「病院ゴトキ場所、私ノ能力発揮デキナイ」
「あら残念ね。私は第1艦橋で仕事がないときは、ヤマトの艦内病院で勤務よ」
「エッ?」
「で、スカートは艦内病院で看護婦服のときだけ。第1艦橋はスカートではない艦内服で勤務よ」
「ソンナ……」
「というわけで、さようなら、スカートめくりのアナライザーさん」
「病院ゴトキ場所デコソ、私ノ能力発揮デキル!」
「トイウワケデ、艦内病院ニヤッテ来マシタ」
「わしが名医のサドじゃ。ん? アナライザー、顔が赤いぞ」
「赤イノハ生マレツキデス」
「ちょっと診察してやるからこっちに来い」
「イヤデス」
「病院では医者の命令は絶対じゃ!」
「仕方ガアリマセン」
「うーむ。ストレスじゃな」
「ロボットニストレスハ無イハズデス」
「いいや、ストレスじゃ」
「誤診ト思ワレマス」
「ストレスには酒じゃ。さあ飲め!」
「るんるん。もうアナライザーにスカートめくられなくて済むからヤマト生活は最高!
げげっ。どうして艦内病院にアナライザーが。
しかも酒飲んでる……」
「雪サン。アルコールデ私モパワーアップシテマス。コノスカートメクリノ華麗ナテクヲ見テクダサイ」
「きゃーっ!」
「ヤハリスカートメクリハ男ノロマンデス。パワーアップシタ私ニ敵ハアリマセン」
「きゃーっ。確かにパワーアップしてるわ。でも、その代わりに羞恥心が落ちてるかもね」
「森君」
「はい、佐渡先生」
「というわけで、今日から森君はスカートめくられキャラに決定じゃ!」
「ええっ!?」
「艦内のストレスを解消するために1日1回食事時間、食堂でアナライザーにめくられること!」
「そ、そんな……。私は佐渡先生の助手ですけど、そんなマゾみたいな露出趣味はありません!」
「馬鹿者!」
「ひっ!」
「九十九里浜をもって半ばとせよということわざをしらんのか!」
「意味不明です。佐渡先生、酔っていらっしゃいます」
「酔ってはいても、この佐渡酒造、目は節穴ではありませんぞ」
「え?。でも私は佐渡先生のパートナーですし」
「サドのパートナーはマゾに決まっておる。さあ、めくられろ!」
「ひー!」
「というわけで、森君、恋人はいるかね?」
「いえ、そんな」
「ともかく艦内で男を作っちゃいかん」
「なぜですか?」
「そんなカップルが成立したら、他の男がみんな嫉妬心を抱くぞ」
「そうね。島さんとか太田さんも私を狙ってるものね」
「いや、艦長とか真田君が古代を狙ってるからじゃ」
「えっ……」
「というわけで、その名もステキ、嫉妬団の結成だけは防がねばならん。嫉妬の心は父心、押せば命の泉湧く」
「そんな」
「だから、森君のお相手はアナライザーで決定じゃ」
「ど、どうしてアナライザー?」
「男なら嫉妬されるが、ロボなら全員が諦められるからのう」
「いやー!」
「トイウワケデ、毎晩エッチナコトヲシマショウ」
「やめて!」
「大丈夫、高級バイブミタイナモノデスカラ、嫉妬ハサレマセン」
「何それ。ぜんぜん嬉しくない!」
「トイウワケデ、毎晩雪サンノ部屋ニ通ッテ」
「それでどうするっていうのよ」
「スカートヲメクリマス」
「は?」
「スカートヲメクリマス」
「それだけ?」
「スカートヲメクレルロボハ私ダケデス。ソノテクヲ毎晩披露シマス」
「それだけかい! もっとエッチな展開を期待して損をした!」
「それにしても、窓のブラインド開けてスケスケネグリジェを着てプライベートタイム過ごすなんて、やっぱりマゾっ気があるのかしら」
「船外活動中ノ乗組員ガイタラ窓カラ丸見エデス」
「そうよねえ」
「モシカシテ、特定ノ男性ニ見ラレルコトヲ期待シテイルノデスカ?」
「そ、そんなこと無いわよ」
「ア、本当ニ船外ニ男ガ」
「ええ!? あれは、このあいだ北上夜曲をリクエストした相原君!」
「ハヤク着替エテ連絡ヲ」
「そうね。外も騒がしいわね」
「廊下デ古代サンモ騒イデイマス」
「え、古代君!?」
「雪サン、着替エナイデ廊下ニ出ルナンテ」
「だって古代君に、古代君に見て貰えるチャンスなのよ!」
このとき、いざとなったら宇宙遊泳して地球に帰れると誤解した雪であった。
オマケ §
「それにしてもアナライザーとスカートめくりが好きだねえ。こんなネタばっかり。おまえは子供かって」
「ははは。ヤマト本放送を最初に見たとき、まだ性に目覚める手前の子供だったからな」
「そうか。だから好きなものといえば」
「巨人、大鵬、卵焼き」
「ちがーう。それは時代が違う。佐渡先生、アナライザー、スカートめくり」
「じゃあ、ビーメラ星で、アナライザーと古代のどっちを応援した?」
「もちろんアナライザー」
「やはりな」
「いや、ちょっとだけ女王も応援したかも」
「確かに反乱軍にやられそうになって、可愛そうな女王ではあったが」
「ただ、今にして思えば、アナライザーのおかげで子供の視聴者にも居場所があったアニメだったのかもしれないと思うな。アナライザーや佐渡先生を抜いてしまうと、かなりどろどろした大人の話になってしまう」
「じゃあ、復活編はどうなんだろう? 2人とも乗っていないよね?」
「だから、復活編はかなりどろどろした大人の話になっていると思う。娘から糾弾されるパパ古代とかね」
「それでいいのかな?」
「いいと思うよ。もうヤマト世代もいい大人だし」
「そうか、パパとママの青春を子供に語っても、パパくさーいと娘に嫌われちゃう実体験のある世代か」
「自分に体験が無くても、同世代の誰かにそういう経験があるかもしれない」
「そうか。そういう時代だから、アナライザーの後任が出て来ない訳か」
「既にアナライザーも大人しいしね」
「つまり、古代と雪が既に娘ができるほど夫婦生活を楽しんだ後で、今更スカートめくりぐらいでは刺激にならないというわけだね」
「完結編の35mm版でかなり描写しちゃったからねえ」
「その描写の後日談として見るなら、やはり上手く行かない夫婦生活や、思い通りにパパ大好きと言ってくれない面倒な娘とか、復活編は良いところを突いてると思うな」
「うん。そこがあるから、復活編はいい映画だよ」
「たぶん、単純に娘が雪の後任でおっぱいレーダー担当で第1艦橋勤務だったら、こんなに印象の残る映画になってないと思うぞ」