「オレがナンバーワンって、世界で一番ヤマトのことを愛しているという宣言?」
「いやいや。ナンバーワンって実は副長のことなんだ」
「副長ってナンバーツーじゃないの? 艦長の格下じゃないの?」
「そうだけど、なぜかナンバーワンと呼ばれるのだ」
「へぇ」
「でも、ただの副長じゃないぜ」
「どんな副長?」
「アルカディア号の副長だ」
「それ、戦わないで、いつもプラモを作ってる役立たず。穀潰し」
「しかも、爆弾投下するときだけ出てきて自分で落としちゃうの」
「そんなダメ野郎なの? そんなのになりたいの?」
「うん。でも今は違う」
「なぜ?」
「精密な模型作れるような腕はないし、何しろいざという時にアルカディア号を直せる腕もないし」
「じゃあどうするの?」
「ナンバーワンをやめる!」
「その後は?」
「ナンバーワンになる!」
「おいおい。それじゃ同じだよ」
「同じじゃないよ。ヤマトの副長をやるのだ!」
「大村さんになりたいの?」
「うん」
「なぜ副長? 特攻キャラじゃないか。まさか特攻賛美?」
「とんでもない。やはり特攻は良くないよ」
「でも特攻キャラだし。宇宙戦艦ヤマトをなめるなよ、と絶対勝てそうにない敵に突っ込んで勝利への突破口を開いてみたいじゃないか。他人の役に立ってみたいじゃないか、と言い出したら特攻キャラだし」
「ははは。特攻は明快に否定するさ。だいたい、それは割に合わないからね。いろいろな意味で」
「でも、特攻しちゃうのに、なぜ大村さん?」
「独身の中年男の居場所はそこしか無いからだ」
「わびしいねえ」
「うん。でも居場所があるだけマシさ」
「いっそどん底に落ちてみたら?」
「ヤマトのどん底。それは艦艇より下の第3艦橋。そして、今やそこは電算室で女の子がいっぱい。ハーレム状態で気分はウハウハ。第1艦橋から専用エレベータで椅子ごと下りてくるチーフの女の子も下から見放題」
「おいおい」
「ちなみに、アホな原稿もあるからこうして書いてるけど、まだまだ真面目な話も控えてるからね」
「誰に言ってるんだ」