに見えた人類が、いつの間にか再びサイロンを作り出そうとしているギャラクティカ的結末や、ほぼ全員が敗者で終わるスターウォーズ3的な結末は秀逸だ」

「対抗するには、そういう作品作りをすればいいわけだね?」

「ところが、そう言われてもすぐに対応できる人材ばかりとは限らない。理想と現実のギャップは大きいんだ」

「そういう人材はいないの?」

「いるよ。でもね、プロは優秀な人間がなるものではなく、職業に選んだ人がなるものなのだ。そして、ああいうエンターテイメント作品は人間関係で作る。本当に優秀な人間は基本的に呼ばれないか、骨格に関与できる場所には呼ばれない」

「それだけ?」

「いいや。既存作品の真似をするだけでは十分ではない。そこで、プラスアルファを求めねばならないのだが、それがお手本が存在しない世界だ」

「お手本が無いとどうなるの?」

「意志をしっかり持っていないと迷走しがちだ」

「つまりなんだい?」

「つまりだな。善悪が明確で、勝者も明確なスターウォーズ4的な世界観から、善悪も明瞭ではなく、勝者もはっきりしないスターウォーズ3的な世界観の隔たりはとても大きい。そして、その大きさに匹敵する大ジャンプをヤマトも要求されたのだ。だが、それは目的地を定めないランダムワープになってしまったのだ」

「ルークのような少年もおらず、レイア姫のような姫もおらず、R2D2とC3POも凸凹コンビとして機能しないスターウォーズに匹敵する世界をヤマトも要求されてしまったわけだね」

「そうだ。しかし結局蓋を開けてみればファン層もかつてファンだったスタッフも、そんなに遠くまで飛んで行ったヤマトを受容などはできなかった。遠くに投げたブーメランは戻って来たのだよ」

「分かった。古代進のような少年がいない世界を目指したにも関わらず、古代進のような少年が求められる世界に戻ってきてしまったのだね」

「そうだ。だが、戻ったところで、この企画にはもともと古代進のような少年はいないのだ。古代進という名前を設定された戦術長がいるだけだ」

「島と性格を交換したのでは?

「実は、島も古代進的には振る舞っていない。交換ということは無い。単純に、古代進のような少年は要らないものとして消されてしまっているのだ」

「でも、ブーメランがそれを求めたわけだね?」

「そうだ。だから方舟では止むを得ず古代を活躍させているのだが、それはヤマト2199的な世界観とは矛盾した描写になっている。副長の真田が健在ならば、けして指揮権を手放さないのがヤマト2199的な世界観だ。だが副長を飛び越して古代を活躍させてしまった結果として、ヤマト2199的世界観にそぐわない内容になってしまった」

「ヤマト2199を全面的に受け入れたファンには、返ってつらい内容になったわけだね」

「問題はね。なぜ古代進的な少年は抹消されたのかだよ」

「ギャラクティカ、スターウォーズ的な世界観に戦おうとすれば、ああいう少年は作品から取り除かれて当然ということだね」

「まあ実際にギャラクティカにスターバック♂はいないし、スターウォーズ2/3にはハン・ソロがいない」

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