2016年09月02日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記total 578 count

【暫定まとめ】米軍のゼロ戦の報告書(アクタンゼロ)は正しく伝わっているのか、という問題

Written By: 川俣 晶連絡先

主旨 §

 いろいろ分かったこともあるが、まだ全ての資料を最後まで読んだとは言えない状況である。しかし、既に分かったことを腐らせるのも勿体ないので、現時点でのまとめを書いてみた。内容はあくまで暫定である。

問題提起 §

 1942年、アリューシャン列島に不時着してアメリカ軍に回収された零戦は本国のテストで驚異の性能を示し、ゼロとは戦うなという報告書が作成されたという。

 しかし、歴史的な整合性を考えればこの主張は疑わしい。単にほぼ無傷の機体が初めて手に入ったというだけで、既に交戦して性能をほぼ把握しているパイロットはいくらでもいたはずである。

 そもそも、この報告書には本当に零戦の驚異の性能を示す記述などが含まれていたのだろうか? 本当にゼロとは戦うなと書いてあったのだろうか。俗説だけが日本国内に流れていたのではないだろうか?

結論 §

 ネット上に英文(原文)があり、見ることができた。その結果、原文で読んでも日本で喧伝されるような零戦賛美の内容が書かれており、致命的な誤訳は無いと思われる。つまり、そのような内容の報告書は実在したと考えられる。

改めて次の問題提起 §

 この報告書の内容は、あまり事実に即していない。そもそも、いったい誰が何の目的で作成したものだろうか?

補足的な情報 §

 WikiPediaのアクタン・ゼロの項目を読むと、異論を差し挟んでいる者達が存在することが分かる。つまり、零戦の性能や特徴はアクタン・ゼロの入手を待たずして既に既知だったと言うことである。

報告書の作成者と意図 §

 報告書の作成者は、U.S. ARMY AIR FORCES(陸軍航空部隊)のINTELLIGENCE SERVICES(情報部)である。

 従って、実戦部隊ではなく、成果を誇るには敵を倒すのではなく、重要な情報を明らかにしたことで成果を誇示しなければならない。

 つまり、【我々が苦労して手に入れたのは、強大な敵に関する貴重な情報】でなければならず、そのような側面を強調することになる。

 従って、報告書には【脅威の水増し】が含まれていると考えるべきだろう。

 たとえ、実戦部隊では既知の情報であっても、我々が初めて明らかにしたという態度を取る可能性がある。また敵の評価は高めになる。その方が重要度が高くなるからだ。

 現実の実戦部隊では、この報告書に書かれているほど零戦は脅威ではなかったと考えられる。

 ただし、実戦慣れしていない相手をなめたうかつな米パイロットはいくらでもいたはずであり、警告文にはいくらかの意味はあったものと思われる。

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 いろいろ分かったこともあるが、まだ全ての資料を最後まで読んだとは言えない状況である。しかし、既に分かったことを腐らせるのも勿体ないので、現時点でのまとめを書いてみた。内容はあくまで暫定である。

問題提起 §

 1942年、アリューシャン列島に不時着してアメリカ軍に回収された零戦は本国のテストで驚異の性能を示し、ゼロとは戦うなという報告書が作成されたという。

 しかし、歴史的な整合性を考えればこの主張は疑わしい。単にほぼ無傷の機体が初めて手に入ったというだけで、既に交戦して性能をほぼ把握しているパイロットはいくらでもいたはずである。

 そもそも、この報告書には本当に零戦の驚異の性能を示す記述などが含まれていたのだろうか? 本当にゼロとは戦うなと書いてあったのだろうか。俗説だけが日本国内に流れていたのではないだろうか?

結論 §

 ネット上に英文(原文)があり、見ることができた。その結果、原文で読んでも日本で喧伝されるような零戦賛美の内容が書かれており、致命的な誤訳は無いと思われる。つまり、そのような内容の報告書は実在したと考えられる。

改めて次の問題提起 §

 この報告書の内容は、あまり事実に即していない。そもそも、いったい誰が何の目的で作成したものだろうか?

補足的な情報 §

 WikiPediaのアクタン・ゼロの項目を読むと、異論を差し挟んでいる者達が存在することが分かる。つまり、零戦の性能や特徴はアクタン・ゼロの入手を待たずして既に既知だったと言うことである。

報告書の作成者と意図 §

 報告書の作成者は、U.S. ARMY AIR FORCES(陸軍航空部隊)のINTELLIGENCE SERVICES(情報部)である。

 従って、実戦部隊ではなく、成果を誇るには敵を倒すのではなく、重要な情報を明らかにしたことで成果を誇示しなければならない。

 つまり、【我々が苦労して手に入れたのは、強大な敵に関する貴重な情報】でなければならず、そのような側面を強調することになる。

 従って、報告書には【脅威の水増し】が含まれていると考えるべきだろう。

 たとえ、実戦部隊では既知の情報であっても、我々が初めて明らかにしたという態度を取る可能性がある。また敵の評価は高めになる。その方が重要度が高くなるからだ。

 現実の実戦部隊では、この報告書に書かれているほど零戦は脅威ではなかったと考えられる。

 ただし、実戦慣れしていない相手をなめたうかつな米パイロットはいくらでもいたはずであり、警告文にはいくらかの意味はあったものと思われる。

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