謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の鉄人28号の感想。
サブタイトル §
第2話 「28号対27号」
表記について §
鉄人28号を示す名前として「もう一人の正太郎」という言葉は実に魅惑的な余韻があって良いのですが、記述する上で煩雑になるので、鉄人28号は、鉄人(あるいは文脈によっては28号)と表記して書いていきます。
あらすじ §
動き出し、月に吠える鉄人。
ヘリで鉄人を追う正太郎達。
鉄人に殺されたタツを見て逆上した村雨健次はヘリに飛びつきます。
鉄人は、まっすぐ敷島重工に向かって、街を破壊し、国会議事堂を破壊しながら進みます。
鉄人が目標としているものは、敷島重工に置かれた鉄人の片腕。その拳の中に納められた操縦機だと分かります。しかし、大人が拳の中に手を伸ばしても届きません。正太郎は、操縦機を取ることを頼まれますが、自分と同じ名前を持つ鉄人のことを聞く権利があると主張します。
敷島博士は、二人の正太郎が生まれた経緯を語ります。
戦時中、金田博士の奥さんが懐妊しました。金田博士はこれが希望だと喜びますが、南の島で鉄人を開発することを命じられます。鉄人は、アメリカ本土に撃ち込まれ敵を破壊する無人の決戦兵器でした。しかし開発は上手く行きません。そんなとき、空襲で金田博士の奥さんが子供と共に死んだという情報を受け取ります。金田博士は、鉄人の28号を、子供に付けるはずだった正太郎と名づけて開発します。まるで自分の子供を育てるように。
しかし、28号に出撃命令が出ると、金田博士は命令を伝達した将校を射殺して拒絶します。そして、自らの命を使って28号を封印します。終戦後、敷島博士は正太郎が無事に生まれていたことを知ります。
というように、敷島博士が話をしているうちに28号は敷島重工に到着してしまいます。そして、28号は腕を手に入れます。
敷島博士は27号で28号に挑みます。しかし、圧倒的な28号の力の前に、27号は破壊されてしまいます。
戦いの中、28号が落とした腕に向かって走る正太郎。
そこに、冗談じゃねえ、と出てくる村雨健次。無謀にも鉄人にダイナマイトを投げつけますが、効きません。
そんな村雨健二を助けに来る兄、村雨竜作。彼は、弟を助けるために、オート三輪で鉄人に体当たりします。
竜作は、特攻崩れの汚名を返上、と言い残して死にます。
それを見て、鉄人に向かって、もういいんだ、と語りかける正太郎。既に28号の力を必要とする時代は終わったのだと言います。
そして、僕が止めてやる、と操縦機に触れる正太郎。すると、鉄人は停止しました。
感想 §
兵力不足で考えられた鉄人計画。これの描写が実に興味深いですね。砲弾に格納された無人兵器の鉄人が、アメリカ西海岸(とは断言していないが、そうとしか見えない)に次々撃ち込まれ、大暴れ。無人兵器による米本土直接攻撃というのは、いかにも敗色濃厚な日本軍が考えそうな発想です (実際、風船爆弾はその条件に合致する実在の兵器)。その点で、リアリティが感じられます。いや、現実的には嘘であって、あんなものは開発できるはずもないし、もし開発できるとしても軍人から歓迎されないでしょう。それでも、一片のリアリティを感じさせる描き方はさすがです。
それから、オート三輪が大活躍するのも、なかなか味があって良いですね。もっとも、オート三輪というのは、強力なエンジンを積んでいるとも思えないし、さほど重い車体とも思えないので、体当たりして鉄人の動きを止められるか分かりません。しかし、それは些細な問題と言えますね。村雨兄弟の兵器や戦争に関する感情を描く手段として、オート三輪による体当たりは、かくあるべくしてそこにあるシーンと言えますね。
今回の一言 §
操縦機のデザインは、確かにあの時代のものではありませんか!
こんなにも真剣に作られたドラマであるにも関わらず、あのデザインで納得させてしまう演出力は凄いと思います。