謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の鉄人28号の感想。
サブタイトル §
第1話 「蘇る正太郎」
あらすじ §
戦時中、金田博士は何か生まれてはならないものを破壊するために自らの命を犠牲にします。
その意志を受け取った敷島博士は日本に復員します。そこには、金田博士の遺児、正太郎がいました。
そして、戦後の復興。
敷島博士は、行動経済成長を支えることになる敷島重工という会社を作り、そこでロボットの開発を行います。
しかし、正太郎と書かれた巨大な砲弾が東京に飛んできます。
泥棒の村雨達を追っていた正太郎は、東京タワーの建設現場にいました。泥棒は兵器嫌いで、盗んだミサイルの設計図を燃やしてしまいました。そして、正太郎に、彼の父は生きていれば戦犯だと告げます。
その場所に、砲弾は落下しました。
泥棒達は砲弾の下に閉じこめられてしまいました。脱出しようと砲弾の中に入り込むと、そこには巨大なロボットが。ロボットは動きだし、砲弾から出てきます。
それは、この世に必要ないはずの、もう一人の正太郎だと敷島博士は言います。そして、これが後に鉄人28号と呼ばれることになるロボットでした。
感想 §
べらぼうに、ぶったまげました。
こんな凄いものが見られるとは全くの予想外でした。すっかり油断していました。監督が今川泰宏さんだと分かっていれば油断しなかったかもしれません。しかし、あまりに時代錯誤な絵柄の宣伝を見たら、やはり勘違いした年寄りを騙して作られたつまらないアニメではないかと疑ってしまうのも仕方のないことでしょう。
鉄人28号のアニメは、おそらく過去3回作られていて、これが4回目になると思います。最初のモノクロ版、カラー版「太陽の使者・鉄人28号」、そして金田正太郎の息子が主人公となる「超電動ロボ・鉄人28号FX」。最初のものは別格としても、他の2作はちょっとイマイチ盛り上がりきれなかった感があります。ある意味で、その時代風にアレンジしたことで、どこかチグハグなところが出来ていたのかもしれません。しかし、今回の4作目は、時代に合わせることを完全に放棄した内容、つまり過去の物語であると徹底しているところが特徴だと思います。その結果として、時代背景に対する歴史的な知識がないと理解できない難度の高い作品になったような感じがあります。いきなり何の説明もなく「爆弾」と言われても普通は困りますね。それが、さらっと「ああ密造酒のことだ」と分からないと、どっぷり作品の中に入っていけないかもしれません。つまり、それは見る者への「こころざし」の高さを要求することであるかもしれませんね。「萌え~」としか叫べないオタクなど眼中にも入れてもらえていないということでしょう。
そして、主題歌は同じだし、キャラも昔風なのに、これほど感じる迫力と存在感はいったい何であるのか。凄い演出力ですね。
今回の一言 §
砲弾を迎撃するために飛び立つ米軍のセイバー。自衛隊ではなく米軍です。
近づきすぎて攻撃できないという米軍に、戦時中はあれだけ爆弾を落としたのに、と毒づく男。このあたりの展開、感覚は、まさに今と違うその時代の感覚なのでしょうね。これは、ゾクゾクしますね。