今回のLAST EXILE。
びっくりするほど良くできていて、しかも面白いです。
これは本当に奇跡的ですね。第1話だけ凄いとか、最初の数話だけ、というパターンはよくありますが。まったくレベルダウン無く、しかも違う面白さを見せてくれるとは。これは、ある種の1つの奇跡かもしれません。
それはさておき、個々のシーンを見ていくと。
顔を横にしてドアの外を見るビジュアルの新鮮さ。ドキドキな感じ。
一人で歩く女の子。荷物を持っている兵士とすれ違っても気付かれない。チクチクするようなスリリングさ。
ノリも面白い整備員達。見つかっていきなり悲鳴を上げる女の子。この悲鳴がとても良いですね。
カップに入った水とパンが食事として出される、というのが何とも言えない印象深さがあります。そして、カップの水に反射した光が顔に掛かる演出がハッとさせられる魅力がありますね。
そして、艦長と1対1で対面した主人公に、「この空でおまえは何をしたい」という艦長の言葉。この言葉はゾクッと来ますね。
戦闘シーンに入ると、砲を撃った後の反動や、銃撃の曳光弾の動きの良さが目立ちます。こんなに良い空戦シーンは、アニメではほとんど見られないかもしれません。洋画などでは見ることがあるような気がしますが。
被弾した機体がエレベータで下りてきて、消火するというシーン。パイロット以外の者達、整備員の活躍もしっかりと描いているところが、本当に突き抜けて良いところです。こういう人間くさいところが、とても魅力的です。これは、洋画でもそうそう見られないかもしれません。この作品は、突き抜けてます。
艦内に侵入した謎のメカを相手に、整備員が持ち出した馬鹿でかい銃。それで撃っても撃ち抜けないが、装甲が歪んでいる描写がいい! これは重大なことですよ。傷もつかないアニメはつまらないです。そりゃまあ、予算の都合もあるでしょうが、それではつまらないのです。
自分が予備の機体で出撃する、と言い出す主人公。これは泣けます。最高です。男の子です。この危機的状況で、女の子を守るために、あえて敵としてみていた軍人達から機体を借りて出撃するという、男の子ならではの燃える展開ですね。お行儀良く収まっていない、こういう枠をはみ出してしまう行動はとても魅力的です。
必ず戻るためにもこっちの話をしっかり聞け、と主人公に言う整備員。整備員の丁寧な説明がとても良いですね。素人を相手に、しっかりと説明をしているところが良いです。しかも、その説明の内容が、弾倉を変えたら初段装填とか、照準装置に敵がはみ出すぐらいに接近してから撃てとか、現実のリアリティを非常によく取り入れていて、現実の延長線上にあるものとして深く入り込んで見ることができます。まあ、ガンダムしか見てないで兵器や戦闘を語ろうという、おそらくは非常に多いであろう人達から見れば、このリアリティは理解不可能かもしれませんが。この作品のリアリティは、特定の作品ではなく、現実をベースにした説得力を備えているという意味で、ガンダムが知られていない世界に持っていっても通用する強さがあるでしょう。それは、未知への可能性を意味すると思います。
最後は、エレベーターの穴を真っ逆様に急降下しながら敵メカを突き落として飛び立つ主人公。こんな、ガッと来るような激しいシーンを描いてくれるというのが、嬉しいですね。これだけ高品質な作品でありながら、お行儀良く綺麗にまとまっておらず、そこをはみ出して飛び出していく気持ちが嬉しいではありませんか。これは凄いことですよ。
と～のは、時として思いっきり叫んでみたりもする主人公の相棒の女の子を応援しています。
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