2010年06月19日
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実は21話と22話のシナリオで表記が違う重爆撃機

Written By: トーノZERO連絡先

 はたと重大なことに気づきました。

 「宇宙戦艦ヤマト全記録集 TVシナリオ版」で、22話の戦闘空母の搭載機は「重爆撃機」と表記されています。

 だから、実際に放送された内容と変化はなく、ねじれてはいないと思っていました。

 しかし、21話には「超大型雷撃機」と書かれています。

 更に重要なことは、この21話と22話は同じ藤川桂介先生のシナリオであり、連絡の行き違いということもあまり考えられません。

 もう1ついえば、21話のシナリオでバーガーやハイデルンのような者達は、艦長ではなく飛行隊長と呼ばれています。戦闘空母は、第4空母ではありませんが、ハイデルンは第4飛行隊とされています。

更に発見 §

 更に、22話にも1カ所だけ雷撃機という表記があることを発見。

 しかしそれよりも早く、特殊雷撃機は波動砲発射孔(ママ)目がけて、ドリル・ミサイルを撃ち放った!

 これは22話も雷撃機という表記で当初は書かれていて、あとから重爆撃機に書き換えられた可能性が考えられます。上記はその修正漏れという可能性です。

ならばこれは何だ? §

 超大型雷撃機なら海軍機ですが、重爆撃機なら陸軍機です。ある意味で、位置づけが大幅に遊動しています。戦闘空母上の重爆撃機は、ホーネット上のB-25のような感覚かと思っていましたが、原点は同じではないかもしれません。むしろ、ヤマトに搭載された中型雷撃艇のような感覚だったのかもしれません。

 とすれば、シナリオは松本サイドに歩み寄り、松本サイドもヤマト2で「消去されたシナリオ上の設定」に回帰して歩み寄ったということも考えられます。そういう意味で、それほど明瞭な対立は存在しないのかもしれません。

オマケ §

「というわけで、この話はとても重要だ」

「というと?」

「従来、シナリオはシナリオ。フィルムはフィルムとして勝手に進めていたと考えていた」

「うん」

「そうしないと、いろいろ解釈できないからだ。フィルムに合わせる気があれば、ホワイトドッグ隊が最後までシナリオに出てくるわけがないからね」

「そうだね」

「しかし、それはそれとして、もしシナリオがフィルム側の要求で書き換えられているとしたら、話が変わってくる」

「そうだね。相互に勝手に進めたわけではなくなってしまう」

「すると、問題は、いつ、誰が書き換えたのかということになる。その契機は誰が作ったのか、ということも問題だ」

「難しいね。当事者だってよく覚えていないのではないか?」

「記憶が途中で変わってしまうことも珍しい話ではないし、そもそも最初から同じ同じ認識ではなかった可能性すらある。難しいね」

「どうしたらいいの?」

「物証を元に解き明かしていくしかないだろうが、実は難題であることに気づいた」

「というと?」

「西崎さんの会議好きという言葉もあるらしいので、おそらく会議の席での多角的な様々な意見が合わさってヤマトは成立していると思うのだが、実はその場にいたと思われる多くの人に関する基本的な知識があまりにも乏しい」

「えっ?」

「たとえば、西崎義展先生といえばイメージが沸く。作品の顔として露出していたから分かるわけだ」

「ラジオドラマとかにも出ていたね。ドラマの間に質問に答えていたよような気がするよ」

「松本零士先生も自分の意見をかなりマスコミで言う人だから、かなり見えている」

「うん」

「では、山本暎一、舛田利雄、石黒昇、野崎欣宏といった人たちの代表作が何であり、どういう感じの人かというと急に難しくなってくる」

「そうか。自分の名前で表現をやってる人たちは、見えやすいけれど、集団作業の中で区別しにくい立場の人は分かりにくいわけだね」

「だから、豊田有恒先生のように、自分で小説を書いていればそれを経由してどういう人か分かりやすい。しかも、昔は『あなたもSF作家になれるわけではない』という本も読んだことがあって、より生に近い声にも触れたしね」

「なるほど」

「アニメーターでも個性が強くて分かりやすい人と、そうではない人がいる。たとえば、芦田豊雄先生といえば、ダイアポロンの人だとすぐ分かるし、金田伊功先生と言えば金田パースの人だとすぐ分かるが、そういう分かりやすい連想が働かない名前もある。それは、仕事の善し悪しの問題ではないし、表現力の問題でもない。単なる記憶に残る話題性の問題でしかない」

「うーむ」

「ちなみに、改めて調べてみるとなんと、舛田利雄先生は映画の『ノストラダムスの大予言』も監督していた。子供の頃、あれはけっこう好きだったんだ」

「ええ!?」

「ノストラダムスの大予言というのは基本的にトンデモであって論評に値しないが、映画になれば話は別だ。映画表現としての価値はまた別にある」

「そうか、別か」

「更に野崎欣宏先生になると、松本零士先生を監督候補者として推薦し、監督兼デザイナーとして抜擢する、といった凄く重要な役割を果たしたらしい」

「そうか。それが事実なら、松本ヤマトを成立させた功労者だね」

「というか、それ以前の企画はヤマトですらなかったはずだ。岩の塊が飛んでいく企画だったはずだ」

「ということは、ヤマトそのものを成立させた始祖といえるわけか」

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