「というわけで、ドリルミサイルの話を行きましょう」
「はいはい。ヤマトを追い込んだ切り札の兵器ですね」
「結局、内部から壊した方が速いってことで。冥王星の戦訓をガミラス側で活かしたような作戦ですな」
「しかも、ヤマトが反射衛星砲に撃たれまくる状況は、ドリルミサイル自身が発射口を塞ぐことで回避されているし。ドメル艦隊はほとんど撃たれないで済むし」
「ところが、ドリルミサイルそのものも、内部から破壊すれば速いってわけで逆に真田さんに入られてしまう」
「アナライザーが配線つないで逆回転だものね」
「後はもう真田さんを内部から破壊するしかないよ。ナノ細菌兵器を真田さんの体内に送り込むしかないわけだけど」
「手足が機械だから注射しようとしても針が折れちゃう」
「ははは。そういうオチかい。それでは皆さん、さようなら~」
「って、終わらせるな! 本題はこれからだ!」
ドリルは本当に基本なのか? §
「深夜の再放送のケロロ軍曹を見ていたら、ドリルのエピソードでどっかで見たようなドリルメカのシルエットのオンパレードというカットが。思わずポーズ!」
「勝利のポーズだ、ヤッターヤッターヤッターマン!」
「いや、そのポーズじゃないから」
「テープやヘッドの耐久性を気にせずポーズできるとはいい時代になったものですなあ」
「昔はヘッドがぐるぐるまってたものね」
「それはビデオの時代。もっと前のラジカセの時代は、ヘッドが降りたまま止まるのがポーズ」
「それでもテープが痛むって言われたものね」
「それはともかく、もしかしてドリルスペイザー?とか思ったりとかもしたし」
「グレンダイザー!」
「UFOに顔がある、ってのもいいのだけどさ。やはり燃えるのはダブルスペイザー登場でしょう」
「地球製のメカがアシストできるわけだからね」
「そうそう。グレンダイザーの活躍はそれほどでもないが、やはりダブルスペイザーはTFO以上に応援したくなるね」
「で、ドリルなんだけど」
「そうそう。ダブルスペイザー、マリンスペイザーに続いて地底用のドリルスペイザーも出てくる」
「そうそう。最終回にもう1つ出てくるけどね」
「しかし、ドリルメカ、今見ると奇異だけど、当時の状況としてはそれほど奇異ではない」
「というと?」
「飛行機、車、潜水艦、地底車両、宇宙船はどの作品も基本としてフォローしていたものだ」
「例えば?」
「ウルトラセブンなら、ウルトラホーク1号3号、、ポインター、ハイドランジャー、マグマライザー、ホーク2号ということだ。サンダーバードなら、1号2号、ペネロープ号、4号、ジェットモグラ、3号5号という感じだ」
「それで?」
「あるいは海底軍艦なら万能戦艦として車と宇宙船以外の機能は1隻にすべてある」
「海底軍艦自身が地底に潜っていく描写があるね」
「それも含めて地底用のメカはドリルが付いていることが定番」
「そうだね。ドリルは定番だ」
「でも、本当にドリルは基本だろうか? しばしば、ドリルは基本というオタクがいるが、本当に基本なのだろうか?」
「というと?」
「ドメル艦隊のドリルミサイルは、対ヤマト用にドメルがカスタムに作らせた兵器で、量産品ではない。当然、戦闘空母の標準装備でもない」
「えっ」
「しかも、ドリルミサイルは1回しか使用されない。後続の敵は一切使わない。デスラーがドメルの瞬間物質移送機をデスラー戦法と称した時ですら、ドリルミサイルはもう使っていない」
「デスラー戦法って言ったのは確か南部だと思うけどね」
「ともかくそういうことだ」
「ってことは?」
「ヤマトの世界でドリルは奇策であり、1回しか使われていない。つまり、基本ではないわけだ」
「そうか。瞬間物質移送機は奇襲の手段として優れているから継承されたけど」
「しかし、ドリルミサイルは継承されなかったわけだ」
「なぜ扱いが違うのだろう?」
「奇策と奇襲は似ているが違う、ということだろう」
「というと?」
「敵の不意を突くのが奇襲。これはタイミングさえ計れば何回でも成功できる。しかし奇策は1回やれば対策されてしまう」
「ヤマトのドリルミサイル対策って何だろう?」
「1回しか使われなかったので、対策があってもどういうものか分からない。というか、対策されて当然という感じで、ヤマトを高く評価していたデスラーは使わなかったのかもね」
「ああ、そうか。逆にドリルミサイルを使ってくれるとヤマトが思い込んでくれれば……」
「デスラー砲に向ける注意力が減るわけだ」
「デスラーとしては万々歳だね」
「まあ、ヤマトが小ワープという奇策で対抗して計画は失敗したけど」
「というわけで結論は?」
「ドリルは奇策。基本では無い。ヤマトファン的にはね」
オマケ §
「ところで、ゲッター2を論じてないけど?」
「うむ。やはりゲッター3が好きなので」
「どうして3?」
「人型のシルエットじゃないから」
「その趣味、分かりにくい!」
「いいのだ。人それぞれに趣味があってOKだ」
「で、問題はドリルだけど」
「徐々にメカは地底に潜らなくなり、ドリルメカも減ったわけだ」
「そういえば、マグマライザーに匹敵する地底メカって、それ以後あまり見かけない気も」
「設定があっても出番は減ってくるね」
「やはりドリルは奇策であって、サンダーバードでも1号2号のような番号付きメカではなく、2号のコンテナ搭載メカの1つでしかないものね」
「人気は高いけどね」
「やはり地底に潜ったら見えないのが良くないのだろう。テレビ的には」
「つまり、小説なら見える必要がないからバロウズのペルシダーはOKということね」
「そういう意味でもやはりドリルは基本とは言い難いのかも」