2020年07月02日
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三百字小説『若葉のマークのメルカバ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 カバのカバオは戦車というものを初めて見た。

 「あれはイスラエルのメルカバという戦車だ。メルカバ・マーク4だねあれは」

 「メルカバなのにカバの仲間じゃないの?」

 「あれはメルの仲間なんだよ」

 「メルって何?」

 「さあ」

 「あ、橋から落ちた」

 「若葉マークが付いてたからね。操縦士が新米だったようだ」

 「若葉はカバの仲間?」

 「はっはっは。何を言っているんだ」

 「馬鹿な質問だったね」

 「ワの仲間に決まっている」

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦