今回のLAST EXILE。
最初の方の、あの、非常に良くできたメカと戦闘の雰囲気が戻ってきましたね。もちろん、これはただ単に3DCGが良くできていると言うだけのことではありません。総合力としての演出力の高さが見られることが重要です。よくもまあ、これだけ良い雰囲気を出せますね。しかし、ドラマ的にそのことを素直に喜べない状況であることも確かですね。激しい戦いと破滅への恐れ。どうして平和になることができないのか、という気持ちが同時にドラマの中に色濃く流れているからこそ、これは良い話であると言えますね。
それから、これまで出てきた様々ないろいろなものが、もう一度意味を持って出てくる感じがしますね。これはとても良心的だし、凝っているし、ゾクゾクしますね。
それはさておき。
個別の内容を見ると。
崩壊する城。シルヴァーナからワイヤー切断のため砲撃。
アルが後席でゲージを見ながらクラウスの操縦で離陸するヴァンシップ。
「天が落ちてくるぞ」
巨大な固まりが落下してくる描写の凄さ。動きの遅さにより長々と見せつけることで生まれるスケール感の大きさ。溢れる煙。粉々に吹っ飛ぶ岩。
その状況下での、クラウスの不時着。
目覚めると病院。
別室で寝ているディーオ。
アルが出会う女の子は第1話でクラウスに手紙を託した女の子のようですね。貴族の娘が、看護婦として働いているのが、ちょっと痛々しいですね。
ですが、女の子の父上は軍隊を率いて戦いに向かいます。
「通信ワイヤーが無くても通信できる、時代が変わるな」という台詞は、このあとの通信の伏線にもなっていますね。
至近距離で、空中艦を見て飛ぶ映像の良さ。カメラワークが特に良いです。
壊れた家に戻るクラウス。そこに鳥が飛んでくるところが良いですね。
ギルド機に壊されたままの家。ちゃんと、壊されたときの時間の続きがここにあるわけですね。
樽に水を入れているクラウス。生きるために最低必要なものを用意している?
病院のベッドにいないディーオ。病院から出るときに、ディーオを置いていってしまったクラウスが悪いですね。
指揮官の演説を聞きながら、鼻くそほじりする男と殴る女。このさりげない描写が人間くさくて、凄く良いですね。
クラウスの家。食べ物はダメ。でも薫製の肉だけはいつも隠し持っているラヴィ。というわけで、薫製の肉を発見。
出撃。異様に凝りまくったライティングとカメラワークの勝利。ライティングとカメラワークは、アニメ界で使われる3DCGの弱点でもあるわけで、これぐらいやれるんだという、ある種の挑発?
夕暮れの戦闘開始。この夕暮れの光線の感じの良さ。
地上から戦闘を見上げるクラウスとアル。戦いを見る視線が多角的ですね。
突入中のヴァンシップに対空砲火。後方で被弾す僚機。第1陣が穴を開け、そこから敵艦内部に飛び込むヴァンシップ隊。外からの攻撃は急降下爆撃のイメージ。内部の攻撃は雷撃のイメージでしょうか。
これは、ある意味でスターウォーズの呪縛を乗り越えた描写と言えるかもしれませんね。最初のスターウォーズの映画(エピソード4)のクライマックスで、溝の中を飛んで小さな穴に攻撃を当てる描写が、ある種のトラウマ的に多くの映像作品に取り入れられている感じがします。しかし、こうやって自ら中に飛び込んで破壊してしまうのは、それを乗り越えた映像的説得力と言えるかもしれません。別の言い方をすれば、マクロスのダイダロスアタックの呪縛を乗り越えていると言えるかもしれませんね。
アルの通信機で、やっとラヴィの声が。ここに来て、伏線が生きますね。
「竜の牙に向かえる?」というソフィア。何かを決意して、何かをやろうとしているようですね。
そして、切れた通信。ソフィアの名を繰り返すクラウスの声の演技が素晴らしいですね。
と~のは、この期に及んで態度も変えな見事な悪役のデルフィーネを応援しています。
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おまけコーナー・デルフィーねえさん
「ねえ、わたしのことをデルフィーねえさん、なんていう人達がいるのを知っているかしら、ルシオラ」
「いえ。存じ上げません」
「困ってしまうわよね。これじゃ名前がデルフィー。まるでアルフィーの親戚みたいだわ」
「アルフィーなら格好良いのでよろしいかと」
「どうせなら、アルフィンと呼んで欲しいところね」
「さすが何でも壊すのがお上手なデルフィーネさま。クラッシャー・ジョウの仲間に入りたいとおっしゃるわけですね?」
「ところでルシオラ、どうして死んだはずのおまえがここにいるの?」
「デルフィーネ様の命令は絶対です。来いと言われれば死者ですらよみがえります」
「ルシオラを呼んだ覚えはないのだけど……」
「しかし、確かに……」
「思い出したわ。わたしが呼んだのは……」
「だれですか?」
「ルシオラではなく、うしおととら」
「んなわけあるかい」
おわり
ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。