モデルグラフィックス 2007年 07月号の宇宙戦艦ヤマト、ガミラスの「三段空母」の作例は、久々に感動したヤマト模型でした。
この作品が優れているのは、以下の点です。
- ヤマトを知らない人が見ても「宇宙空母だ」と分かる説得力と表現力
- リアルな宇宙空母よりも、直感的な分かりやすさ優先
- それがどの程度巨大な存在であるかが直感で分かるスケール感表現 (搭載機のコクピットの大きさあたりから、人間の大きさが容易に推測でき、そこから全体の大きさが推測できる)
- 現用兵器の装備品が取り付けられている
ここでは、最後の項目について一言だけ述べます。
「それは正しいやり方である」と。
昔話 §
昔、宇宙艦のガレージキットの原型を作っていたとき、モデラの切削サイズの都合から1/2400と縮尺を決めました。しかし、1/700の豊富にある艦船用パーツを使ってみたかったので、最小サイズとなるリノ級宇宙駆逐艦だけは、1/700のウォーターラインモデルを作りました。
で、このモデルの改造作例を作る際に、浦島効果で現在に漂着した後にあり得る展開として、海上自衛隊が使っている装備品を試験的に装備した状態……という設定をつくりました。そして、ピットロードの装備品パーツを取り付けて作り上げました。
実験艦らしい色合いとして、黄色に塗ってみたことだけがちょっと後悔としてありますが、全体としては非常に「ムード」が出たと感じます。隣に護衛艦の模型も並べて盛り上げたしね。
つまりそれと同じ §
この作例でやっていることは本質的にそれと同じですね。
なぜかといえば、それがもたらす効能は「分かりやすさ」「それっぽさの強調」であるからです。設定上の整合性の問題ではありません。
この作例の作者がワンフェスで上記作例を見たという可能性もありますが、そうではないとしても、それなりのセンスのあるモデラーなら十分に同じ結論に達し得るでしょう。
感想 §
私の気持ちとしては、「うんうん、そうだよね」「感覚を共有できる人が世の中にいると知って嬉しい」というものです。現状、模型造りからは遙かに遠く離れてしまったので、作ってくれる人がいるのは嬉しい限りです。