「今日は、待ち時間に中華パッドで本を読んでいてつい夢中になってしまったが、やっと中華パッドの使い所が見えてきたよ」
「それはいったい?」
「移動中とか待ってる時間とか、そいうときにKindleとかPDFリーダーとかで本を読むか、通信が繋がればリモートデスクトップで仕事をするとか。そういう有意義な時間つぶしマシンだったのだ」
「つまりなに?」
「普通のPCは腰を据えて仕事をするために使う。スマホは移動中に最小限の情報を迅速にチェックするために使う。パッドは腰を据えて動けないが時間が余っているときに使う。用も無いのに持ち歩いて負担にならない軽量さと、有意義な仕事ができる実用性の妥協点がここにある」
「そうか」
「今日は読書だったが、昨日はフリーのWiFiがあったから、リモートデスクトップ接続して仕事場のVisual Studioでコードを少し書いちゃったよ」
「ヘビー級アプリでも、リモート接続すればオッケーなのだね」
「でも、通信がつながらないとしても、本が読めればスマホで他愛ないゲームするよりずっと有意義に時間が使える。書籍を買ってダウンロードしておけばいいわけだ。しかも、何百冊だろうと鞄が重くならない」
「本をいくら持っても重くならない! 夢のようだ!」
100%ではないが §
「中華パッドは100%ではないが、そこは使いこなしの問題だな。画面も綺麗だし、既存のソフトもかなり動くし、かなり行ける。もうちょっと熱心に細かい問題を潰していけばもっと良い所に行けるだろうが、現状でもかなり良い」
「つまりなに?」
「コツコツお金を貯めて大ブランドの高価なパッドを買う暇があったら、安い中華パッドを買ってすぐ使った方がずっといい。道具は使ってなんぼだ。使えないならともかく、かなり使えるものだからね」
「100%ではないとしても?」
「0%でもないんだよ。できることはいろいろあるから、それをやらせればいい」
「な。なるほど。できないことを悩んでいる暇があるなら、できることをやらせた方が賢いわけだね」
「そこで思ったのだがね」
「iPad買ったんだよ見て見て」
「わあ、綺麗ですね。やっぱりiPadね」
「とかやってる奴ら、見せてる奴も見て喜んでる奴も何かが違うと気付よ。道具は使ってなんぼだろう。使えよおまえら。道具が泣くぞ」
「Apple信者がマスターベーションみたいな見せっこをしている間に、君は安い中華パッドで何かを生産的な行為を行うわけだね」
「問題は自分が何をなすかであって、道具は目的たりえない。道具はあくまで手段。誰かに見せている暇があれば使えよ」