「杉並中央図書館で発見して思わず古書でオーダーした【郊外行楽地の誕生 ハイキングと史跡巡りの社会史】が届いた」
「中味はどうだった?」
「素晴らしい。ハイキングの先行研究があるのかないのかどこまであるのか追い切れなかったが、ここにあった」
「具体的に君に取ってのメリットはなんだい?」
「そうだな。以下の点だ」
- 興味のフォーカス外にあって調べていないこと、自分の知らないことが多く書かれていた
- 自分が持っている貴重書と同じものが載っていて方向性が間違っていないことを確認できた
- 既に所有している書籍に載っていた地図について、もっと解像度の高いものが載っている場合があった
「君が持っている貴重書って?」
「この京王のパンフレットとか、東京附近 山の旅 日程と費用とか」
「他に気付いたことは?」
「これはパルテノン多摩の展示の図録らしいのだが、実は類似の企画展の図録がある。【新宿歴史博物館特別展 特急電車と沿線風景 小田急・京王・西武のあゆみと地域の変遷 発行日不詳 (特別展会期2001年10月6日~12月2日)】というものなのだけどね。扱っている内容にかなり重複がある。同じ地図が載っていることもある」
「それで?」
「今回のこれは2002年。上記のは2001年。もしかして2001~2002年頃に郊外研究ブームのようなものがあったのではないだろうか。そうだとすると、他にもこの手の企画展の図録や書籍が存在した可能性がある」
「なぜ探さないの?」
「難しいんだよ。ハイキングという言葉を冠していないこともあるし、ハイキングのハウツー本と紛らわしくて検索も面倒だ」
「なぜ古い本は検索できるんだよ」
「古いハイキングのハウツー本を見ることは歴史を見ることそのものだからだ」
オマケ §
「京王が調布までで是政渡船場が描かれている地図も載っていた。興奮するね。それに、横目で見ながら特に研究はしていなかった聖跡も詳しく取り上げている」
「聖跡かよ」
「昔一回行ったきりだ。しかも、聖蹟桜ヶ丘は高尾、高幡不動方面に行くときはいつも通過している」