「さあVol.2だ」
「どんな感想?」
「救出中に救命艇を撃ってくる敵というのは完結編と同じなのだが、もっと描き方が上手いね。撃たれていても救助を続行する勇気がいい」
「そこはプラス評価なのだね」
「そうだな。それから、無人機を操作するオーケストラ指揮者のような男、いいよね。あれは凄く新鮮。今どきの本物の無人機だとパソコンの前に座ってるだけみたいな描写も多いから、かえって新鮮。そもそも、ヤマトにもアルカディア号にもこういうキャラクターは乗っていなかったからね。良いと思うよ」
「そこもプラス評価なのだね」
「あと、ロボットに育てられた男。ロボットごときが人間を突き放して何事かと思ったら、ちゃんと人間を育てているわけだね。ロボットなのに暖かい」
「そこがいいの?」
「いいね。人間は人間であると言うだけで偉いと思うのは思い上がりだ。立派な人間にならずに立派にはなれない」
「そこはプラス評価なのだね」
「影の艦隊が実は艦隊ではなく一隻が素早く動いているだけと見抜いて自分を囮にして勝利する頭脳戦も良いと思う」
「ヤマト2199にも真田対フラーケンの頭脳戦があるじゃないか」
「比較すると悲しくなるから言わないでおいて」
「えー」
「あとね。Vol.1から出ているけど、メタノイド・ラッケンというネーミングもいいね」
「どうして?」
「松本ワールドのメタノイドって印象が良くないわけ。よくある善悪二元論的な【敵であるための敵】【悪であるための悪】みたいな感じでね。何でもかんでもメタノイド。でも、メタノイド・ラッケンと言ってしまうと、また印象が変わる。これはメタノイドという何か複雑なものが切り出された一部なのだ、という気持ちになれるし、そもそもラッケンという言い方が普通では無い異質感を出していて好感した」
「そこもプラス評価なのだね」
「あと、影の艦隊もいい。敵のことはよく分からないから便宜的に付けた名前で正式名称ではない。でも、それでいい。それこそが臨場感」
「そこもプラス評価なのだね」
「あと、女性乗組員が複数いるけれど描き方が上手いね。みんなプロの大人に見える」
「そこもプラス評価なのだね」
「そんなところかな」
「結局、プラス評価しか無いじゃないか」
オマケ §
「メタノイド・ラッケンの綴りがよく分からない。英語のファンサイトの表記はMetanoid Rakkenだが、Rakkenという綴りの単語は軽く検索した範囲では見つからなかった。Luckenなら使用例があって、これはluckに対して可能のenを連結した単語らしい。競走馬などに使用例があった。しかし、本当にそれかと言われると自信が全くない。ともかく宙に浮いた」
「それは大問題?」
「いや、別に新規の造語ならそれでもいい。メタノイド・ラッケンの語感は良いからな」
大オマケ零号 §
「大ヤマト零号は謎多き戦艦であるが、作品にも謎が多い」
「どこに謎が?」
「【脚本:010 10do】がサッパリ分からない」
「これは名前なのか?」
「おそらく、名前を出すと不都合がある誰かの変名だろうと推定している」
「正体は誰だろう?」
「全く分からない。10doは【テンドー】であり、【てんどう】の読みを持つ人では無いかと考えてみたが、010が読み解けない以上は何も分かっていないのと同じだ」