古い新宿西口の写真を見ると地上駅時代の京王帝都新宿駅に野猿峠などの観光地の名前を掲げたネオンがしばしば映っています。
このネオンの正確な設置時期が【京帝たより100号記念縮刷版】で判明しました。
昭和29年2月1日(第7号)に記事が存在します。
ここから分かることは以下の通りです。
- 完工は(昭和29年)1月19日である (地上駅が取り壊される時まであったと思われるので、おおむね10年程度しか存在していない)
- 工費百余万円
- 縦18尺、横15尺
- 最高部は地上11.75メートル (なぜかタテヨコは尺なのに高さはメートル)
- 約4トン
- 1日の電力料金は約千円
- 文字は【京王線+新宿駅 桜ヶ丘・野猿峠・高尾山】である
ちなみに、この表記から、この時点での京王帝都にとっての観光地の優先順位が分かります。桜ヶ丘>野猿峠>高尾山です。桜ヶ丘は聖蹟桜ヶ丘で聖蹟はまだ重要な場所だったのでしょう。距離も遠くありません。野猿峠は京王が開発したハイキングコースのある場所です。高尾山は、この時点ではまだ優先順位が低かったと思われます。なぜなら、まだ高尾線は開通しておらず、高尾山の開発も京王主導というわけではないからです。ただ、宗教的人気スポットなので、ベスト3に入るぐらいの存在感はあったのでしょう。