謎のアニメ感想家(笑)、トーノZEROです。
今日のRODの感想。
いきなりの出版社のパーティー。
プロはコンスタントに書くべきだというお説教。
全くその通り。それはその通りであり、ねねね先生にはとても痛いお説教と言えます。
とはいえ、それは作家とはなんぞやという根元的な問題に足を踏み込む言葉でもあります。たとえコンディションが悪くても一定水準の作品を書けることがプロの条件であるというのは一面では真理であるものの、真に優れた作品がそのような条件を満たす者からのみ生まれてくるかと言えば、そういうわけでもありません。コンスタントに書くことが出来て、ビジネス的に使える小説家の全作品が、たった1作しか書けずにリタイアした作家のその1作に負けることもあるでしょう。そういう意味での感情の対立が、ほんの少しばかり混ざっていたかもしれません。
とはいえ、それよりも、この厳しい世界だというのに、書かない者がのうのうと目の前に出てきたことに感情が爆発した、という面の方が強い感じもありますが。しかも、自分が目を掛けた者が、ですから。
そこに、ねねねを庇うように割って入るリー。
僕らがそれをあざけってはいけないのではないでしょうか、というリー。本を作る仲間として。
担当編集者としては、当然あるべき行動ですね。しかし、出版社の1社員としては不適当な行動と言えます。そして、同僚に連れ出されてしまいますね。
アニタから、格好良かったよ、と言われて、ありがとう、と答えるリーの口調が素晴らしいですね。いつもの、外向きの口調とは違います。
世界に向き合う方法がこれしかないと知っている、というねねね。作家をやるしかないわけですね。それは幸せなことでもあり、苦しいことでもあります。極めてハイリスクで、ギャンブルじみた生き方ではありますが。
リーへの凝ったプレゼントを渡すねねね。こういう凝り方をサラッとやってのけるところが、さすがですね。
手間の掛かったもう1つのパーティー。
開いていく紙の花。これは素敵なビジュアルですね。
三姉妹が集まった出来事の回想。なかなか泣かせる良い話ですね。
立ち上がったマギーちゃんの背の高さに気付くミシェールの描写。見事ですね。
神様なんて役立たずだ、というアニタの言葉の痛々しさ。
アニタに同じ本をプレゼントしようとするミシェールとマギー。
「いいお話じゃお腹は膨らまないよ」と抗議するアニタ。
「それは私が何とかするわ」と答えるミシェール。
「いいお話じゃ身体は温まらないよ」と抗議するアニタ。
「それは私が何とかしよう」と答えるマギー。
こんな心温まる素敵な台詞を聞かせてくれたアニメが、どれほどあるというのか。アニメ史上に残すべき、名台詞だと思います。
そして、アニタのストレートな泣き方の演技が凄いですね。
最後に、話を聞き終えたねねねのリアクションの人間臭さがとても良いですね。
今回の一言 §
ねねねに対する気持ちを告白するリーの口調。これが、実に素晴らしいですね。
それから、今回は特に良かったと思います。これがまさにこの作品に期待するものです。