今日は、神奈川近代文学館の佐藤さとる コロボックル物語展 だれも知らない小さな国に行ってきました。
珍しく、東京都内を離れて、横浜です。
ちなみに、なぜわざわざ横浜まで行ったのかといえば、子供の頃に特に好きだった小説シリーズがドリトル先生とコロボックル シリーズであったため、どうしても見ておきたかったからです。
コロボックル シリーズを最初に読んだのは「星から落ちた小さな人」で小学生時代のことだと思います。主人公がラジオを作るような工作少年だったことが他人に思えなかったような印象が残ります。しかし、真の衝撃は実は大人になってから読み返した「誰も知らない小さな国」にあります。シリーズ第1作のこの作品は、完全に大人の視点で書かれた大人のための作品だと感じました。そして、これがまた実に素晴らしい大人のためのファンタジーなのです。
そういう意味で、コロボックル シリーズは特に印象深い作品だったのです。
理系の視点のある作品 §
このシリーズの特徴は、おそらく理系的な的確な視点が貫かれていることでしょう。
特に電気関係の描写の的確さは、単なる「それっぽい文学的描写」の域を超えていて、説得力があります。
しかし、今回このコロボックル物語展を見て、それに止まらないことも分かりました。実は、村上勉の描く独特のコロボックルのキャラクターも、理系的な合理主義によって作られたデザインであることが分かりました。大きな目と力強い足は、作中のコロボックルの設定から必然的に作り出されたデザインだったのですね。
「おばあさんの飛行機」に見る理系的な視点 §
しかし、より大きな驚きは、別のところにありました。
「おばあさんの飛行機」も、佐藤さとる&村上勉という同じコンビの作品だったのです。原画が展示してありましたが、それを辿って読んでいくと、これも凄い作品であることが分かりました。
蝶の模様を模倣するうちに、空中に浮かび上がる編み方が得られる……という部分だけは明確なフィクションです。しかし、その後は理系的な合理的な描写が続きます。編み物の大きさが大きくなると、浮力がより大きくなり、とても扱いに困ります。逆に、着陸するときは編み物を解いていくのです。しかも最後には、着地しても自分が降りたらまた浮かんでしまうかもしれないと、最後まで解き切ります。これはもう、不思議な呪文で浮かび上がる「夢想」とは決定的に違う、定量的な現象解釈を含む理系の物語です。
実に素晴らしいですね。
購入物 §
ここでは、MOE 2004年4月号・特集「コロボックルがやってきた」を買ってきました。まだ読んでいませんが、ワクワクする表紙ですね。3年も前に出た本ですが、こういう本が出ているとは気付きませんでした。
港の見える丘公園 §
ちなみに、詳しい話は割愛しますが、港の見える丘公園も素晴らしい場所です。
何しろ、フランス領事館の建物跡が残っています。建物の一部だけが燃え残っていて、それがそのまま残っています。何と生々しい!
海もよく見えるし、居心地の良い公園です。
階段だけはきついですけど。
その他 §
前回横浜に来たときは、まだパスネットが現役でした。
つい最近だと思っていましたが、既にかなり前のことになったわけですね。
ちなみに、前回は中華街の場所が良く分かりませんでしたが、今回はきちんと立ち寄ってきました、昼飯を適当な店で取って、お土産に中華菓子を買い込んで帰りました。
それにしても、中華街は観光客価格で高いですね。ちょっと道を横に入ったセットメニューで安めの食事を食べてきました。