Written By: 川俣 晶
「大妖怪展に行ってきた」
「なんで?」
「本格的な夏休みシーズンに突入すると混みそうだったからだ」
「空いてた?」
「まあまあ」
「それで感想は?」
「入場料2500円を、無理を言って1800円にしました、と胸を張っているジブリ展に対して、これは1350円だった……」
「いや、値段はいいから」
「思ったより硬派だったよ。確かに最後にジバニャン出てくるけど、全体的に縄文期からの妖怪史的な内容で。ジバニャンやウィスパーやUSAピョンなんかも、大量の検討稿が出ていて、単なる人気便乗ではなかった」
「しかし、なぜジバニャンなんだ?」
「実は、昔からああいう表現は一般的にあって、妖怪ウォッチと大差ない描き方の絵が江戸時代の頃から普通に見られたわけだ。だから、妖怪ウォッチは隔絶した斬新な表現ではない、ということだよ」
「へー」
「それに、江戸時代にあった妖怪で描く忠臣蔵的な企画は、妖怪ウォッチの3年Y組ニャンパチ先生とやってることは大差ないと言えるしね」
「なるほど」
「結局、江戸時代ぐらいなら今とあまり差がないデッサンで妖怪や人が描かれている。それより古いと少し記号的になってくるのだがね。そんな印象を持った」
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