「また見てきた」
「おかしい。オーディオドラマは第3週までしかなかったはずだ。なぜ第4週に行ったんだ」
「特典が存在しないはずの第4週の雰囲気を見に行ったわけだ。府中は明日で上映終了らしいからな」
「それだけ?」
「まさに、ほけーっとただ見るために行った」
「特典は無かった?」
「全く何もない。ウーバーモドキのmenuの割り引きチラシしかもらえなかった」
「劇場の雰囲気はどうだった?」
「割と小さいスクリーン4だった。予約の時点では自分より前に二人ほどいる感じだったが、実際はいなかったな。エンディングが始まったら出て行った人が一人いて、明るくなってから見ると後ろに二人いたから、自分を入れて合計4人だろう、上映終了間際の平日早朝の映画でこの人数なら悪くない数字だ」
「では実際の映画の感想はどうだった?」
「うん。良かったぞ」
「同じものを4回も見て良かった?」
「良かったぞ」
「どこが良かった?」
「実は発見があった。最初に出てくる文字なんだが、ここでは複数の世界が存在することが示唆されている。そしてそれを肯定的に受け入れるとしている。つまり、デジタルワールドでも現実世界でもない他の世界が存在するのだ」
「もともとテレビシリーズの段階からそういう世界観だよね」
「うん。それが再確認されているとも言える。ではなぜ再確認が必要だったのか」
「なぜ?」
「別の世界を含めて考えないとTHE BEGINNINGの映画は解釈できないってことだろう」
「ウッコモンがつながっている多いなる者は、デジタルワールドにも現実世界にもいないってことだね」
「だから、そもそもデジタルワールドも【作られた世界】ではないかという気がする。ルイの母がハンバーグを作っている間にルイが見ていたアニメを元にルイの意識を反映して作られた世界だ。ウッコモンは、そこから来たという設定で産み出された存在かもしれない」
「でもさ、その前に太一とヒカリが光が丘でコロモンに遭遇しているじゃないか(劇場版)」
「コロモンとパロットモンが本当にデジタルワールドから来たのか分からない」
「えー」
「とすれば、デジモンはデジタルワールドの生き物ではない。デジタルワールドと関係なく存在するものだ。とすれば、デジバイスが消えても人間とデジモンの関係は消えないというのも分かる。デジバイスはデジタルワールドを介して人間とデジモンを結びつけるものかもしれないが、そもそもそれは必須ではなかったのだ」
「じゃあ、人間とデジモンはこの物語世界ではどこに行くのだ?」
「全ての人間がパートナー・デジモンを持つ時代が最終的には来るのだよ。それはTVシリーズのラストで約束されている」
「つまりなんだ?」
「第3の世界を踏まえた大事件が起きて、それを契機に人間とデジモンは関係を深くしていくのだろう。それなくして、全ての人間がパートナー・デジモンを持つ時代など来ないだろう」
「第3の世界とはどこの世界? ダゴモンの海の世界?」
「さあ。それは分からない。きっとこの世界には無数の世界が存在する」
「その時のルイとウッコモンの役割は?」
「7人目の仲間になるのではなく、敵か味方か分からない謎の人になっていくような気もする」
「素直に仲間になったデジモンカイザー的な立場にはならないってことだね」
「ワームモン的な素直さはウッコモンにはないからな」
オマケ §
「最初にルート2が提示されるのは「これから割り切れない話をやるよ」という宣言かもしれない」
「えー」
オマケ2 §
「デジタマ」
オマケ3 §
「エンディングが始まったら出て行った人が一人いて、心の中で思わず【やめるんだ、ウッコモン】と言ってしまったよ」
「あのシーンが見られないわけだね」