2010年06月04日
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死んでから喋るスターシャは映画の典型的表現バリエーションなのか

Written By: トーノZERO連絡先

「新たなる旅立ちのスターシャは死んでからも喋って少し変だという話をして、そのあとで最近見た洋画でも死んだはずの女性が出てくるという話をしたが」

「うん」

「はたと気づいた。思ったより幅広いぞ」

「というと? 昔見た、ダークブルーという映画でも、死んだはずの僚機が飛んでいるという描写がある」

「なるほど」

「更に言えば、宮崎駿の風立ちぬも、そこにいないはずのカプロニおじさんが出てきて、主人公と会話したりするのも、一種の亜種派生形かもしれないと気づいた」

「ちょちょちょ。ちょっとまて。宮崎駿の名前が出てくるのか?」

「うん。ダークブルーもイギリスとチェコの合作なんだけど、日本ではジブリが提供していたし」

「おっと」

「つまりさ。実は大きな映画世界というものがあって、映画の常識や映画の方法論、映画の表現などがあって、その世界に属してそういうものをバックグラウンドに作品を作っていくと、敵対関係にある映画ですらある種の共通認識みたいなものが出てくると思うわけだ。銀魂の映画で強く思ったけどさ。映画とはこういうものであるという認識が、おそらく作り手と観客の私の中でかなり一致していた。そして、おそらくヤマトだろうと宮崎アニメだろうと、やはりかなり基本部分は一致しているはずだ」

「なるほど」

「しかも、国境線さえ越えてしまう可能性があるぞ」

「うーむ」

「話を戻そう」

「うん」

「だから、新たなる旅立ちをそういう文脈で見据えると、これはテレビよりも映画の作り方だということになる」

「なるほど。テレフューチャーだけど、構成は映画と」

「うん。劇場でやったこともあるしね」

「どうしてテレビで放送したんだろう?」

「それは分からない。しかし、おそらく企画段階で映画として作るという考えが大きくあったのかもしれない」

「媒体がテレビであっても方法論は映画と」

「ああ、そうか。さらばのオレンジの人たちも同じ発想なんだ。喋らないけど」

「おお! 話がそこにつながるのか!」

「しかも、死んだはずの雪が生きている!」

「そうか。その一連の描写そのものが、そもそも映画的なんだ」

「完結編のクイーン・アクエリアスもな」

「意味もなく浮かび上がって勝手に喋って消えていく存在……」

「常識的には奇異なんだけど、映画的にはありなんだろう」

「するとどういうことになるんだい?」

「つまりさ。これまでテレビ第1シリーズを起点に、テレビの常識を前提にヤマトを語ってきたのだけど、もしかしたらそれは不十分だったかもしれない」

「そうか。さらばは最初から映画で、映画的な常識が入り込んでいるとしたら……」

「幅広く映画を見て、そこから逆にヤマトを見るという視点があってしかるべきだったのかもしれない」

「なるほど」

「そう思うと、サイズも正体も良く分からないさらばのテレサは映画的であって、サイズが等身大で服を着て常識的な人間として振る舞う2のテレサはテレビ的なのかもしれない」

「そうか。死者すら出てきて喋りまくるのが映画だとするとああいうテレサの描写もありってことになるのか」

「光ってサイズ不定で全裸でもいいわけだね。映画的なセンスとしてはね」

「ということは、もしかしてさらばと2の違いというのは」

「映画の常識を解体してテレビの常識に合わせる手順が含まれていた可能性もある」

「とすれば、本当に映画とはなんぞや。テレビとはなんぞやという話にもなりかねないね」

「うん、そうだ。さらばと2を比較していて、バックグラウンド文化の比較論にまで至ってしまった」

オマケ §

「あとから気づいたけど」

「うん」

「ガ○ダムで、死んだララァが出てきて喋るのも似たようなものかもしれない」

「そんなものかね?」

「敵対的な作品の枠を超えて普遍的に通用する表現の基本バリーションだと思えば、そんなものだろう」

「それにしても、話がガ○ダムにまで行くとはね」

「まあ既においらにとってガ○ダムも墓標に過ぎないのだが」

「ヤマトは違うの?」

「ヤマトは最初から墓標だった。赤さびた鉄の塊として出てくるし。そこが大きく違うな」

「違うのか」

「死んでいることに気づかず、動き続けるとは滑稽だ、と思うならガ○ダムは滑稽なのかもしれない。ま、それは受け手の感性によるけどな。でも、ヤマトは最初から死んでいる姿が提示され、そこから始まる点が違う。毎回、OPで赤さびた鉄の塊が飛び立つところから始まる」

「それってどういうこと?」

「死んでいるものをあえて動かすということだ。そこに深い思い入れがおそらくある」

更にオマケ §

「そうか。ライダー大戦2010の電波人間タックルもそうなんだ。既に死んでいるのに動き続ける女だ」

「おい、話がそこまで行くのか」

「書き込む寸前に気づいたけど、死んでいる女がそれに気づかないで動き続けるという描写はテレビにはない。映画になって始めて入ってくるみたいだ」

「ってことは?」

「やはり、テレビにはない映画ならではの表現なのだろう」

「というか、ヤマト世代ならタックルが分かるはずだ、という読みがあるね?」

「さあ、分からんよ。ストロンガーになるとみんな見ていたか定かではないぞ」

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