「EDMをテーマにした映画だが、ループシーケンサーが出てきたACID以降の文化を前提にした映画だね。ACID使ってた立場からすると感慨深い」
「なんで?」
「ACIDが出てきた頃はMIDI全盛期で、全く黙殺状態だったからさ」
「へー」
「クラップも分かるし、主人公が突きつけられた問題も分かる。実際に声を音楽に取り入れたことがあるし、映画では釘打ち機の音をリズムに使っていたが、うちではブライトがアムロを殴る音をリズムに使ったことがあるぞ」
「ひぇ~」
「結局、音のオリジナリティを出すかは大問題で、複数のソースから持って来たループを混用した上で、録音した音データに秘密の隠し味を足して作っていた。単純にプリセットされた音だけで作っていたら、凡庸になってしまうからね。もっとも、自分の工夫もちゃんと聞き分けられる人は滅多にいないと思うけど」
「聞き分けられなくても工夫はするわけ?」
「もちろんする。理解していない場合でも感じ取れてしまうからだ」
オマケ §
「ちなみに、BPMの話は微妙な部分を除いては知ってた。120BPMの話とか」
「さっぱり分からん」
「gungは140BPM固定だったけど、ACIDはBPM可変になったから画期的だったのだ。割と120BPMでよく音楽を創ったよ」