2023年10月27日
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感想・映画「デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING」

Written By: トーノZERO連絡先

「映画館で見てきた」

「公開初日になぜわざわざ映画館まで行ったんだ?」

「冒頭4分がYouTubeで公開されてたんだよ。そうしたら始まりがボレロなんだよ」

「ボレロだと見に行くのか?」

「映画デジモンアドベンチャーをテレビで見て腰を抜かして慌ててDVDを注文した人にはボレロは特別だよ」

「なるほど」

「というわけで、デジモンアドベンチャー tri.で忘れられた明日を取り戻しに行くんだ、という気分で電車に乗った」

「それで劇場はどうだった?」

「TOHOシネマズ府中のスクリーン1だったけど、まあ、かなり空いていたかな」

「平日だからしょうがないだろう」

「でも、見終わってみんな重苦しいムードになったのは、ズシッと来たと言うことだ思うよ」

「それでどんな映画なんだ?」

「ともかくデジモンアドベンチャー 02の映画だ。違うことはやってない。ターゲット〜赤い衝撃〜で始まって、AiMの歌で締める。余計な登場人物はいない選ばれし子供達初期メンバー5人+一乗寺賢の6人と、今回のゲストキャラだけでほとんど話が進行する。実は、前作の選ばれし子供達すらほぼ登場していない。内容のスケール感はテレビシリーズのデジモンアドベンチャー 02の前後編ぐらい。世界の全てが変化してしなうような話ではない。スケールは雄大だが、終わってみるとわりとコンパクトな話になっている。だから、本当にテレビシリーズのデジモンアドベンチャー 02のスケール感そのままで、変な肩すかし感は無い。むしろ、ダゴモンの海よりはスケール感は小さいと言ったら良いだろうか」

「ふむふむ」

「最終的にジョグレス進化してインペリアルドラモンやシャッコウモンが登場する。本当にデジモン02らしいデジモン02だと思っていい」

「なるほど。それで面白かった? 満足できた?」

「話はちゃんと作ってあって、肩すかし感はない。デジモンカイザーは出てこないが、偽デジモンカイザーを出して肩すかし感を味合わせてくれた他作品とは違って、

賢ちゃんとワームモンがかなり出ているので、満足度は高い」

「これでいいわけだね」

「全般的に大人になったあいつらということで、抑えた演出が多い。でも、デジモンは同じままだから、そこから入っていける」

「つまりなに?」

「スケール感は、デジモンアドベンチャー02 前編/後編とか、ディアボロモンじゃなくて、最初の映画版デジモンアドベンチャーに近い」

「だからボレロか」

「そこは知らないけどな。でも、アレに挑戦したのだと思うよ。ボレロは挑戦状だ」

「えー」

「というわけで、ネタバレあり感想はこのずっと下に」

「見たくない人は見るなよ」

ネタバレあり感想 §

「というわけで、ネタバレあり感想を頼む」

「実は本来のテレビシリーズのデジモン02の肝は、選ばれなかった友達を介して全ての人がパートナーで自問を持てる世界に至るところなのだ」

「それで?」

「ところが、この映画はそれを否定してホラーに作り替えてしまう。全ての人がパートナーデジモンを持てる世界が目の前に来そうになるのを止めることになってしまう」

「えー」

「そういう意味で、やってくれたなという気持ちはある。そもそもトレイラーを見て全く感じ入るところが何もなかったので、むしろ【何かやる気だ】という気持ちになって見たくなった映画だからな」

「何かをやられてしまったわけだね」

「そう。だから、大人になった彼ら6人は、全くの別人であり、分からないのは当然だ。でも、彼らはあの彼らの成長した姿であって、分かってしまえばやはり彼らなのだ」

「他に何か?」

「人間関係がちゃんと描かれているのはいいよね。大輔と賢は鉄壁の大親友なのだが、実は知性派の京が賢をパートナーとして頼っていて賢も京を異性として意識している」

「ふむふむ」

「あとタケルとヒカリはお兄さんお姉さんとしてやや立ち位置が違うのだが、二人の間にも微妙な溝がある」

「ワンセットじゃないわけだね」

「パソコン教室から【デジタルワールドに出動】するときに使われていた音楽が、パソコン室で使われていたのも良かったね。あのまま出動するのかと思ってしまったよ」

「他に何か?」

「あとはね。賢ちゃんが女にもてていると、ジト目で見ているワームモン」

「そこがいいんだ」

「賢ちゃんあってのデジモン02」

「えー」

「あとね。過去世界の光が丘に出てきた兄と妹、あれはまさに映画デジモンアドベンチャーの太一とヒカリ。たぶん、この映画は映画デジモンアドベンチャーの出来事と関係ある話をしている」

「他に何か?」

「エクスブイモンとスティングモンの二体の進化を長々と描いてうざいなあと思って見ていたらその二体がジョグレスしたよ。これは納得の描写だ」

「二体いないとジョグレス進化できないからね」

「デジバイス、D3が重要なアイテムとして使われたのも良かったと思うよ」

「他には?」

「あとデジモン第1作のお台場決戦をテレビの報道で見ているシーンは良かった。あの出来事はきちんとこの世界で起きていた事件として扱われているが、あくまで作中のテレビの画面の中に押し込められていて出てこない。このバランス感覚は良い」

「じゃあ最後に一言。グッと来たのはどこ?」

「本気でラーメン作ってるブイモン!」

「猫ラーメンならぬブイモンラーメンか」

「そういえばテイルモンだけ立場が特殊というのもさりげなく描いてあるねえ。いろいろな意味で、これはデジモン02の映画だ」

オマケ §

「あと、全世界の選ばれし子供達がパソコンで事件を見ているという描写は、僕らのウォーゲーム的なんだな。あれも、ボレロで始まる」

「なるほど」

「細田デジモン映画に勝つ! という意気込みを感じる。ちなみに、見ている子供達は、テレビシリーズで共闘したことがある全世界の選ばれし子供達じゃないかと思う。たぶん」

「なるほど」

「そういえば、僕らのウォーゲームだと幼い京らしい少女がパソコンで事件を見ているんだよね。それを考えれば、この映画はそれに対する返歌であると言える」

デジモン論 §

「結局、デジモンアドベンチャーと02は同じ事件を共有し、同じキャラクターがいるにもかかわらず別作品なんだ」

「ふむふむ」

「だから、02は続編を意味する2ではなく、02は02なんだ」

「なるほど」

「だから02の映画を改めて作るとすれば、それはデジモンtri的な世界観とは関係なく、もっと別の作品になるのが妥当なのだろうと思う」

「そういう意味でこの映画はこれで良かったわけだね」

「そう。第1作の選ばれし子供達もほぼ出てこないし、少ない登場人物と整理された物語でとても見やすい。取りあえず全キャラの出番を作るために、話が散らかってしまったディアボロモン的な問題はない。テーマは絞り込まれて明瞭だ」

オマケ・2023/10/29追記 §

映画館を出ると目の前に巨大なデジタマが! (勘違い)

デジタマ

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