2010年06月12日
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輪になって踊ろう・ヤマトから始まりヤマトに終わる日の話

Written By: トーノZERO連絡先

 あるとき、ふと気付きました。

 松本ヤマトのルーツを旧日本軍陸上機と考えたとき、模型の時代という作品もあったなあと。意味も分からず、子供の頃に読んでショックを受けたことがあります。というのは、模型のことを分かっているな、と思えるコミック作品は滅多に無かったからです。

 しかし、この模型の時代という作品は、実は小松左京が原作。

 小松左京といえば、ヤマトの後に放送していた(東京の場合)日本沈没の原作者であると同時に、ハイジとヤマトの間で埋没してしまった猿の軍団の原作者(の筆頭)でもあります。

 というわけで、これは無縁ではあるまいと当たりを付けました。

 すると、次に気になったのは模型文化を松本先生に持ち込んだのは誰かという問題です。

 そこではたと気付いたのが、ヤッタラン副長です。模型と言えばヤッタラン。モデルとなった新谷かおる先生が、アシスタント時代に持ち込んだ文化とすれば、辻褄が合います。

 しかし、これは良く分かりません。

  • 模型の時代 徳間書店 1968 (原作側)
  • 模型の時代 不詳 (コミック側)
  • 新谷先生 1973年3月より松本零士のプロダクション「零時社」に入りアシスタントを2年半務める。

 というわけで、肝心のコミックの年代がはっきりせず、良く分かりません。「1978/5.松本零士漫画:小松左京原作「模型の時代」30ページ」という情報や、「週刊少年マガジン」1971年9号という情報もありますが、これは虚偽の疑いがあるというページに書かれていました。

 1971なら白、1978なら黒かもしれませんが、はっきりしません。

※ が、これはあとから分かりました。どうやら1971で正解らしい。壁の長老biacさんに感謝です。

レベルセメント §

 というわけで、「模型の時代」の強い印象は、接着剤をチューブから出さずに、蓋に刷毛のある三角形の瓶、おそらくレベルセメントそのものが描いてあった点です。

 そこで、WikiPediaのGSIクレオスを念のため見に行くと。

イマイ・アリイ発行の『マクロス情報(超時空情報)』に代表される、他のキャラクターモデル冊子に対してアニメから離れた独自の企画が充実していたのが特徴で、小林誠の手による模型作例や、アニメには登場しないパワードスーツ部隊を主役としたオリジナルストーリー連載などが誌面を飾った。

 な、なんですと!?

 小林誠先生といえば、ヤマト復活編の副監督のお名前ではないか!

 つまりヤマトを皮切りに、様々な調査の冒険に出たつもりが、いつの間にかヤマトの世界に舞い戻ってしまったのか!

 レベルセメントの発売日は分からなかったものの、あまりの驚きに愕然。やはり世界は閉じていますね。世界は無限だけど閉じている。

余談 §

 実は当時、ドルバックの冊子は模型店で見たことがある記憶があります。パワードアーマー部隊が充実したなんか凄そうな作品に見えましたけど、アニメではほとんど3機の変形メカだけの活躍で、パワードアーマー部隊はあまり活躍せず。

 あ、ちなみにパワードアーマーというのは要するにパワードスーツみたいなものですね。

 あれで、アニメもあのテイストで進んでいれば面白かったと思うのになあ。

 ヘリとか4輪駆動車みたいな脆弱なメカが変形した無敵ロボなんて別に見たくも無かったのだけどねえ。(といいつつ、ガゼットの完全変形玩具を過去に持っていた。売れ残りを安く売っていたので。そういうのを買ってみたい時代もあったのだよ。認めたくない若さゆえの過ちだけどね。いや、ガゼットが過ちなのではなく、そんなものを買った自分がね)

オマケ §

「レベルセメントがどうしたの?」

「印象に残った」

「なぜ?」

「当時、プラモというと、キットに入っている接着剤をチューブからひねり出して使う描写が多かった。というか、それが初期プラモの常識だった。接着剤を別途買うのは、比較的新しい文化なんだよ」

「なるほど。だから、印象に残ったと」

「でも、曖昧な記憶だから信じるなよ」

「昔のことはどんどん曖昧になっていくしね」

「しかも、そんな作品を読んだことをずっと忘れていたぐらいだからな」

「なるほど」

「それぐらい昔の話だってことだ。ヤマト以前の話かもしれない。少なくとも、さらば宇宙戦艦ヤマトより前であることは確かだ」

「むかしむかしねえ」

「本当ですよ、信じないかもしれないけれど」

「それはハーロック」

「ハーロックの挿入歌集もCD買ってるから歌えるぞ。オレが死んでもよ~」

「棺桶要らないのね。じゃ、そのまま埋葬してやるから」

「おいおい」

「でも結局立体物にはあまり手を出してないね」

「うん。模型に過剰に入れ込むことはなかった、と言えるな」

「ワンフェスには通ってるけどね」

「モデグラも買ってるけど、やはり過剰には入れ込んでないな」

「自分だけのヤマトを原型師に発注することもない」

「うん。だって、そういうものじゃないと思うからさ。金もないが発想もなかった」

「ってことは、金があっても実行しなかった?」

「実行するという発想すら無かった。というか模型は大したものじゃないけど原型作ったこともあるのだから、発想があれば自分でやってるよ」

「というと?」

「ヤマトは立体物にならないと思うんだよ。矛盾してるし、カットによって形が違うからさ」

「サイズも良く分からないしね」

「精密な縮尺模型には馴染まないと思うな。ああそうか。だから、ヤマトの模型とは一線を画しているのか」

「そうだね。ゼンマイヤマトとかデフォルメヤマトとかメカコレの話はしても、縮尺の入ったリアルな模型のヤマトの話はしないものね」

「うん。そこは縁がないのかもしれない」

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