謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日の鉄人28号の感想。
サブタイトル §
第19話 「ニコポンスキーとの対決」
あらすじ §
オックスを操るニコポンスキーに襲撃された正太郎は、鉄人を呼びますが、鉄人は鎖で拘束されて来ません。正太郎は、咄嗟に父が残した小型ロボットを使って対抗します。小型ロボットはニコポンスキーの拳銃で破壊されましたが、中に地図が入っていました。
ピンチの正太郎を村雨のナイフが救いますが、地図の半分はニコポンスキーに奪われました。
ワイヤーレコーダーは壊れてしまいます。
正太郎は倒れ、村雨の部屋で看病されます。
警察からも追われることになった正太郎は、村雨とまだら岩の在処を探します。行商人などに聞いて廻ります。
大塚と高見沢も彼らに合流します。
大塚は地図の半分を見るなり、顔色を変えます。
それは、地図ではなく海図。まだら岩とは、首都防衛のために建設されながら関東大震災で崩壊、破棄された東京湾の要塞のことでした。
そこに向かおうと船を準備する村雨達。しかし、それを警察が取り囲みます。
大塚は地図を食べて、手を引けという官房長官の要求に抵抗します。
結局、クロロホルムとビッグファイヤーも一緒に行く、という条件で正太郎達は出発できることになります。正太郎の、鉄人を動かせるようにしてくれという条件も、ビッグファイヤーが飲みます。
まだら岩に近づくと、謎のロボットが待ち伏せていました。
一同は海に投げ出されます。
正太郎は海底にバギュームを見ます。
まだら岩に上がった正太郎は、ニコポンスキーに銃を突きつけられます。
感想 §
どんぶりに即席麺を入れてお湯を掛ける描写がなかなか時代性を感じさせますね。
初のインスタントラーメン「日清チキンラーメン」が1958年のようですから、時代的にはバッチリとマッチしますね。しかし、カップ麺となるカップヌードルの時代ははるかに後の時代になります。
そして、どんぶりで食う正太郎と、鍋で食う村雨。二人で即席麺を食べるシーンは妙に情感がありますね。
そして、鉄人をどう使っていくか見届けないから正太郎に付きまとう、という村雨。そういう村雨に対して、もはや頼るしかない正太郎。
そう。正太郎が少年探偵として大きな態度を取っていられたのも大塚の後ろ盾があればこそ。それを失った正太郎は、実にちっぽけな存在です。そのことを、嫌と言うほど、意識させられますね。かつては、村雨に偉そうなことを言った正太郎も、今は村雨に頼るしかありません。なんだかんだと言っても村雨は自力で生きている大人であって、正太郎は子供に過ぎません。子供は、子供であると言うだけで、自力ではできないこと、自力では理解できないことが山ほどあります。それが子供という存在が構造的に抱える限界です。そのような限界を描くか否かは、ヒーロー性のある子供を活躍させるドラマにおける重要な分岐点になると思います。そして、「この」鉄人28号の世界において、正太郎は常にヒーローでありながら、大人達の心情に到達することはできない存在として描かれてきました。つまり、正太郎は子供としての限界を持たないヒーローであるかのように行動していながら、常に子供としての限界を見せていたのです。今や、その限界は正太郎自身に痛烈なほどに自覚され、視聴者の目にも明らかにされています。このようなドラマが見られたことで、本当に「この」鉄人28号を見ていて良かったと思います。なぜなら、限界を自覚する子供は、それをはね除けるプロセスを通じて成長して大人に近づくからです。それは、とても前向きな成長のドラマとなります。
特に、娼婦(?)に騙されかけ、大金を見せびらかして注目を浴びてしまう馬鹿少年としての正太郎の描写は素晴らしいですね。
今回の一言 §
第三海堡とは何とマニアックな! こういう話題を取り込んだドラマ作りは好きです!