「今回の感想は?」
「そもそも飴屋一空って何者だよ」
「そこかい」
「今回は、面白いけど、何かが挟まって完全に解放されていない感じだ。このまま、反撃して勝利という方向には進まないかもしれない」
「そこが面白いの?」
「もうちょっと何か入れてくるかもしれないなあ。逆に入れてくるかも知れないと思わせて入れてこないかも知れないけど」
「どっちなんだよ」
「そこを掴ませないのが物語作りの基本」
「他に何か気付いたことは?」
「足音の擬音のカツーンが遠目にはカリーンに見えないこともない」
「夏凛かい」
「それから最初の夢。あれは魔法で作られた理想郷ではなく、ただの刀太の夢というところが悲しみを増していいね」
そういえば §
「そういえば、キリヱの不死のタネについての疑問もある」
「どういう疑問?」
「キリヱは厳密に言うと不死ではない。セーブポイントに戻るだけだ。そこで死なない選択を選べるというだけに過ぎない。もし、死なない選択が取れない場合は詰んで死んでしまう。セーブポイントの破壊でも未来は閉じてしまう」
「つまり?」
「キリヱは死にたければ簡単に死ねる。【死ねないのが不死者の悩み】はキリヱには適用されない。でも、キリヱは時々【死ねない不死者】的に振る舞うことがある」
「それはどういうことだい?」
「そのうちに赤松先生が描くかも知れないし、描かないかも知れない」
「不死者には、条件が割と厳しくて簡単に死ねるキャラと、条件が割るとゆるくて簡単に死ねないキャラがいるわけだね」
「そう。でも、ジンベエは割と簡単に死ねるキャラだったはずなのに、隠し球を持っていた。まだまだ何かあるかもしれないよ」