あえて言おう。(このあえてが通じないと言われる時代にあえて)
TVチューナー付きモニタとは良いものであると。
狭苦しい東京になど住んでいて、TVとパソコン用モニタを別々に設置する余裕などあるわけがありません。
1台で2役をこなせるTVチューナー付きモニタこそは必須アイテム。
過去に、私は、3台のそれを使ってきました。
最初はNECのPC-TV351。ちょっと画質が甘い他はとても良かったと思います。
次は、SONY CPD-17MS。あまりのトラブルの多さに愕然とする酷い代物でしたが、それでも動いている間は悪くなかったと思います。アップスキャンされて表示される画像には魅力もありました。
3番目が、SONY HMD-H200/V。まあまあ稼働して、5年以上生き延びてくれたので、上等と言って良いでしょう。しかし、さすがに5年も使うと、あちこちガタが来て、長時間電源を入れていると画面が崩れて見られなくなる現象が発生。引退を決意しました。修理して継続使用したいという内容でもないし……。
今回のSHARP Crisia BL-M17W1で、4代目となります。そして、これが初の液晶モデルと言うことになります。
選択の決め手 §
本当は現物を見ないで決めるのは怖かったのですが、やむを得ず決断しました。
決め手は、スタパ齋藤さんのレビュー記事でした。実は、根拠はないのですが、スタパ齋藤さんというのは非常に誠実なレビュー記事を書く人である、と考えています。熱く激しく褒めまくる文面は、一見すると単なる一方的なヨイショのようにも見えますが、本当に重要なポイントは外さない誠実さのある文章ではないかと思います。単純に、その誠実さを読み取る読者のスキルの方が試されているのだと。
たとえば、以下の2つの表現などは、非常に誠実度の高い表現だと思います。
- パソコンメインで使うなら"◎"!!
- 映像鑑賞用液晶モニターとしてもグー!!
つまりは、パソコンモニタ用としては極上。TVなどに使うには実用十分(つまりはパソコン用と比較すれば落ちるがダメというわけではない)という評価だと読み取って良いと思います。それは実際に使い始めた後の感想と合致します。
設置! §
箱から出して設置してみると、小さい、軽い、扱いやすいという気持ちよさがありますね。デザインもシンプルで良いと思います。
それに、アナログビデオ系の入力系統が2つあるのも良いですね。従来は全てセレクタ経由で見ていましたが、今回は1つだけセレクタ経由ではない接続が可能になります。とりあえず、PS2をダイレクトにつないでみました。
コネクタの配置もPC系と、ビデオ系が左右に分かれるところが扱いやすいと思いました。
電源オン! そして愕然…… §
最低限、TVが写るだけの配線を行って電源をオン。
しかし、いきなり愕然。
なんという、シオシオな画質!
まさか、こんな画質でこれから数年を過ごせと!?
PS2を接続して、トーノZEROさんが大好きなACE COMBAT 5を走らせてみても、夕暮れのミッションでは暗くて何が何やら地上が分かりません。これでどうしろと!?
パソコンを接続してみると、これは愕然とするほど美しいではありませんか。アナログ接続で何の調整もしていないのに、いきなり衝撃的なほどの美しさ。
パソコン画面でそこまでの画質は必要ないけれど、TVの画質はもっと欲しかった……。
そう思って打ちひしがれたのでしたが……。
これが勝利の鍵だ! 黒レベル調整 §
とりあえず、明るさとコントラストを調整してみましたが、暗い部分が黒く潰れてしまう現象はどうにもならず。
打ちひしがれているうちに、黒レベルという調整項目をいじってみました。
すると、どうでしょう。
黒レベルをアップすると、暗い部分に明るさが乗って、暗い部分が潰れなくなりました。
実際、この状況で見ていると、さほど悪い画質には思えません。というか、これなら毎日見ても大丈夫……。
画質設定の初期値が私の要求とあまりにかけ離れていただけ……のようです。
この音の素晴らしさ §
そうやって使い始めてみると、音の良さが際だちます。
これまでのモニタでは聞こえなかった音がいろいろ聞こえます。
それに加えて、音の広がりの大きさが桁違いです。
本当に立体的に音が聞こえてきます。
気楽なBGMを流す程度なら、このスピーカで良いかも、と思えてきました。
というか、いままさにそれを流しながら聞いています。
残された懸念事項 §
これでかなり良好な水準で使って行けそうだ、という感触を得ました。
しかし、完璧とも言えません。
特に、激しい動きのあるゲーム画面では、反応速度が十分ではありません。残像が残る感じがします。
また、アナログビデオを表示した場合、少し滲んだ感じになってシャープさが欠けます。ゲームの文字を読み取れないケースもあります。
このあたりは、やはり液晶によって起こる問題でしょうか。CRTに見劣りする部分はまだまだあるような気がします。
結論: でも割とお気に入り §
問題は残るものの全般的には割と気に入った気がします。
しばらく、こいつを可愛がりながら付き合っていこうと思います。